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ぽかぽかな誕生日、1万円を握りしめて本屋に行く。
私は「今日、本屋に行く」と何ヶ月も前から決めていて、その手には1万円が握られていた。1万円と言ってもお札ではなく、「5千円分」の図書券が2枚である。本を買うためだけにしか使えないお金。これで、たらふく本を買いに行くのだ。
なぜ今日なのかといえば、それは私の誕生日だからで、本日の「爆買い」の一番の言い訳である。私は本が好きだけど、読むのが遅いのと収入が少なめなので、「本を買う」のは実はちょっとハー
1年前、私は生き方の「答え」を求めて、ある学校に入った
2022年、私は2人目の育休を終えて仕事に復帰した。
ライターとして働き始めてすぐ、立て続けに2回の妊娠・出産を経験した私としては、「よーし、いよいよ子育てとキャリアの両立が本格的に始まるのだ……」と、意気込んで子どもたちを保育園に送り出したのを覚えている。
ところが。4歳児と1歳児を育てながら、自分のキャリアも育てていく、というのはなかなかの至難の業。世の中の多くの人は家庭と仕事の両立ができ
「はじめまして」はいつもクリスマス
2011年の冬、私はバカでかいスーツケースを持ってシカゴに降り立った。心臓と胃のあいだみたいなところが痛む。緊張している。これから2週間ばかし、彼氏(今の夫)の家族とクリスマスを過ごすのだ。
「冬のシカゴは信じられない寒さだから」と、夫に聞かされてビビった私は、ありとあらゆる冬服をスーツケースに詰め込んできた。ニッポンのテクノロジーを詰め込んだヒートテックはもちろん、ジャケットもダウンも、室内で
覚えておくことを諦めそうな私とあなたへ
「子育てはおもしろいから、たくさんメモしておいたらいいよ」
妊娠がわかったとき、ライターの師匠がそう言ってくれたのをきっかけに、私はnoteを始めた。実際、妊娠も出産も子育ても、めちゃくちゃおもしろい。身体の変化は摩訶不思議だし、子どもの動きは魔法のようにまったく予想がつかない。
そして書き始めてみたら、なにより自分の「心の機微」がおもしろいと思った。ぼーっとしていたら過ぎ去ってしまう感情を、
子どもたちの“好きな風景”が、よりよい未来をつくると信じて
「環境問題と子育ては、相性が悪い」と思った。
子どもを産んでみると、環境について考えるのが一気に難しくなった。毎日大量に捨てる紙おむつも、プラスチックのおもちゃも、疲れた夜の冷凍食品も。息を吐くように自然とゴミが出る。そんな環境で、子どもたちに「環境問題を考えよう」なんて言えるのか、と自問する。
同時に、子どもの寝顔は私に「よりよい未来」を切望させた。これからを生きるこの子たちに、どうすれば持
私の人生を変えた「3つの告白」
「ずっと好きでした!」
ある3月の、もう暗くなりかけた頃だった。15歳の私は自転車にまたがっていて、同じように自転車にまたがってこちらを振り返っている彼にそう言っていた。言った、ついに言った……!中学校の卒業式のあと、サイゼリヤでの打ち上げの帰り道。分かれ道の前の交差点が、最後のチャンスだった。
ひょろりと細長い体型も、中性的な顔つきも、グループの中心から少し外れたところでみんなを見ている眼差