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【読書録】安宅和人『イシューよりはじめよ』

2020/05/21 読了

【読了した本】安宅和人『イシューよりはじめよ』2010年

主旨:価値のある仕事とは、重要性の高いイシューを見極め、高い質の解を出すこと。

イシュードリブン - 解く価値のあるイシューを見つける

著者のイシューの定義:
a) 複数の集団で解決されていない問題
b) 根本に関わる、もしくははっきりしていない問題

・イシューを見極める
- 以上に述べたイシューの中でも重要度の高いイシューを見極めることが価値ある仕事をするための大前提となる。
- 判断基準: 経験、見立て力が必要になってくるので、イシューに関する経験値や知識がない場合、経験者への相談が有効な手段となる。

・仮説を立てる
- イシューに答えを出すことが需要である。 仮説提示によって、答えを出し得るイシューであるかが分かる上に、必要な情報や分析やこの分析のゴールが明確になる。

仮説を立てる時のポイント: 
①主語と動詞を明確にする。
②Where/what/howを含めた仮説を作る。 (ex.どう行うべきか?)
③比較表現を用いる。

・よいイシューの3条件
- 本質的な選択肢
- さらに一歩踏み込んだ洞察・説明
①常識を否定する
②新しい構造で説明する
③答えがある
「今、答えを出すべき問題であり、かつ答えを出せる問題」は問題と扱うものの1%しかない。

・イシュー特定の方法
- 変数を削る
- 視覚化する
- 最終形からたどる
- So what?をたどる
- 極端な事例を考える

仮説ドリブン - とりあえずスタンスをとる


・イシュー分析= 「ストーリーライン」づくりと「絵コンテ」づくり
高い生産性を生み出すイシューを見極めた上で、解の質を十分に高めるためにイシュー分析が必要

【ストーリーラインづくり】
解けるサイズのイシューにまで分解し、それぞれに対する仮説に対して検証するためのストーリーラインを作る。

- 意味のある分解
 ダブりもモレもなく、検証したいことも明確
- ストーリーラインづくりの方法
 >WHYの並び立て- 理由や具体例を並列に立てる
 >空(前提)・雨(課題)・傘(結論)

【絵コンテづくり】
ストーリーラインの個々のサブイシューに対して必要な分析・検証のイメージをまとめる。

【分析】= 比較

分析するときの軸タイプ:
①比較
②構成
③変化

・イメージの具体化

・仮説立証の手法

アウトプットドリブン - 仮説を具体化する

・アウトプットを出す時のポイント
 - 前提と洞察を明確に検証する。
   - フェアな態度で自分のストーリを見返す。

・アウトプットが出せない時の対処法
 - 前倒しで問題を考えておきトラブルを予防する。
 - 欲しい数字や証明が出ない。
  →問題を構造にわかることで推定する。

・回転数×スピード=バラエティ豊かな分析手法
 - 丁寧さもやりすぎると害
 - 答えは出せているか?が大切

・高質のアウトプットを出す人の資質
- 柔軟であること
- 問題の本質は失わない
- 多くのやり方を持つ

メッセージドリブン - 本質をシンプルに伝える

どのような状態がプロジェクトの終わりであるかを明確にする。
- メッセージを理解してもらい、行動に移してもらう。
- 聞き手は無知であり、高度の知性であると想定する。

・ストーリーラインの仕上げ
- 論理構造
- 流れ: 20秒で概要をまとめて説明できるようになる。

・チャートの仕上げ

チャートの構造:
・メッセージ
・タイトル
・サポート

【チャート仕上げのポイント】
①1チャート1メッセージ - 15秒で人に理解される簡単な説明をする。
②縦軸・横軸を何にするか妥協しない
③チャートの共通部分を統合・合成
④軸の切り口を見直す - 切り口=場面で考えてみると良い。

Reflection

・この本に書いてあったことは、イギリス留学中に英語のエッセイを書いていた時に考えていたことと被った。
- どんなエッセイにおける主張・切り口を選べばいいのか。
- どんな風にストーリー構成していけばいいのか。
- どうしたら自分の伝えたいことを効果的に伝えられるのか。

・このように「イシューを見つけ解決する」という一連の作業の質を上げていくには繰り返し経験することが必要である、という主張があったが、実際社会に出てそのようなことができる環境というのは少ないのではないか。もしこのような経験をしたいならコンサルが良いのか?

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