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良い目標、悪い目標?目標設定における4つのポイント【持続コントロール 実践編】

今回は「良い目標、悪い目標?目標設定における4つのポイント」というテーマでやっていきたいと思います。今回の記事は「持続コントロール 実践編」です

勉強力
(1)自信コントロール : どれぐらい学ぶことに自信があるか?
(2)興味コントロール : どれほど学ぶ内容に興味があるか?
(3)実行コントロール : どれほど集中して学ぶことができるか?
(4)理解コントロール : どれほど深く学ぶことができるか?
(5)持続コントロール : どれほど長く学ぶことができるか?【今回】

それでは、やっていきましょう。
受講生からの質問です。

まなたすさん、こんにちは。僕は高校1年生です。現在サッカー部に所属しているのですが、顧問の先生から「成績伸ばしたいなら、しっかり目標を立てないとダメだぞ」と言われました。今まで目標を立てずに勉強してきたのですが、どんな目標が良いのでしょうか。教えてください。

ありがとうございます。サッカーだけでなく、勉強も気にかけてくれるなんて、すばらしい顧問の先生ですね。勉強を持続させていくためには、いろいろな人の力を借りることは大変重要です。このことについては、別の機会に書きたいと思います。

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そこで、今回は「目標の立て方」についてご紹介したいと思います。専門的には、「自己ベスト理論」というものについて紹介いたします。

最初に今回の結論です。

4つのポイントを押さえた「自己ベスト」を目標にしよう。
1.  具体的である
2. 挑戦的である
3. 自分との競争である。
4. 自分を高めていくものである。

それでは、今回の論文を読んでいきたいと思います。Martin, A. J. (2006). Personal bests (PBs): A proposed multidimensional model and empirical analysis. Martin先生はオーストラリアの研究者になります。それでは、アブストです。少し長いので、研究方法は削ります。

Background: This study seeks to identify the cornerstones of personal bests (PBs) in the educational setting.
Aims: The study proposes a multidimensional PB model in which students are most likely to attain PBs on tasks/goals that are (1) specific, (2) challenging, (3) competitively self-referenced, and (4) self-improvement based.
Conclusion: Discussion centres on a proposed 'Quadriploar PB Model' emanating from the data analysis and strategies educators can use to facilitate PBs in the classroom. 

DeepLによる翻訳
背景: 本研究では、教育環境におけるパーソナルベスト(PB)の基礎を明らかにすることを目的としている。
研究の目的:本研究では、(1)具体的な課題・目標、(2)挑戦的な課題、(3)競争的に自己言及された課題、(4)自己改善に基づいた課題・目標について、学生がPBを達成する可能性が高いという多次元的なPBモデルを提案する。
結論: 議論の中心は、データ分析と教育者が教室でのPBを促進するために使用できる戦略から生まれた提案された「Quadriploar PBモデル」である。

読みやすいアブストですね。自己ベスト理論について明らかにするために、(1)具体的(2)挑戦的(3)自分との競争(4)自分を高めるということを仮説として設定して、研究をしたとのことです。結果は見事に成功でした。4つの条件を満たすことで、持続力が高めることや意欲が高まることが明らかになりました。

さらに、Martin先生は下の図のような自己ベスト理論における四極モデルを提唱します。右下のような、1)具体的(2)挑戦的(3)自分との競争(4)自分を高めるような目標だとよいということですね。皆さんの目標はどうでしょうか?

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こちらの研究が素晴らしいのは、これまでの様々な研究の条件をうまく組み合わせたという点です。これまでも、課題に合わせたゴールを決めることや、何を得るかに注目することなど、良い目標設定に必要な様々な条件が明らかになっていました。それぞれについては、また今度説明します。でも、いくら良い条件でも、すべて覚えるのは大変ですよね。

そこで、自己ベスト理論です。シンプルに「めざせ!自己ベスト○○ポイント更新」ということを掲げるとうまく目標が設定できるのです。お手軽かつ強力ですよね。

ぜひ、試してみてください。

まとめ

4つのポイントを押さえた「自己ベスト」を目標にしよう。
1.  具体的である
2. 挑戦的である
3. 自分との競争である。
4. 自分を高めていくものである。

以上、「良い目標、悪い目標?目標設定における4つのポイント【持続コントロール 実践編】」でした。


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