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【まなスト①】駒ヶ嶺 光さん(京都大学3年生)

今回、インタビューをさせて頂いたのは「駒ヶ嶺光さん(京都大学農学部3年生)」。


駒ヶ嶺さんは、東京都府中市出身。都内の私立高校を卒業し、京都大学に進学。現在、京都大学農学部の3年生です。

駒ヶ嶺さんに「過去の学習経験」をお聞きしました!

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勉強が「自然に好き」になっていた

駒ヶ嶺さんは2人姉妹の2番目。お姉さんも非常に成績優秀。東京大学を受験するほどの学力だったそうですね。駒ヶ嶺さん自身も小学生のころから、自然と勉強が好きなり、学校の成績も常に上位を取るのが当たり前だったそうですが、勉強が好きになるきっかけなどはあったのですか?

本当に自然に『勉強』が好きになっていました。
悪く言えば、学校の『勉強以外』に得意なことや夢中になれることがなかったのかもしれません。勉強が得意である、ということが自分の自信に繋がっていたのだと思います。ただ本当に勉強することが好きでしたし、今でも新しいことを知ることが大好きです。

その後、駒ヶ嶺さんは中学受験で都内の有名私立進学校に見事合格。中学、高校と学校の成績も上位を維持し続けました。一方で部活動にも積極的に打ち込んでいました。


大学受験、勉強に身が入らずに焦る

一般的に、高校生は高2の夏~春ころに部活動を引退し、そこから本格的に受験勉強を開始します。駒ヶ嶺さんも部活を引退した後、駿台予備校に通いながら、本格的に受験勉強をはじめたそうですね。

はい。私も部活を引退後、予備校に通いながら、受験勉強をはじめました。
ですが、なぜだか『受験勉強』に身が入りませんでした。私が通っていた学校は進学校のため、学校の上位4分の1程度は東京大学など最難関国公立大学を受験し、合格します。私も学校の成績では、そのくらいの位置にいました。クラスの友達は、もちろんそのような大学に向けて受験勉強を進めていました。ですが私は『部活引退』から『受験勉強』への切り替えがどうしてもうまくいかず、漠然と焦りだけを感じるようになっていました。

そのような中でも、駒ヶ嶺さんは高校3年生に進学、受験学年になります。受験勉強は本格化し、受験学年の全国模試もはじまります。しかし、高校3年生のときに受けた模試であまりにも問題が解けず、少しパニックになって途中退出をする経験をします。

それから学校の授業にも出たくないと思うようになり、登校しても数時間は保健室で過ごすこともあるような日々が続きました。学校でも予備校でも、周りは皆、受験勉強を頑張れているのに、成績上位で周りからも期待されていた自分はできていない、という現実を突きつけられるのがきつかったのを覚えています。

その後、現役で京都大学を受験しますが、結果は不合格。駒ヶ嶺さんは浪人の道を選択します。


「自分のペースで学ぶ」ことの大事さを知る

浪人の時はどのように勉強していたのでしょうか。

まず、現役のときは駿台予備校に通っていましたが、浪人のときは『独学』で受験勉強をすることを決めました。これは私にとって、すごく重要な意思決定だったと思います。そのときは、予備校のテキストや教材などは一通り揃っているのだから、その教材を使って自分で学習すれば良いと考えていました。もちろん、予備校の先生からは止められました。ひとりで学習すると『学習ペースの維持』や『やる気の維持』が難しいとも言われました。だけど、私は独学でやると決め、浪人生活を始めました。

テキストや教材があるとはいえ、自分で『学習計画』を作って勉強するのは大変だったと思いますが、そのあたりはどのようにやっていたのですか?

結論として、周囲のペースに合わせずに『自分のペースで学習すること』は私にとても合っていたと思います。4月から夏ころまでは『数学』だけをひたすらにやっていました。他の科目の勉強はほとんどせず、数学を『自分が納得するまで』とことん突き詰めて、やってみました。私は『自分が納得』しないと、次に進めないタイプだと分かりました。とことん、納得するまでやり切ることで、自分のペースで勉強を進めていくことができると、そのときに分かりました。

そして、一年の浪人生活を経て、駒ヶ嶺さんは見事、第一志望の京都大学に合格します。現在は地元である府中市の学生団体で活動しながらも、京都大学で学んでいます。


大学生になっての今、そして「これから」

浪人時代に出会った仲間と、東京都府中市で「Posse」という中高生向けの学び場を運営しているそうですね。これから大学受験など、勉強を進めていく子どもたちに向けて、何かメッセージはありますか?

勉強のやり方はひとりひとり自分に合う方法が全然違う、と私は思っています。なので、勉強法や何をいつどれくらいやるかなどのスケジュールなどに関して、学校や塾・予備校の先生が言うことや、世間一般に言われていることは、ひとつの参考程度に気にしすぎなくて良いと思います。私も、高3の頃は他人が言う理想像からかけ離れた自分の現状に打ちのめされてしまっていたけれど、自分のやり方で勉強できるようになってからはとても楽しい浪人生活を送ることができましたし、受験勉強も成功させることができました。受験生だとしても、思い詰めて勉強ばっかりの生活を送らなくてもいいし、気楽に勉強を楽しんでほしいです。
世界は思ったより広くて、いろんな人がいる。そのなかでどう生きていくかは自由だし、自分で決めればいい。」私は自由な浪人生活を経て、そういう思いを強く持つようになりました。受験勉強などは決まった枠の中での勉強にどうしてもなってしまうかもしれないけれど、本来「学び」は自由に世界を楽しむためのものだと思います。自分の興味の向くままに世界を楽しんでください!

