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3_「コンプレックス」とは何か①


こんにちは、ナビたろうの「学習相談室」にアクセス頂き、有難うございます。心より、御礼申し上げます。

今回は「弱み」について、少し考えていきます。前回は「『自分の弱み』と向き合うことの『プラスの効果』」についはお話しました。今回はその続きで、そもそも「人にとって『弱み』とは何なのか」を少し深く考えていきたいと思います。

(↓前回記事)


動物にとっての「弱み」とは

そもそも、「弱み」とは何でしょうか。むちゃくちゃ広い話になりますが、「人間」の枠を超えて「動物」という枠組みで考えてみたいと思います。動物にとって、弱みとは何でしょうか。

例えば、ライオンという動物がいます。ライオンといえば、百獣の王と言われるくらいですので、どの動物にも負けない、と思うかもしれません。しかし、実際はそうではありません。百獣の王のライオンにも「弱み」があるのです。

え・・ライオンにも弱点が・・?

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そうです、ライオンにも弱点があるのです。ライオンの弱点、それは「狩りがそんなに上手ではない」ところです。特に雄ライオンはチーターやハイエナほど足が速くないので、足の速い動物を捕まえることに長けていません。狩りをするのが主に「メスライオン」なのは有名な話です。

そして、その弱点を補うために「メスライオンを中心に『集団を形成し』群れで狩り」をするのです。一頭一頭が連携し、獲物に襲いかかることで、一頭では倒せない獲物を捕まえます。

私がここでみなさんに伝えたいことは、あの「百獣の王のライオンでも『弱み』がある」ということです。つまり、人間にだって、弱みがあって当たり前なのだ、ということをみなさんにお伝えできればと思います。

しかし、一般にはあまりそう思われていないように私は感じます。人間は「自分に『弱み』などない(あるはずはない)」と思い込んでいる気がして私はなりません。まるで「ロボット」が完璧であるかのように、私たち人間は「自分が完璧」だと思い込んでいるのです。

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白雪姫の「鏡」のお話

自分が「完璧だ」と信じる人間にとって、許しがたいことはなんでしょうか。そうです、完璧ではない自分の存在を認めることです。これは、すべての人間にとって、非常に難しいことです。

この点を最も分かりやすく表現しているお話があります。それは「白雪姫」です。白雪姫にはいじわるなおばあさんが登場します。そのおばあさんは『鏡』に向かって、このように問いかけます。

鏡よ鏡、この世界で一番美しいのは誰?

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すると、鏡は「おばあさん」を写しだす・・はずが、、そこには「白雪姫」が! おばあさんはその『現実』を受け入れることができず、白雪姫の存在を消そうとする・・それが白雪姫のストーリーですね。

さて、白雪姫のいじわるなおばあさんのお話は「人間がいかに『完璧ではない自分』を受け入れるのが難しいか」を典型的に示しています。自分が世界一美しい(完璧だ)と信じて疑わないおばあさんにとって、それ以外の人間が自分よりも美しいと認めることは極めて難しいのです。

これは、おとぎ話の中の話ですが、私にとってもみなさんにとっても、他人事ではありません。人はみんな知らず知らずのうちに自分が「完璧」だと思い込んでいます。そして、完璧ではない「自分」を見ないように、心の目をふさいでしまっているのです。完璧ではない自分を受け入れることは、とても難しいのだということを重ねてお伝えしたいと思います。

「コンプレックス」とは何か

他の動物には存在しない、人間だけに生じる面白い心の現象があります。それは「コンプレックス」という現象です。日常会話でも良く使われる言葉なので一度は耳にしたことはあると思います。しかし、その言葉の「正しい意味」を理解している人は、それほど多くありません。「コンプレックス」とは何なのか、その点を少し、お話していきます。

「コンプレックス」という言葉を現在用いられているよう意味で、最初に用いたのは、スイスの精神科医ユングです。日本にユングの研究成果を紹介、普及したのは臨床心理学者「河合隼雄(かわいはやお)」です。コンプレックスに関する書籍も、日本で出版されているものは、基本的に河合隼雄さん、もしくはその関連の研究者の書籍が大半です。私も河合さんの書籍を読み、コンプレックスについて多くのことを学びました。

「コンプレックス」とは一般に、どのようなものだと理解されているでしょうか。なんとなく「自分の嫌いな部分」「あまり人には見せたくない部分」というイメージではないでしょうか。例えば「私は容姿にコンプレックスがあります」と言った場合、「容姿には自信がありません」という意味だと一般的には受け取ります。そのようなカタチで、割と広い意味で「コンプレックス」という言葉が用いられています。

しかし、コンプレックスという言葉の大元の意味、心理学的な意味は「心的複合体(しんてきふくごうたい)」というらしいのです。私も最初にこの言葉を聞いたときには、なんじゃそれ、と思いましたが、その背景や意味内容を理解していくと「ものすごい面白い」と感じました。

(続きは次回)

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