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【DTM】ミックスでボーカルを目立たせる方法

manate的に一番強い、今日から使える「ミックスでボーカルを目立たせる方法」をご紹介します。超簡単にボーカルを目立たせたい、絶対にインストに埋もれさせたくない方におすすめの時短テクニックです。

使用例

まずはこのテクニックの使用例をご確認ください。
検証用のため普段よりボーカルは少し小さく、少し効果を強めにしています。
テクニック以外は同じ状態にした音源です。
<不使用例>

<使用例>

エレクトロなバキバキの曲なので、不使用例だとボーカルがインストに埋もれてしまっていますが、使用例では埋もれる事なく目立っていると思います。
この曲のフル版と詳細はこちら。

仕組み

ボーカルが発音したタイミングで、ボーカルの周波数帯域のみインストの音量が圧縮されるため、空間というか隙間が生まれます。
超シンプルです。

サイドチェインイメージ

突然ですが、お弁当で例えてみます。
蓋ギリギリ、パンパンに詰めたごはんの上に梅干しを乗せるとする。
そのままご飯の上に梅干しを載せて蓋をすると梅干しは潰れてしまいますが、ごはんに窪みを作って梅干しを載せるとそれを防げると思います。
それと同じことを行っているのです。

・弁当箱の広さ=サンプリングレート、周波数帯域
・弁当箱の深さ=ビット数、最大音量
・ごはんやおかずを詰める、配置=ミックス
・蓋ギリギリ=ヘッドルームに余裕がない状態
・ごはんとおかず=インスト
・梅干し=ボーカル
・蓋をする=トータルコンプ、マスタリング
・潰れる=音量圧縮
・ごはんに窪みを作る=ボーカルの帯域をサイドチェインで音量圧縮

画像3

使うもの

・お好みのDAW(manateはStudio Oneです)
FabFilter Pro-MB

ここではFabFilter Pro-MBを使いますが、サイドチェイン入力に対応し同等機能(マルチバンド、M/S処理)を持つコンプレッサーであれば近い効果を得ることができます。

メリット

・ボーカルが聴こえやすくなる
・インストへの影響が少ない
・超簡単に少ない手順で効果が出る
・他のトラックにも応用が可能(リードギターやキックをトリガーに等)

デメリット

・FabFilter Pro-MBの価格がまあまあ高い(2.6万円+税)
 →セールを待ちましょう
・便利なので他の方法を試さなくなってしまう

前提

・トラック毎・バス毎でベストな音質に調整済み
「vocal」バスにボーカルトラックをまとめている
「inst」バスにインストトラックをまとめている
ボーカルの定位はセンターになっている
・FabFilter Pro-MBをここでは「コンプレッサー」と呼ぶ

方法

1.「inst」バスのインサートエフェクトとして「コンプレッサー」を追加する
2.「vocal」バスのセンドを1で追加した「コンプレッサー」に接続する
3.「コンプレッサー」のパラメータを調整する
  3-1.圧縮動作のキーを外部入力に変更する
  3-2.圧縮対象をMid100%またはMidよりに設定する
  3-3.スレッショルドとレシオで音量圧縮を最大-3dBくらいになるよう調整する
  3-4.アタックは最速に設定する
  3-5.リリースは違和感がない程度に早めに設定する
  3-5.ニーはお好みで設定する

サイドチェインイメージ

なぜFabFilter Pro-MBを使うか

画像4

視認性と操作性がとても良いのはもちろん、下記機能と性能のためです。

・サイドチェイン入力に対応し、必要な特定の帯域だけ音量圧縮できる
・Mid側/Side側を調整して圧縮できる
・音質が良い、圧縮感が少ない

現在出回っているプラグインだと、Wavesfactory TrackSpacerも特化していて良さそうです。

まとめ

2014年11月末に購入したFabFilter Mastering Bundleの使用中に思いついた方法でした。
うちのCDでいうところの「BELIEVE」を境に、ミックスの雰囲気も変わっていると思います。

5年経った今もこれを超えるミックステクニックは思いついていないので、manate的に後世に伝えたい・残したいテクニックNo.1です。
現在も様々な場面で活用・応用しています。
どうやってもボーカルが埋もれてしまう場合は、ぜひお試しください。
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