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2023.10 / 身体の声に耳を澄ます

10月2日の朝。
突然激しい腰の痛みが私を襲い、しゃがんだり姿勢を変えたりすることが難しくなった私は、マットレスの上で寝転ぶしかなかった。
せっかく10月がきたのに…


帰国して生活が変化して約2ヶ月。
知り合いがあまりいない地で、9月はオンラインでの会議やワークショップに勤しんでいた。
ミーティングが一日に何件もあると途中で外出することが難しく、外が蒸し暑いのも相まって、ほとんど家から出ないような日が続いた。
そのせいで、まずは自分の心が途中でプチッと折れる瞬間があった。
「なんで誰も知らない地で、ずっと家の中に篭っていないといけないんだろう…」と暗い気持ちになってしまったのである。


このままではいけない!!
10月はお天気も良いし、時間の融通も効きそうだし、名古屋のイマココを楽しまなければ!!
ワクワクしながら10月を迎えた矢先の腰痛だった。




健康との終わりなき闘い


私はありがたいことに、去年コロナに罹った以外病気になったことが思い出せないくらい、近年は特に健康だ。
そんな私だが、風邪や病気以外で三つのことと闘っている。

  • 慢性的な肩こり

  • 生理痛を始めとする生理前の様々な不調

  • 腸の不調(特に冷たい飲み物を飲んだとき)

一つ目と二つ目が最初に起こったのは、高校三年生でバレーボール部を引退して、受験勉強に取り組んでいたときのこと。
特に肩こりは、バレーボール部で正しい身体の使い方を学ばないまま、ずっと利き手側だけを使ってサーブを打っていたので、元々歪んでいた身体がさらに歪んだのだと予想される。

肩こりを改善するために、大学生の頃から、肩こりにまつわるありとあらゆることを試してきた:

  • 整骨院通い(通いすぎて受付のバイトにスカウトされた)

  • 猫背専門治療院通い

  • ベリーダンス(コロナによるスタジオ倒産により自主引退)

  • KPOPダンス

  • ストレッチ(留学中はストレッチだけでマッサージ代を節約)

  • ヨガ

  • パーソナルトレーニング(NEW!)

地球上のすべてを試した自信があるのだが、全く改善される気配がない。
腰痛は慢性的ではないのだが、一つ厄介なのが、今回の腰痛は9割くらいの確率で生理前の不調によるものだということだ。
でも今まで腰がだるかったことはあっても、しゃがむことができないことはなかった。
当日たまたま空いていた整骨院で治療してもらいながら、10月は習慣や予定に縛られず、自分の身体の声を聴く月間にすることに決めた。


20kmウォーキングと丹田の成功と失敗


やはり腰痛は生理前の不調に関係していたようでその後は小康状態に落ち着いたため、私は10月に名古屋のイマココを楽しもうと計画していた予定を復活させることにした。
その予定とは、地図子活動である。

地図子活動とは「ふと思い立って、プチ冒険」をテーマに、街や川沿いを歩いて、その場所の自然や地形や歴史を楽しむ活動である。
2017年からブログを地道に続けていて、最近は井戸ポンプや狂気ぶたを探すことにハマっているが、最初はそんなものに興味を持つとはつゆ知らず、大好きな川の先がどうなっているのか確かめたいという動機で始めた。
ここまで東京近郊の川・暗渠・水路はほとんど水源から河口(または合流地点)まで歩いていたことがあり、名古屋については観光はしたことがあっても川・暗渠・水路を気が済むまで歩いたことはないので、名古屋も自分のホームにすべく、歩こうと思っていた。


↓このnoteより歴史が古い、地図子ブログ

↓どのように地図子になったかはこちらのマガジンから


10月歩いた中で思い出深いのは、土岐川だ。
愛知県では庄内川、その上流の岐阜県では土岐川と呼ばれているこの川を歩きたい!と思ったのだけど、土岐川は全長74kmほどある。
一日で全部歩くのは無理なので何回かに分けるのだが、それでも一回20kmくらい歩く。
なぜならそのくらい歩かないと何回もスタート・ゴール地点まで往復しなければならず、電車代がもったいないからだ。


行ける限り、川の最初の一滴から確認する。


ある日、その貧乏魂で20kmほど歩こうと思ったのだけど、半分くらい歩いたところで足が体力の限界を迎えてしまった。
ちょうどお昼時だったので、ランチ食べられるところを探すか〜と身体に鞭を打って歩き続けるのだけど、レストランどころかコンビニすらない。
やっとサンドウィッチを販売している小さいお店を発見して注文すると、出来上がるまで店内の中で待っていてくださいと言われた。
店内で座って食べようと思ってお店の中に入ると…なんとそこは飲食店ではなく、下駄屋さんだった。


