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父のトレーニングジムをつくりました

フィットネス・ヘルスケア業界に身をおくこと8年、私にとって歴史的出来事が起きました。それは「父のトレーニングジム」ができたことです。

どういうこと?と思われるかもしれませんが、背景を含めて父について書きたいと思います。

教員を40年間勤め上げ、定年退職後は囲碁将棋などのんびりと過ごしていました。足腰の弱りを心配する母が筋力トレーニングを勧めるも「嫌だ」の一点張り。そうこうしているうちに定年退職から10年が経ちました。

そんなフィットネスから遠いところにいた父が今、フィットネスに取り組んでいます。

昔の父と今の父

私が幼少期の頃、よく公園で父と遊びました。三重跳びや二重あや跳びを軽々こなす運動神経抜群な父に憧れ、私も一生懸命マネしたものです。

月日は流れ今年、「綺麗な景色が見られる丘があるからみんなで登ろう。」父と母と私の3人で丘へ遊びに行った時です。登り始めて3分の1あたりで父は断念しました。筋力不足によるギブアップです。頂上まで約15分ほどの丘。運動神経抜群だった頃の父と今の姿を重ねると切なくてたまりせんでした。

健康になる手段は人それぞれ。でも。

生涯好きなこと、やりたいことを楽しむには身体が何よりも大事です。健康になるための手段は沢山あるし、押し付けるものではない。でも「あの時もっと足腰を鍛えれば。」数年後に後悔をして欲しくないという気持ちを改めて伝え、「身体鍛えようよ。今からでも遅くないよ。」と父に言ってみました。

いつも通りネガティブな反応かなと思っていましたが、
「家にトレーニングジムつくる?」
まさかのアンサーでした。実家の空きスペースをトレーニング場にしないか。という父からの提案に驚きながらも即大賛成。

5月の晴天の日、父と一緒にジムづくりを開始。満面の笑みを浮かべる父の姿に込み上げるものがありました。

家にあった器具を持ち寄り完成した『お父ちゃんのジム』

全く立派ではないですが、私たち家族にとっては十分すぎる運動スペースです。

これから先、父にはバージンロードで隣にいて欲しいし未来の孫と3世代で沢山の思い出をつくりたい。まだまだ娘のライフステージを見守ってて欲しいです。

筋トレ食わず嫌いだった母

今でこそ父に筋トレの良さを猛アピールする母も5年前までは頑なに筋トレを拒んでいました。

介護が大変な時期で膝腰の痛みだけでなく心も疲弊しており、筋トレの大切さを伝え続けても余計なおせっかいとばかりに猛反発。「筋トレなんか私がすることではない」の一点張りでした。完全に父とシンクロしてます。

転機は母と2人でバスツアーに行った時でした。
バスの集合時間に遅刻しそうで急いで向かう中、私は母に合わせて軽いジョギング程度で走っていたつもりがふと横をみると母がおらず、恐る恐る後ろをみると100mほど後ろで必死に走る母がいました。集合時間には間に合ったものの、とんでもなく体力を失っていることが判明。

バスに乗るや否や私は半強制的にカーブス※に体験を申し込み、後日連れていきました。そして無事入会。店舗のスタッフさんと話したり、身体を動かしたりするのは思ったより悪くないような様子でした。
※カーブスは女性専用の体操教室です

現在母は膝腰の痛みがなくなり、登山仲間もできました。筋トレ歴5年、楽しむことを諦めない生き生きとした母の姿があります。
あの時ちょっと強引だったけど筋トレに連れて行って良かった。

フィットネスから遠い人にフィットネスを届けたい

私には生涯通して実現したい思いがあります。「フィットネスから遠い人にフィットネスを届けたい」という思いです。

仕事や育児に忙殺され自分のことは後周し。気づいたら体型が崩れていたり何かの病気を患っていたり。
一日5分でも自分の健康と向き合う時間をつくれたならもっと充実した今を過ごせていたかもしれない。
そのような方々の一歩踏み出すきっかけづくりに貢献したい。私が長らくフィットネス業界に従事している理由です。

大切な人の健康は誰もが望むことです。私が健康で元気なら周りの大切な人は嬉しいし、周りの大切な人が健康で元気なら私は嬉しい。そんな輪を広げていきたいです。

1年後丘の上の景色を一緒に見よう

みんなの想いがこもった『お父ちゃんのジム』。「今日は一緒にやる?」的なノリで私もトレーニングに合流します。始めて間もないですが、「関節がゴリゴリ言わなくなった。油を挿してもらったみたいだ。」と確かな変化を実感し家族一同笑顔に包まれています。

時間は限られています。
その中で誰とどう過ごしたいか。どんな言葉をかけたいか。よく考えるようになりました。

canameに入社まもない頃、創業者片桐さんが話していたことが印象に残っています。「健康になる手段は沢山あるし、人それぞれでいいと思っている。ただ、フィットネスが万人に必要であることは普遍的な事実。だからまずパーソナルトレーニングジムのかたぎり塾をスタートしたし、かたぎり塾のミッションである『すべての人にフィットネスを』を本気で実現するんだ。

フィットネスを通して身体と心が変わり始めている父。
1年後家族3人で丘の上の景色を見られますように。

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