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こんなことを分かっていなかったのか!(共通テストの記述式、断念濃厚 文科省の有識者会議 産経新聞4月2日)

大学入試改革をはじめとする高大接続改革について、主導した文科省と教育実行再生会議は、今回の記述問題の見送りに際して(まだ決定したわけでは
ないので、そうなれば)、きちんと総括をするべきではないか。

特に、教育実行再生会議は、参加したメンバーの教育現場に対する理解の浅さが問題ではないかと、私は2年前に指摘していた。教育現場や教育の制度的なことをあまり知らない経済人が、自分の頭の中でだけ、色々なことを考えて、良かれと思って発言し、提言したことが、全てを動かしたような格好だった。時の首相に忖度をしたかどうかは分からないが、結果的にそのように見える追従を文科省がして、話がどんどん進んでいった。このことに対して、しっかり総括をしてほしいと思う。

入試における公平性は、当然重要な要素だ。公平性を抜きにしては、入試が、恣意的になってしまうわけだ。そうなれば、平等の原則に抵触し、誰も真剣に入試を受ける者もいなくなり、そのために勉強する者もいなくなってしまう。こんなことは、初めからわかっていたことだ。それを無理を承知で実行しようとしたのだ。このことの総括をしっかりしてもらいたい。

そして、もう一つ。時の政権の言いなりになるような官僚では困る。政治主導などと恰好いいことを言って、政治家は官僚を意のままに動かしてほしくはないし、官僚もしっかり、国家のために、専門性を発揮してほしい。世界でも優秀だった日本の官僚がどんどん劣化した背景には、政治主導という素人我儘がそこにあると私は思うが、どうであろうか。

【教育記事から教育を考える】
2021年4月9日(金) VOL.701
作者:中土井鉄信(教育コンサルタント、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)

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