ハーレー車いすに乗るバンド
ベンダ・ビリリて聞いたことありますか?
コンゴ民主共和国のバンドなんですが、特色がありまして、メンバー全員がポリオで身体が不自由になって、職を得ることができず、路上生活者になった人たちなんです。
ホームレスといっても、日本のイメージとは違って、ハーレーみたいな手作り車イスに乗り、さながらヤンキーチックに意気揚々とコンゴの首都キンシャサを走ります。
音楽好きが集まって、これまた手作りの楽器で路上演奏していたら、ある時白人プロデューサーの目に留まり、人生が変わった人たちです。
障がい者=いい人???
アフリカでこの手の話をよくありますが、私が惹かれた大きな理由は、彼らのドキュメンタリー映画「ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡」を見た時の、バンドメンバーの人間らしさでした。
普通障がい者を描くときって「障害があっても頑張るいい人」のキャラ設定が多いじゃないですか。「障害があって、性格悪い奴」は描かれない。今まで覚えてるのは映画の「こんな夜更けにバナナかよ」ぐらいかな。
それなのに、ベンダ・ビリリの映画の中では、メンバーは怒るし、わがまま言うし、約束守らないし、練習時間に送れたメンバーどつくし。その一方で、路上生活から世界デビューを果たすまでのサクセスストーリーも描いていたんです。
「ポリオ」日本語では「小児麻痺」
日本にもひと昔前までは、ポリオの人は結構いました。私の母親もポリオで、幼少期に片足が麻痺しました。たった2滴のワクチン接種の機会を逃したばっかりに、母親はほぼ一生涯、松葉杖をついて生活しました。
松葉づえの母親のそばにずっといたから、障がい者に向けられる視線も子供ながらに感じていました。なんでしょう?ほどほどに困っていたりすれば、周囲の人も助けてくれます。でも、ちょっと自己主張が過ぎると、煙たがれて、下手するといじわるされる。
障がい者に限ったことではないかもしれないけど、「程よい障がい者像」が他の人の頭の中にあるのだなと思って、居心地は悪かった。
アフリカの障がい者はたくましい
アフリカの街中には、足の不自由な大人がたくさんいます。私のお母さんと同じだな、と思ったけど、日本と違って福祉が整ってないから、路上生活者がおおいです。道端で物乞いをしている姿は気の毒だけど、たくましかった。ポリオ障がい者のサッカーチームとかもあるし、とにかくアクティブ。悲壮感みたいなのはない。
ベンダ・ビリリのメンバーもヤンキーみたいな改造バイクのような手こぎ車いす乗って、やんちゃ臭がプンプンする。
去年かな?世界的なポリオ根絶宣言が出されました。時間がかかったけど、2滴のワクチンのために、身体が不自由になる人がいなくなるのはよかった。ただ、まだアフガニスタンとパキスタンでは感染例があるみたい。早くワクチン接種が進みますように。
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