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「できない」言い訳の記録

「産後1ヶ月だけお休みいただいて、また書かせてほしいです」

定期的に記事を書かせていただいていたメディアの編集長に、妊娠報告と共に伝えた。フリーになったばかりでの妊娠。「フリーライターはたくさんいるので、妊娠で穴をあけたらすぐに仕事がなくなる」、「私は取引先に妊娠出産を隠したまま仕事していました」。インターネットで検索したらそんな文言がザクザク出てきたからだ。こんな駆け出しの私を拾ってくれた編集長に申し訳ない、記事を書くのは子育てしながらでもできるんじゃないか、そんな気持ちからの提案だった。

今振り返ると何を言っているんだと過去の自分の横面を引っ叩きたくなる。編集長は子育て経験もある先輩だったので、驚いた顔で「いや、落ち着くまではお休みしていいよ」と何もわかっていない私に言ってくれた。

そして現在、産後2ヶ月半。仕事どころか自分の世話もろくにできていない。せめて週1で書こうとしているnoteですらままならない。何が「産後またすぐ働けます!」だ。

それでも実際に産後すぐに働いている人もいるし、そういう人は本当にすごいなあと思う。私の場合は母も近くに住んでいるし夫の帰りも早い。手厚いサポートがありながら、なぜ「やるべきこと」ができないのか。できる人も多い中で完全に自分への言い訳なんだけれども、記録しておきたいと思う。

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まとまった時間が取れない

娘がまだ新生児の頃、ミルクをあげてオムツを替えておけば寝ていた。育児にはまだ慣れないものの「これは娘が寝ているあいだに書けるのでは?」と考えていた。

今、娘は昼間ほとんど眠らない。眠そうにしていても寝ない。ちょっと寝たと思ったら起きる。私が話しかけていれば笑っているが、他のことをしていれば泣き出す。かまってちゃんになってしまったのだ。

また娘は大食漢なので、一回の授乳でめちゃくちゃ飲むし、またすぐにおなかがすく。つまりお腹がいっぱいになってから、オムツを替えて、抱っこして寝かしつけしているうちに、なんとまたすぐお腹がすく。「えっ、今さっき飲んだのに…?!」は、私の育児頻出ワードベスト10には入っていると思う。

そんなわけだから、まとまって1時間パソコンに向かうことも今は難しい。これは赤ちゃんにもよるんだろうけれど、育児をしている人は共感してくれる人が多いのではないかしら。

他のことをしてしまう

やっと寝た…!と思ったときに限られた、いつ終わるともわからない自由時間をどう使うか。これは脳をフル回転させて有効に使うべきだ。

だが私の脳は全く動かない。「寝たーーーー!自由だーーーー!」という開放感が脳を麻痺させ、携帯をいじったり、ゴロゴロしたり、お菓子を食べたりしてしまう。ツイッターを見ているうちに娘が泣き出し「はっ!しまった!」と我に返って絶望することも少なくない。

また私は昔から「テスト勉強する前には机を片付ける」という現実逃避型人間だったので、今でも保活準備などの前にやたらと部屋を片付けようとする。実はさっきも机の上を片付けているうちに娘が起きた。

それだけでなく、一応は家事もしなければならない。洗濯機を回して、皿洗いをするという最低限の家事をしているだけで時間は過ぎる。床掃除までできたらハナマルだ。

そう、24時間自分のものだった「時間」は、今やその10%くらいしか自分のためには使えない。

とにかく眠すぎる

「赤ちゃんが寝たら、一緒に昼寝しなさいね」と、よく言われた。

ただでさえ自分の時間がないのに、そんなもったいない!ちょっとくらい寝不足でも…と考えていた自分、今一度、横面を引っ叩きたい。

ねむい!ネムイ!とにかく眠い!

自分でもコントロールの効かない眠気の限界。最近では「赤ちゃんが寝たら昼寝」ではなく、「私が起きれないので強制的に赤ちゃんもベッドにいる」という状態が多々ある。

とにかく娘から離れられない

かまってちゃんの娘でも、一人でゴキゲンに過ごせる時間も増えてきた。機嫌がよければ外の明かりを見たり、うたた寝してみたりして行儀よく過ごす。泣かず叫ばず、いじらしく一人遊びをする娘は可愛くてしょうがない。

これが問題で、ゴキゲンな娘は放っておいても大丈夫なのに「わ~ゴキゲンだね~」などと言いながら娘と戯れているだけで小一時間経ってしまう。

おそらく、というか間違いなく、自分の時間を増やすためにはこの4番目を削ればいいのだけれど。まだ私にはできそうにない。だって可愛いんだもの。だって私の顔を見ると嬉しそうに笑うんだもの。放っておけない!

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自分の時間はないけれど、私と娘「ふたりの時間」は嫌というほどある。そこに夫や母が加わって「家族の時間」だ。長い長い人生のなかで、こんなに濃厚な「家族の時間」が過ごせることはなかなかない。

記事を書いたり、保育園さがしたり、いろんな書類を揃えたり、予防接種のスケジュールを確認したり。しなければいけないことは本当にたくさんあるけれど、この家族の時間を思う存分過ごすことが、今の私の「やるべきこと」なのかもしれないな。

そんな言い訳をしながら今日も何も手に付かないまま、また娘のおなかがすいた模様。これはしばらく離れられそうにない。

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