貴方が居るから

なんでもかんでもさらけ出すのは良くないと思う。
特にマイナスの感情は、自分の感情をコントロール出来ていないみたいで、子供みたいだ、って思う。辛いことがあっても何も言わずに隠し通す人が、とてもかっこいいと思うし、それが大人なんだなって思っていた。

でも、ほんとにそれって良いことなのか。
こんなに苦しむことが自分にとって良いことなのか、私にはわからなかった。

大人になろうと必死になって背伸びをしている私の足は、今にもつりそうなくらいにパンパン。
そんな私に貴方は、「もういいよ」って言ってくれた。

思い返せばいつだって、愚痴を言えるのも貴方で、些細だけど嬉しい出来事を言えるのも貴方だった。こんなこと言ってもどうにもならないよな、無意味だよな。って思う事すら共有して、いつも私は貴方に助けられた。

しかも貴方は私をとても知っている。テスト期間中の私の誕生日に、私の好きな物しか入っていないお菓子の詰め合わせをプレゼントしてくれた時は本当に驚いた。私が『このお菓子好き』と言ったわけでもないのに、「第1弾」って言いながら、私の大好きなアルフォートや焼きプリンが入った紙袋を渡してくれた。アンタ分かってんなァァ…と思いながら大切に食べた。そしてテスト明けに化粧品をプレゼントしてくれた。

貴方は素敵な人柄をしているし、私を虜にさせている。貴方に「友達辞めよう」とか言われたら、泣いて縋り付くと思う。どうして私なんかに貴方のような友達が出来るのか。類は友を呼ぶんじゃなかったのか。不思議でしょうがないけれど、貴方はとてもマイペースなのでやっぱり類は友を呼ぶのだと思う。

私が不機嫌で居られるのは貴方のお陰。
溜め込んだ悲しみを溶かしてくれるのは貴方。

貴方と話すと、止まらなくなる。次から次へと、我慢していた気持ちが溢れ出てきて、『私かっこわるいなぁ、情けないなぁ。』って思うはずなのに、心がスッキリして、なんだか心地よくて。貴方が居るから、なんでもかんでもさらけ出して見るのも悪くないのかもと思ったし、こうして一緒に居られるなら子供のままがいいなとも思った。

それでも私達は大人になるから。

いつまでもこのままで。子供のままで大人になろう。
お互いに感情をさらけ出して、
我慢知らずの大人になって、ゲラゲラ笑っていよう。
そうすればきっと、誰もが羨む素敵な大人になれるから。