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最後に、駒ヶ嶺さんが浪人時代にフェイスブック投稿した言葉を少しだけ抜粋して紹介します。すごく、いい言葉が並んでいます。

そもそも勉強できなかった(しなかった)現役時代を過ごした私は、予備校に行ったらまた他人との比較とかでしんどくなる気がするし、勉強自体は好きだし夢ははっきりあるし第1志望に行きたい気持ちは誰より強い自信はあるから、マイペースに勉強したい。浪人生は伸びないとか宅浪は厳しいとかそんな一般常識に縛られたくない。普通の浪人生にはなりたくない。そう思って選んだ今の生活。
だからこそ出会えた人がいて、内向に偏ってた去年から思考が外に戻ってきて、これからの方向先を決めるための1年をもつために、これは自ら選んだ道だったのかもしれないって思ったりまた違う出会いがあって、他学部の可能性を見直す機会を与えられて、去年出した推薦(第1志望は推薦も出しました)のために考えた具体的な将来やりたいことに、もっとぴったりな専攻を他学部に見つけたり(よって多分志望変えます)
人生って偶然だけど必然なのかもしれない(矛盾だけどそういうこと!)としか思えないことがたくさん起きるんだな(この前読んだ本にも同じことが書いてあった)、と感じる日々!!
そんなにこれといった活動みたいなのはしてないけど、いろんなことを考え感じながら過ごしています。
結果もそうだけど、内容を求める年度になりそうな感じ。

そして、京都大学に合格後、後輩に伝えたいメッセージではこのような言葉を送っています。駒ヶ嶺さんの経験があるからこそ、出てくる言葉だなと感じます。

 私は高2まで勉強面に限っては、JGでもあまり悪い成績を取ってこなくて、JG生がよく言うような劣等感を強く感じたことがないような人でした。そんな私だったのですが、高3になって受験勉強を始めると、完璧主義のせいで、部活に熱中して勉強を理想通りにこなせなかった自分と、周りも自分も自分に期待しているのに勉強に熱が入らない自分への自己嫌悪が激しくなって、自分より頑張っているように見える友達を見るのが辛くて学校に行けなくなったくらい精神的に難しかった時期が長くありました。結局勉強に本腰を入れられたのは12月と遅く、間に合うはずもなくて第一志望に落ちた今、浪人することを決めています。
 今までの私は、○○すべき、せねばと思って、それができなかった、できない自分を自分で責めたてて反省して「明日こそは」と思って、それを実行できるように努力することが自分を高めていくことだと思っていました。けれど、周りと比べてなにかができない自分をダメな人間だと否定して変わっていこうとするのが向上心ではないです。むしろそういう自己否定ばっかりでは、私のこの一年のように、負の感情に飲まれて、やる気につながるはずもなく何も手につかなくて、それが辛くて逃げて、罪悪感でさらに気分は落ちて…そういう悪循環にはまります。
 一般的にみてとか、常識としてとか、世間ではこう言われてるとかは、ある程度は確かに必要です。でも、何事も頑張ることが当たり前の常識で、頑張らないと認めてもらえない、うまくいかないとまで思ってしまうのは違います。頑張ることはもちろん大事ですが、自分を心身共に追い込みやすい側面があります。さらに、べきねば思考は自分を縛ってしまいます。だから、どっからかもってきた世間とか平均とかと比べてできる・できないを判断しなくていいし、そういう常識みたいなものにとらわれないでほしいです。人に認めてもらうために世間の常識を守るのは大切なことに思えるけど、誰にも批判されないことより、自分がありのままの自分を認めてあげられることの方が大事です。自分のことは自分が一番わかるように、自分のことを一番愛してあげられるのも自分です。何かできないことがあっても自分を否定しないで、それも含めて自分なんだと、ありのままの自分を受け入れてあげて、その上で少しずつ足りないことをできるようにしていけばいいんだ、とこの一年で心からそう思えるようになりました。そして自分を愛することができるようになってこそ、今他人を受け入れて愛することも自然にできるようになってきたのだと思います。
 私と同じような性格の人が多い訳じゃないと思うから、今回の私の話が役に立つかはわかりませんが、ぜひ自分と向き合っていろんなことを考えてください。そして、これから先上手くいかなくて苦しくて辛い経験をすることもあると思うけど、それは絶対意味があることで後にきっと活きる経験となっていくので、逃げずに、でも適度にゆるく、これからも一緒に頑張っていこう!


「私の学びストーリー」では、過去の学習経験に焦点を当て、様々な人の「ストーリー」を紹介していきます。今後も随時、更新して参りますので、よろしくお願い致します(^^♪

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