福祉を提供する側だった私が、逆に福祉を提供される側になった

つい先日まで、福祉サービスを提供する側だった私が、逆に福祉を提供される側になった。


発達障害の二次障害のうつです。今の職場はもう働くのが難しいでしょう。

そう主治医に言われたのが今年の1月の半ば頃。


自分でも確かに職場が合わないと感じ、福祉の仕事を辞めた。


これからどう生きていこう。


うつ症状がまだ全然取れない中、頭によぎったのが生活保護という文字。


残りの生活費がざっと2ヶ月。

うつが良くなり始めるのが早くて3ヶ月と言われている。

でもそれは本当に治りが早い人なので、私はまだ無理だろうな。


ただやっぱり今後が心配なので、国民健康保険の移行手続きをするついでに市役所の窓口に聞きに行くことにした。



......着いた。

今まで引きこもってたからか、身体が重い。頭が回らない。


えーっと、とりあえず国民健康保険の移行手続きを済ませて、と。

とりあえず総合窓口のお姉さんに話しかけて......


あれ?

そこでようやく気付いた。

頭が回ってない、ということは、今上手く喋れない。


何て話しかけよう。

不審者になりながら、恐る恐る話しかけた。


すみません、発達障害と今後の生活のことで聞きたいんですが。

今思うと、これは窓口が別れることになるので、もうめちゃくちゃな聞き方で。でもそのときは、それをも判断する余裕など無かった。

優しいお姉さんに案内され、福祉課に向かった。


福祉課ではもう半分頭が混乱しながら話した為か、記憶があいまいになってしまって、やりとりはあまり覚えていないのだけれど、診断書が出てない今でも、発達障害で受けられるサービスは無いわけではないこと、生活保護となると最後の手段だから、とりあえず残っている生活費を使ってからまた来てください、とのことだった。

それから近くで生活支援サービスを受けられるところがあると聞き、すぐに向かった。


生活支援の施設に到着したが、どう入ればいいのか分からない。

入口に着くなり悩み、回らない頭で考えた末に目の前の施設に電話を入れ、中に上がらせてもらって相談をしてみた。


発達障害の特性から出た二次障害のうつで福祉の仕事を辞めたこと、引きこもっていること、生活費があまり無いこと、話の順番がばらばらで、脈絡も無いめちゃくちゃな会話をしたのだけど、突然の訪問にも関わらず真摯にメモを取りながら聞いてくださった。


良かったら見学していきませんか?


言われるがままに施設を見学させていただいた。


予想はついていたのだけど、そこは前職とあまり変わらない現場だった。


ああ、ついに私は、福祉を提供する側から、福祉を提供される側になったんだな。

自分の無力さを知り、ネガティブになりながら過ごさせていただいた。


アスペルガーの疑いがあり、診断書が出てなくてどうすればいいか分からないという私の言葉に、利用者さんやスタッフさんが耳を傾けてくれて。

よく来てくれたね。

ここはいつでも来ていいから、体調の良い時においで。

そう言われて泣きそうになった。


上手くコミュニケーションを取れた覚えはないが、利用者さんと色々お話ができたことはいい経験になったことと思う。

結局その日は利用終了の時間までいてしまった。あまり無理してはいけないのに。まだ身体が全然ついてきてないのだし。


案の定、慣れないコミュニケーションにストレスを感じてしまい、耳鳴りと頭痛がする中で帰る羽目になった。

久し振りに歩いた夕方、寒さと風の音も凶器になり、家に着くころにはくたくたになってしまった。


でも今日はこれでいい。

次行くようなことがあったら、ほどほどに相手してください。


今日はたくさんの人にお世話になりました。

元福祉の人なのに、サービスを受ける側になるっていうことが予想以上に大変で、でも皆さんが優しくしてくれたので、本当に助かりました。


上手く喋れるようになったら、また来ます。

今後ともよろしくお願いします。


そう思いながら、布団に入ったあと、間もなく眠りについた。



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