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身体表現と性、的な?

 生まれつき身体の関節が柔軟で、ダンス始めたときからなぜか開脚やアイソレーションだけは上手くできた。そしてそれが武器だった。
 それは「セクシーな」と呼ばれる表現に適してた。女子校時代はその「セクシーな」表現を武器に戦っていた。それについて誇りに思っていた。

 つい最近までそれは私の武器で、得意な表現だったことに変わりはなかった。でも「セクシーだね」というより「エロいね」って言われることがちょこちょこ増えた。意味的にはそこまで変わらないんだろうけど、語感が違うだけでここまで嫌なものかと思った。私は自分の身体の特性を理解しているので、好んでアイソレーションとかコントラクションを使う表現を選択しているけど、そこから受け取って欲しいものは「エロ」ではないよな、とモヤモヤするようになった。

 この間キッズのジャズファンクのクラスが、私が受けようと思ったレッスンの前にやってた。まだ小学校低学年くらいなんじゃないかな、って思う子もいた。そんな子達が所謂「セクシーな」振り付けを踊っていた。そしてそれをお母さんたちが見ていた。その意義についてめちゃめちゃに考えてしまった。
 別に「子供なんだから無邪気で元気に踊っとけ」とか「子供がジャズファンクやるな」とかそういう訳で全くはなくて、てかそもそもジャズファンク自体「セクシーな」振り付けが主じゃないし、多分偶々そうだっただけなので、全方向に他意はないのだが、この子たちが将来邪な目に晒されて、その“評価”を気にした結果、自由な表現を折られてしまう日が来ないと良いなと思った
 「いやそれお前が勝手に“セクシー”だと思ってるだけじゃね?」って言われたら、まあ……🙄となってしまうんだけど、これは私の経験則から導き出された見解なので、そういうツッコミはとりま黙ってて欲しい。だって今まで私が言われてきたことだし、他のアーティストやらダンサーやらへのファンのコメントとかを、私は細かくこまかく研究しているので。何をどう使って、どうやって身体を動かせば他人にそう思わせられるかとか、全部知ってて言ってるから。

 ペトルーシュカの頃からずっと考えてる。私の身体性と表現と振付について。
 私のガワは“女性”で、今まで選択してきた身体表現も相まって、どうしても女性的な表現になってしまう。ムーアをやったとき、キャラクターと自分の身体性のバランスが上手くとれなくて、その時初めて自分の中の「女性性」というものに違和感を覚えた。自覚してなかったけど、私はこんなにも“女性”なんだ、って思った。
 じゃあそれが嫌なのか?そこから逸脱したいのか?って聞かれたら、そういう訳ではないんだけどね~🤔ってなる。なんとうか、性別に囚われない表現にしていきたい。もっと言うと人間やめたい。私がダンスしてる理由は人間辞めたいからだし、なんでもない一生命体としての表現をしたい。と思ってる。だから、自分の表現が観た人に与える印象が“女性的”であるのが、違うな~と言う感じだし、何とかしてぇ~と思ってるところ。

 てかそもそもなんで私の選択した表現が“女性的”で“エロく”見えるかって「くねくねしてるから」なんだろうな!なんて単純!!くねくねしてるものにエロを感じる人間みんなミミズか芋虫でも見とけば良いのに!!!
というのはまあ暴論なんですけど。

 確かに私も私で好きな楽曲の曲調に、こぞって扇情的な歌詞が付いてたりするので、そういうのが好きなんでしょ?ってなるんだけど。でも昔からの無意識の選択がそうなってるので、本当にただ自分が好きな音の使われ方が、たまたま「扇情的な表現」と合致してしまっているんだと思う。「ショッキングピンクが好き」って言ったら「エロいね」って言われんのと一緒だよね。蛍光イエローなら言われないのにね。難しいね、人間!

 話が逸れたけど、結果何を言いたいかって、最近振付するときにめちゃめちゃに気を遣うのがダルいってこと。特に腰と胸の動きと、身体を沿わせる手の動き。私は人間の身体に欲情しないから、客観的事実として得たエロく見える表現も、どこまで本当にそうなのかまーーーじでわからん。だからこっちの意図と外れた印象を相手に与えてしまうのが不本意であるし、踊ってくれる人がそういう目に晒されるのがめちゃめちゃに嫌である。
 嫌であるからそういう目で見るなということであるのだよ。少なくとも私の振付は、楽曲と言葉の拡張なので!フロアに入ったときに足ばっか見んなよ!!そういう意図じゃねえんだわ!!!

 ダンスは色んなルーツがあって、人間の肉体を使う表現なので、どうしても性が絡まってくるのが最近のジレンマ。WackとかVOGUEとかLGBTの人たちがスタートになってるものも有るけど、それもベースに「性がある価値観」が存在してるので、ウーン😞💦となってしまう。

 自分の主義主張とかパーソナリティーと合った、私のダンスの表現をもっと模索していかねばなと思う。

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