PMBOK第7版の序文を読んだら、変更点とその理由が判ったけど、すごくもやもやしてる。

昨日、「PMBOK」第7版の序文を読んだ内容を投稿しました。
これまでのプロセス群からなる構成をガラガラポンしたんですけど、それは判るんですけど…。ちょっと色々考えてしまったことを書きます。

これって、プロジェクト管理なの?

これまで私たちPMPは、「PMBOK」の伝えるところの「グッドプラクティス」を理解し、活用することでプロジェクトを成功に導こうとしていました。
ベースとなるのは、一連の規定されたプロセス群であり、PDCAでした。
でも今後は、そうではないと第7版は言っていると思いました。
核となるのはコンセプトで、それをどう使うのか?は、プロジェクトにより選択し適応(adapt!スクラムっぽい)させ、変化させるのだと。
何をどう作るのか?ではなく、価値を届けるためにどうするべきなのか?なのだと。

ところで、ここで言ってる「プロジェクト」は、もはやウォーターフォールではないよね?アジャイル開発の話をしてるって、思えばいいんですよね??明言はされてないので、まずもやもやします。

その場合、「PMBOK」に書かれてることってプロジェクト管理と呼べるのだろうか??PMは何をManageするのだろう???
プロジェクトマネジメント標準のProject Management Principlesに「リーダーシップ」とかあって、それ既に「標準」じゃないじゃん!と、思ってしまうのです。
この後の章に、Project managerの定義があるのを確認したので、その辺で再確認しようと思っています。

ちなみにスクラムでは、登場人物は
・プロダクトオーナー
・スクラムマスター
・開発チーム
しかおらず、PMは登場しません。とはいえ、PMが不要と言ってるわけではないですが、明確な定義はありません。今回第7版は、どのあたりをPMのスコープとしてるのだろうか??もやもやします。
大規模アジャイルが想定元なのだろうか??
そもそも、スコープをキチンと決めないという戦略なのか???(これまでのキチンと決めすぎるという方針からの転換)

※ProjectManagement.comのWebinar見てみたんですが、どうやら、アジャイルに限定したものではなく、すべてのプロジェクトのすべての人にに汎用的に適用するもののようです。かつ、使い方もこれまでとは違うらしい。。
リスク管理とかEVMとか、なんとなくアジャイル開発の外側にあるものを目指してるっぽい。。

PMPホルダーの存在意義

そもそも世の中のプロジェクトは、ウォーターフォールからアジャイルにシフトしています。少し前に某社でjob descriptionを作る仕事をしたのですが、米国の系列会社から取り寄せたそれには、PMという職種は、もうありませんでした。すべてがアジャイル職種になっていました。
(仕方なく、日本向けに従来のPM職種のjob descriptionを作った。)

日本でも、アジャイルへのシフトはキャズムを超えたとどこかで聞いたので、恐らく自社内で開発できるスマホアプリ系やB to Cのところは、アジャイル化が進んでいると思われます。

そういう趨勢を考えれば、「PMBOK」の変化は妥当だと言えます。PMIも、これまでのPMBOKのままでは会員を確保しておくことはできないでしょう。

でも私がいるようなエンタープライズ系はまだまだウォーターフォールが主流で、PMPホルダーの求人もたくさんあります。
これは日本のIT技術者雇用の問題、自社内で十分な数のSEを雇っているところは少なく、構築や保守に外部のSIerを使っていることも大きいと思っています。(もちろん、それ以外の問題もあります。変化を好まない人たちとか…)
なので、すぐにアジャイル化が進むとも思えない。
(最近、東証が富士通とアジャイルやったって話題がありましたね。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01716/070800001/)

PMPホルダーという人は、いったい今後どこを目指せばいいのでしょうか。

私自身の話をすれば、認定スクラムマスターを取ったもののアジャイル開発に携わる機会が持てず、困っています。アジャイル開発のPMやPMOという職種の求人はほぼないし、スクラムマスターの求人は、経験者であることが必須なのです!どこかで潜り込まないといけないのですが。。

今後のPMP試験はどうなるのか?

これまでは、「PMBOK」に書かれている内容を記憶することと、EVMの計算やクリティカルパスの問題などが主な試験内容でした。PMPを持っているということは、プロジェクト管理に関する知識と経験を持っていることを、保証していたのです(実際に管理できるかはともかく)。
でもこの新版から試験問題を作るって、どんな問題にするのだろうか。
そして、PMPを持っていることが、何を示すことになるのだろうか??
(最初のプロジェクト管理のスコープに戻る)

そもそも、PMIにはPMI-ACP認定というアジャイル資格もあるんですが、それとどう違うんですかね???(ちなみに、2020年の資格保有者は39,575人らしいが)
https://www.pmi-japan.org/news/pm_license/2020_09_22_agile20200922.php

恐らくまだしばらくは、旧版での試験になると思われるのですが、非常に興味があります!。

最後に

あとこれはもやもやではないのですけど。
新しい概念を和訳するのって、難しいですよねー。ステークホルダーマネジメントが初めて導入された時も和訳を試みたのですが、「engagement」ってなんだよ?!ってなりましたもんね。
(友人たちと手分けしてたんだけど、みんなで「???」てなった)
今回は新語がたくさんあるので、読んでまとめるのにすごく時間がかかってしまいました。。

以上、今回もお読みいただき、ありがとうございました。
次は、第7版第1章「イントロ」を読む予定です。良ければ次回もお付き合い下さい。

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