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南向きのベランダとワンオペ育児~築25年のアパートの話④

こんにちは。ゆかいです。韓国での引っ越しや住居をテーマに回想録を書いています。

今回は、少し大変だった韓国ワンオペ育児経験談

前回の話はこちら↓

南向きベランダは日光浴に最適!

私が当時住んでいた低層階は、南向きで1日中陽が入るのでとてもいい部屋だった。

ときどきトイレが詰まったり、真冬は洗濯機が凍ったりする不便はあったが、毎日何事もなかったように日差しの恩恵にあずかれた。

ベランダに出れば日光浴できた。アパート(マンションのこと)のベランダには窓がついているので天気に関係なく洗濯物が干せて便利。

そして何よりも、ただぼ~っと外を眺めるのに最適だった。

自由時間がない子育て専業主婦

さて、子育て専業主婦ほど自由時間がない職業はないと思う。当時の私がそれだった。会社勤めしていたほうがよっぽど楽だ。

子供はかわいいし毎日発見があって新鮮だけど、大きく成長するまで毎日が格闘だ。親の思い通りになることは何もない。だから忍耐が必要。

私の場合、2人目の息子を完全母乳で育てていたため、夜中に1,2回起きていたし、日中もつきっきりだった。

もともと一人が好きな私。でも、言葉が通じない赤ちゃんと2人の時間は、自由のない引きこもりだ。子供が寝ると体力回復のため泥のように寝た。毎日そのくりかえし。

もちろん子供は可愛い!日に日に成長していくし、自分や夫の面影のある笑顔はたまらない。でも、24時間体制で数時間おきに授乳しなければならず、完全母乳だったので人に預けて一人で出かけることもままならなかった。

また当時は、よく乳腺炎になるので母乳マッサージに通っていた。食事管理にストイックになりすぎて体重は妊娠前よりも激減した。

このころも、南向きのベランダの窓からは毎日同じ日差しが入ってきていた。でも、ゆっくりと夕日を眺める余裕はなくなっていった。

話が通じない夫

多忙なサラリーマン夫とは、話がかみ合わないことが多かった。

私は1日中赤ちゃんと一緒だったので、大人との会話に飢えていた。だから会社から帰ってきた夫に話しかける。

でも「で、どうしてほしいの?」という言葉が返ってくることが多く会話があまり成り立たなかった。

当時は、毎日遅く帰宅していたので夫もヘロヘロ。人の話を聞いてあげる余裕はなかった。ひと仕事処理するように、問題解決しようとしたのだろう。

そしていつも同じパターン。
「それなら、お母さん(義母)を呼んで手伝ってもらおう!」と夫。
「いやいや、お義母さんが来ると私が休めない!」
と言ってもなかなか通じなかったので、そのうち夫をあてにしなくなった。

心のよりどころは隣人

家族は難しかったが、韓国人ママ友にはよくしてもらった。

まず、同じ団地に住む韓国人のママ友。彼女はよくおかずやキムチなどをもって来てくれた。当時、航空会社勤務で出産育児休暇をとっていた彼女。

たまにドライブに行ったり、外でランチしたり…たくさん話してたくさん食べた。仕事復帰後は、格安で日本に弾丸帰国させてくれたこともあった。

トウミ(家政婦)のおばさん

激やせした私を見て、夫が手配した家政婦さんにも助けてもらった。

最初は「家政婦を使うの…?」と抵抗があったけど、家政婦サービスは韓国では一般的。共働き夫婦で住み込みのトウミを雇っている人もいたくらい。

とはいえ、私の場合家事を指示することに慣れず気を使ってしまう。そんな時、おばさんに言われた言葉が今でも心に沁みている。

「大の字になって休みなさい。我慢をしてはいけない。調子が悪いときは全部忘れて横になって寝ていて!」

当時の私と同じように子育て中の娘さんがいるというトウミのおばさんは、優しく話し相手になってくれた。

南向きのベランダから外を眺める

結局、断乳したことで授乳の負担がなくなり、息子を保育施設(オリニチブ)に預け始めたら、心に余裕ができた。

そして再び、南向きのベランダが明るく暖かく感じられるようになった。
日差しは当たり前のものかもしれないが、その当たり前がとてもありがたかった。(次回につづく)

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