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ハーバード教育大学院での学び前夜

私は今年の夏から1年間、ハーバード教育大学院で学びます。
3月に合格発表があったとき、4月に進学先を決めたとき、色々なタイミングで整理としてnoteを書きたいと思っていたのですが、色々調整していたら書くタイミングを逃してきてしまいました。
でもついに6月3日からオンラインでの基礎コースが始まり、8月1日からは現地での授業も始まってしまうので、学ぶ前夜に改めて自分がやりたいことを表現するために書こうと思います。


学ぶのが楽しいという原体験


「毎日なんて充実しているんだろう」
と子ども心ながらに夜ベッドで天井を見上げながら思った瞬間。
この瞬間が、今回教育大学院を志した原体験です。

私は本や図鑑が好きで、元々学ぶことが好きな子だったと思います。
公立小学校の暗いトイレで、個室越しの友達に「私、将来大学に行くと思う」と伝えた、小学2年生にしてはませた記憶があります。
でも私の「学ぶのが楽しい」という気持ちを決定づけたのは、小学3年生から中学2年生まで家族の仕事の関係でオランダに引っ越し、アメリカンスクールで授業を受けたことでした。

これは華やかな帰国子女体験談ではありません。
引っ越した当時は英語がまったく話せずいじめられ、4日間不登校になったのですが(こちらのnote参照)、英語が話せないときでも話せるようになってからも、アメリカンスクールの授業は本当に面白かったです。
20年近く経った今でも鮮明に当時の授業を覚えています。例えば:

中世ヨーロッパの封建制度の階層のどれかを割り当てられ、蝋人形館の蝋人形になりきり、お客さんが来たらその階層の暮らしについて説明する

階層最下位の農民を割り当てられ、英語も流暢ではなくびくびくしている私

みんなで絵を鑑賞して、絵の中の人物の気持ちを想像してエッセイを書く

The Execution of Lady Jane Grey:当時は一文も書けなかったのに、5年前に「怖い絵」展で実物を見たときは感動した

古代エジプトについて調べて、自作のボードゲームをつくる

あのとき調べたピラミッドを、コロナ直前に生で見たことも忘れられない!



自分の旅路の中で、自分の旅路を取り戻す


この「学ぶのが楽しい」「学ぶのが自分を救う」という経験を経て日本に帰国し、20年近く中学・高校・大学・社会人として生きてきて思うこと。
それは、「私はこれが好き」「私はこれを試してみたい」と声に出せること、それをお互いに応援することが日常に溢れる社会になるといいなということです。

中高生のときは胸を張って好きなことを好きと言えず、偏差値を眺めても他の人からの声を聞いてももやっとし、「学ぶこと」=「評価される」「自分ごとでない」という気持ちが拭えなかったり。

大学生のときに急に自分の「やりたいこと」や「強み」を問われて自己分析をしてみるものの、元々踏み入れたこともないのに本当にそれが自分が興味があることかどうか分からなかったり。

社会人になってからは就活のときに自己分析をやったことが嘘のように会社での地位や報酬が気になり、自分の心の声ってなんだっけって思いながらやり過ごしてみたり。

そんな循環のまま、そのまま親になって子どもに「好きなことでは生きていけないから、安泰な進路・職業を選んだ方がいいよ」と伝えてみたり。

その世界がぐるっと、自分が好奇心が湧くことを素直に突き詰め、その過程で自然と仲間と出会い、「豊かに生きるために学ぶ」場所になるように目指したいなと思っています。


同時にこの留学は、自分自身の旅路を取り戻すプロセスでもあります。

海外の大学に行ってみたいなという気持ちがあったものの押し通そうともせず、合格した大学の中から(大学院と比べると)深く考えずに進路を決めた高校生の私。

教育業界のチェンジメーカーを参考にIT業界に就職してたくさん学ばせてもらいつつ、なぜそこにいるのか聞かれるとうまく説明できないし、どこかもっと人と本音で話し合いたいと思っていた私。

念願の教育業界で働きながらも、自分の帰国子女のアイデンティティと向き合い、もう一度グローバルな仲間と多様性に溢れる場をつくりたいと思ってしまった私。

家族と離れてしまうことも気がかりだったのですが、長いコロナ禍を経て、より自分のストーリーに近づくために30歳の節目に留学にチャレンジすることにしました。

ありがたいことに3月に3校から合格をいただき、大学を選んだときとは比べものにならないほど1ヶ月間悩み、ハーバード教育大学院に進学することにしました。
理由を言語化してみると:

①好奇心、モチベーションなど「教育」という枠に捉われずに、人間の本質を学べると思った
②同級生や在校生と話す中で「教育を変えるぞ」という熱意や好奇心が旺盛なポジティブな仲間に出会えると思った
③1年後の自分が一番想像できなかった

ためです。
現時点ではTHE COACHで学んでいるコーチングなども活かして、子ども・大人問わず好奇心を再発見できるようなワークショップ・デザイナーやワークショップ・ファシリテーターになりたいなという気持ちが湧いています。


話して、読んで、旅して


この1年間は色々な方とお話しできればと思うので、もしこのnoteをここまで読んでくださった方で「話したい!」と思っていただいた方がいたら是非お話しできると嬉しいです。
ざっくばらんなお食事やオンラインミーティングができればと思います。

気軽なお話以外に、一定期間かけて「自分のストーリーを深掘りしてほしい」という方がもしいらしたら、コーチングも続ける予定です。
継続しやすいようなシステムに改変したので、興味がある方はホームページを開いていただけると嬉しいです。


教育大学院で学んだことやボストンで感じたこともこのnoteに書いていきたいと思うので、このnote自体をフォローしていただけるだけでもとても喜びます。
まずは明日からのオンライン授業、頑張ります!

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自己紹介

すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。