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2_自分の「弱み」を見つめる

こんにちは、ナビたろうの「学習相談室」にアクセス頂き、有難うございます。心より、御礼申し上げます。

さて、前回の内容を簡単にまとめておきます。前回は「メッシのストーリー」を題材に、「弱み」と「強み」についてお話しました。特に「弱み」が「強み」を伸ばすという点について、お伝えしました。これは『学習』でも同様です。

今回は、自分の「弱み」の見つけ方について、お話していきます。自分の「弱み」の見つけ方・・? そんなもの、ある訳ないじゃないか!、そんなもの見つけたくない!、と思う人も多いでしょう。

それでも私は、自分の「弱み」(弱点)を見つけること、自分の「弱み」を見つめることは大きな意味があると考えています。まずその理由について、お話していきます。


なぜ「弱み」を見つけるのか

なぜ「自分の弱み」を見つけなければならないのでしょうか。

メッシのストーリーを思い出してみましょう。身体的なビハインドを抱えていたメッシがサッカー選手として大成功した理由は「自分の弱みを知り、その弱みをカバーできる強みを磨き続けた」からです。具体的に言えば、身体が成長しないという「弱み」を克服するために、人並み外れたテクニックという「強み」を習得しました。そのテクニックが、メッシを世界最高の選手にしました。まさに「弱み」が「強み」を伸ばした例だといえます。

これがまさに「自分の『弱み』を見つける理由」です。

メッシに限った話ではありません。世の中で成功した人たちの人生や背景話を聞いたり、読んだりしていると、あることが「共通している」ことに気づきます。それは、人生の早い段階(~20代ころまで)に「自分の弱みを痛切に感じる経験」をしていることです。一般的な表現を使えば、若いうちに「大きな挫折」を経験しています。そして、その「挫折」の経験から「学び」を得て、同じ過ちを繰り返さないためにはどうすればよいのかを必死で考え、成功を掴みます。そのような成功者のストーリーの「根本」「根っこ」にあるのはまさに「自分の弱みを知る経験」です。

青と白 アローチャート プレゼンテーション

ともすると、世の中で成功した人は生まれ持って「傑出した能力」「飛び抜けた才能」を持っていたと私たちは考えがちです。しかし、事実はそうではありません。むしろ、事実は「真逆」だと私は思います。成功者は「人並み外れた弱み」を持っていて、その事実から目を背けず、それを克服するために「必死の努力」をしたからこそ成功した、というのが「本当」ではないでしょうか。メッシのストーリーはまさにそのことを教えてくれます。


自分の「弱み」を隠す(良い子の『習性』)

自分の「弱み」を見つましょう! それは「口で言う」のは簡単です。しかし、文字で表現するのは簡単ですが、実際にそれを実行するのは簡単はありません。とても難しいことです。あなたの周りにも、自分の「弱み」と向き合わずに人生を生き続け、なんだか苦しそうな生き方をしている人がたくさんいると思います。少なくとも、私の周りには結構います。それほど、自分の「弱み」を見つける、見つめるというのは、人間にとって難しいことです。

ヒトは、自分の「弱み」に対して、このような「考え方」を一般的に持っています。それは、自分の「弱み」は「他人からバレないように隠すもの」であるという考え方です。幼い子どもが誤って「お皿」を割ってしまったとき、そのことがお母さんやお父さんにばれないように「お皿の破片を隠す」ように、人は自分の「弱みを隠す」習性を持っています。私はこれを『良い子の習性』と呼んでいます。

良い子の習性とは、言葉通り「自分は『良い子』でいなければいけない」という考え方です。お皿の例で考えれば、お皿を割る子は『悪い子』です。良い子の習性を持つ人にとって、お皿を割ってしまったという事実は、受け入れがたいものです。だから、その事実を他人にばれないように「隠す」必要があります。

青と白 アローチャート プレゼンテーション (1)

良い子の習性は、お皿を割るのようなケースに働くのと同じように、自分の「心理的な弱み」に直面した場合にも、同じように働きます。自分の弱みに直面したとき、良い子の習性を持つ人ほど、それを受け入れることが難しいのです。

私が過去に接してきたお子様のなかにも「良い子の習性」を持つ子どもはたくさんいました。むしろ、ほとんどの子どもはこのような「習性」を持っています。自分は「良い子でいたくない!」と思う子どもは、ほとんどいません。社会のルールを尊重し、生きていくには「良い子でいる習性」はある程度は必要です。しかし、それが「過度」になりすぎると、逆にその子ども苦しめてしまうことがあります。良い子でいなければいけないというプレッシャーが強すぎるからこそ、自分のささいな「弱み」すら、受け入れることができないのです。弱みを直視することができないということは、そのことから生まれる「改善策」や「強みを伸ばす」こともできません。結果として、そのような子どもはあまり伸びないのです。


「弱み」に対する肯定的な姿勢

自分の「弱み」を隠す人がいる一方で、自分の「弱み」に対して、非常にオープンな姿勢を持つ人います。オープンな姿勢とは、言葉を変えれば、「肯定的な姿勢」ともいえます。

そのような「姿勢」を持つ人は、自分の「弱み」に直面したとき、その事実を受け入れることができます。良い子の習性を持つ子どもが、その事実を『隠す』のとは対極的に、その事実を『受け入れる』というのが大きな違いです。

お皿の例で考えれば、お皿を割ってしまった事実に対して、そのようなオープンな姿勢を持つ人は「隠さずに、事実を受入れ」ます。そして、そのような事実に対して対応する最適な手段を選択することができます。そうです、お母さんに「お皿を割ってしまった」と伝え、謝ることです。そのことを伝えられたお母さんはどのような反応を示すでしょうか。もちろん多少のお小言は言うと思います。しかし一般的なお母さんであれば、よく正直に言ったわね、偉いね、と最後はその子どものことを誉めるでしょう。お皿を割るという事実を『受け入れ』、その事実に対する『最適な行動』をとったからこそ、お母さんは許することができます。

自分の心理的な弱みに対する態度も同じです。自分の「弱み」に直面したとき、オープンな姿勢を持つ人は「その弱みを『受け入れる』こと」ができます。そして、その事実を受け止めた上で、最適な行動を選択することができます。結果として、弱みを改善したり、弱みをカバーするだけの『強み』を手に入れることができます。メッシはまさにこのパターンで成功を手にした最高の例です。

さて、ここまでお話をしてきた内容からひとつメッセージを伝えるとすれば、それは「自分の『弱み』を受け入れる姿勢」を持つことが大事だということです。それが、まず最初の一歩になります。しかし、同時にそれはとても困難な作業です。

では、「弱み」を受け入れるためにはどうすればよいのか。それを次にお話していきます。次回のテーマは「そもそも『弱み』とは何なのか」についてお話をしていきます。お楽しみに!

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