新品の下駄なので、畳の上から失礼します。


しかもただの下駄屋さんではなく、売っているのはGETALSという五本指の下駄。
試し履きできる下駄があり、どうせサンドウィッチを待つからと試し履きしてみたところ、あら不思議。
今まで防水の靴の中で縮こまっていた足の指が開き、自分の足の疲労がみるみる回復していった。
私の両足が「このまま下駄を履いていて〜!」という声が聴こえるかのようで、結局サンドウィッチを食べている間も履いて、お買い上げした。


あまりに衝撃的な出来事だったので、パーソナルトレーニングでの学びも含めて、その次に20km歩いたときは次の3点を意識しながら歩くことにした。

  • 丹田に力を入れて、お腹を引き上げることを意識する

  • 足の指を5本とも開きながら土を踏む

  • 掌が上になるように腕をひっくり返す

これで歩いた日はさらに衝撃的で、20km歩いたうちの最初の約10kmはほとんど疲れなかったし、帰った後も足の筋肉痛が局所的に痛いということはなく、身体全身が疲れたような感じだった。


これは姿勢と歩き方に関する、世紀の発見なのでは…!
と思ったけれど、読書やパソコン作業(今だってnoteを書くためにパソコンに向かっている)が多い私は恒常的に巻き肩・お腹が前に出てしまうので、一番目の丹田に力を入れることが常にできるわけではないと気がついた。
普段の姿勢だと巻き肩、お腹が前に出てしまう姿勢に身体が全体としてなってしまっていて、お腹だけ力を入れたり、肩だけ張ってもバネのように元に戻ってしまう。

二度の20kmウォーキングの感覚の違いによって体感した。
自分の身体そのものも一つのシステムで、短期的に楽なことを無意識に追い求めてしまうのだ。
丹田に力が入るシステムを維持できるように、ストレッチと筋トレで肩甲骨を伸ばし、骨盤が前後に動くように柔らかくして、足の裏面の筋肉を使うことは、今後も継続的に意識しないといけない課題となった。


全長74kmの旅はまだまだ続く…


毎月の「破壊と創造」


10月中、THE COACHでお世話になっているこっちゃんこと松下琴乃さんと薬膳鍋を食べた。
薬膳鍋を食べながら色々お話をしたのだけど、10月の私にぶっ刺さったこっちゃんの一言がある。


月経は女性だけに訪れる、「破壊と創造」なんだって。女性は月経のときに自分を新たに創り直しているから、骨盤が緩んで、意識がぼーっとする。でも女性は毎月生まれ変わるから、自分を軌道修正する力があるんだよ。


毎月の私の苦しみは「破壊と創造」だったのか!
10月の激しい腰痛は骨盤が緩んでいたのだろうし、その後首や頭も痛くなったけど、それも頭蓋骨や周辺の骨が緩んでいたのだろう。
そして確かに生理が終わると「何であんなに調子が悪かったんだろう?」というくらい脳みそがスッキリする。

一方で、この話を聞いて私たちはまだまだ自分の身体について知らない、あるいは勘違いしていることが多いのではないかと感じた。
例えば私はバレーボール部に入っていたのだが、当時は生理痛がヒドい日でも「身体を動かすと血液の循環が良くなって、生理痛がなくなるよ」と痛みに目を向けさせないような言葉をかけられ、それを信じていた。
でも骨盤が緩んで破壊と創造が起きているとしたら、本当は休息した方がいいはず。
私の生理前の症状がいまだに重いのも、そのときの無理が祟っているのではないかとピンとつながった。


この一ヶ月間、自分の身体の声を聴いていて、他人軸の生活に追われていたら気づかないような思い込みが他にも湧いてきた。
例えば、20kmウォーキングもそうだが、筋肉痛の中でも連日部活などで運動することは、筋肉を鍛えるのではなく、身体に疲労を蓄積させているだけなのではないか。
朝起きるときに大きいアラーム音で起きることは、身体に余計な緊張を与えてしまうのではないか。
冬の朝、「寒いから布団から出たくない」気温になってしまうのは心身にとって良くないので、日本の家屋はもっと断熱に力を入れた方がいいのではないか。(それかもうみんなで冬眠するか)
時間やお金を理由に蔑ろにしている自分の身体の小さな声、それを今までどのくらい聴いてあげることができていただろう?



あなたのちょっとした身体の不調は、自分の身体全体とつながっている。
自分の身体感覚に気づけば習慣が変わり、習慣が変われば自分が達成できることの幅も変わっていく。
今月も新たな「破壊と創造」が始まり、私の身体に対しての飽くなき探究もまだまだ続く…



↓身体の声に耳を傾けることで、思ってもいなかったビジョンに向けて習慣を変えたい方は、コーチングのセッションでもお待ちしています。


すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。