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簡単に解説!糖尿病編【動画解説】#00036

動画解説

病気の機序については説明ができるものの、その知識と臨床現場での対応が結びついていない、もったいない学生さんによく遭遇することから、この動画を作ろうと思いました。
また、臨床現場での対応は解っているけど、どうしてそうなるのか解らない…でも勉強が億劫だし…という方が興味を持つきっかけにもなれば良いなと思います。

今回は歯科で注意すべき糖尿病についての内容でした。
ポイントは
・糖が体内に取り込まれない
・血流に影響する
の二点から起こりうる症状や合併症は…、と考えて頂ければ色々と応用できると思います。

補足・訂正

【ドロドロ血液とサラサラ血液について】
「サラサラ」と「ドロドロ」はイメージで、実際に水には砂糖やシロップが混じったように「ベタベタ」する、「何か異物が混じっている」というわけではありません。
血液には赤血球が含まれており、その赤血球がどうなるか、で血液の粘度が変わります。「赤血球が増える」、「赤血球のやわらかさが失われる」、「赤血球同士がくっつきやすくなる」、と粘度が増加します。
糖尿病の場合、血液中の血糖が高いと赤血球が変形しにくくなり(糖化ヘモグロビン)、細い血管を通りづらくなるので粘度が高い、ということになります(なるそうです)。

【検査値について】
糖尿病の状態を確認する検査値として動画ではHbA1cを紹介しましたが、他の糖尿病に関連する検査値としては血糖値があります。
■血糖値
血糖値は血液中のグルコース濃度が指標になります。
グルコースは普段から血液中に含まれていますが、体内に糖(炭水化物)が増える、つまり食事をすると増え、摂取から2時間程でまた元に戻ります。
つまり血糖値は1日の中で変動する値です。
一方、HbA1cは糖化したヘモグロビンと、糖化していないヘモグロビンの割合を測定します。糖化したヘモグロビンはヘモグロビンの寿命(1~3か月)が尽きるまでその状態を保ちます。そのため血糖値のように1日の間で変動せず、測定した時点から遡って1~3か月の状態が解ることになります。

これらの違いにより、その方の状態によってどちらを確認するか考える必要があります。
・血糖値の測定が有効な場合
1日の中で高血糖や低血糖を繰り返すような場合(血糖コントロールが不良な場合)は、HbA1cでは1日の間に急激に変動しているということがわからない場合があります。
・HbA1cの測定が有効な場合
採血の時にたまたま血糖値が低くても、HbA1cが高い場合は少なくとも過去1~2か月は高血糖な状態で生活をしていた、ということが解ります。
逆に、採血時に血糖値が高くても、HbA1cが低い場合は、普段はコントロールできており、たまたま採血時に高かった、ということが考えられます。

状況によって使い分けますが、私自身はまずHbA1cを確認し、必要に応じて血糖値を確認することが多いので、動画ではHbA1cについて説明をしました。


編集者から

 今回からオープニングを長めにして動画の重要な情報を凝縮する演出を行っています。
 サムネイルは船原先生作です。船原先生はワイプで何度か参加していただいていましたが、今回初めてプレゼンしていただきました!糖尿病の簡単な知識がまとめられているので、医療の知識がほとんど無い私でも理解することができました。

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