GRAYの制作ウラバナシみたいなそんな感じのこと

と言っても
何から綴るべきか……書き始めてはみたけどなにも定まってないので、徒然なるままに書いていく雑記になると思います。悪しからず。

そもそも今回の「GRAY」を上演するに至った経緯が、ひょんなことの連続で偶然のことでした。
9月の「FAKE HOMEY」に出演させて頂けることになり、その顔合わせのときにウィスラジのゲストに呼ばれ、ウィスラジの収録の時にふと10月公演の話になり、色々あって朗読劇ではなく演劇をしようということになり、前に書いてあったGRAYの土台みたいな脚本をサンプルで出したらこれを上演しようということになり……なんやかんやで演出までやることになったんですよね、確か。
話がトントン拍子で進んでいって、不安とか感じる暇もなく稽古になりました。いや、顔合わせと初回稽古の時は不安だったかもしれないです。笑
ちょっと覚えてないや……

元々GRAYは、ミュージカル作品の体で書いていました。大学のサークルの企画で出して、落ちたやつなんです。でもこの作品は私の中で、今まで書いたものと何かが違っていて、いつかどんな形でも良いから生かしたいと思っていました。
まさかこんなに早くできるなんて思っていませんでしたが……。これも縁とタイミングですね。なんか、自分の運の良さ(?)に若干引いてます。嘘です。ウィステリウムさん、拾ってくれてありがとうございました。

決まってから、大改稿作業が始まりました。ミュージカルの脚本として書いていたので、もちろん歌があったわけですよ。それを全部ストレート用に直しました。ご覧頂けた方には、所々その名残が感じられたかと思います。
改稿していて、脚本の中に自分の人格が3つくらいあることに気づきました。大元のものを書いたとき、色んなことでアホほど疲れていた記憶があり、そのストレス発散先だったんですよね。一貫した主義主張は変わらなくても、情緒と人格が荒れに荒れてるのがあからさまで……なんか一周回って面白かったです。

なんとか道を整備して舗装して、上演するにあたって必要な条件(キャラクター・役者の数など)をクリアして、オーディションとか声かけとかで集まってくれたキャストさんたちに共有して、顔合わせの日に配役を決定しました。
本当は顔合わせ前に配役を決めたかったんですけど、オーディションを見られないことの方が多くて決められなかったです。
いや難しいですね、キャスティング。色々。いろいろ。
これは私の持論になるんですが、台詞量と役の重要度って比例しないと思ってるんですよ。だって、めっちゃ重厚な悪役がペチャクチャ喋ったらダサいじゃないですか。これは100の例えですけど、全部これと同じことだと思ってます。

そんなこんなで配役をしました。
以下それぞれのあれこれです。
敬称は省略させていただきますね。

武田則雄/ウァル:笠松大誠
夏休み中に偶然電話が掛かってきて、雑談してたらノリで出てくれることになった私の大学の同級生。でも改稿してる途中でワンチャン声かけようかと思ってた矢先だったので、鴨がネギしょってきてこっそりガッツポーズしたのはここだけの話。
出会った頃からずっと面白くて愉快な人だなって思ってて、この人の作り出す空気とかをいつか何かに使えたらってずっと考えてて。普段は芸人として活動していて、演劇自体は初めてだったんですけど、動きとか沢山練習してくれて、稽古重ねるごとに上手く自然になっていって親のような目で見てました。
ウァルはどうしてああしたか、ちょっとあんまり覚えてないんですけど……たしか「パーソナルスペースとかなくてずっとフラフラしてて。あと変な動きしたいならずっとやってて」って言ったらああなったんですよね。多分。知らんけど。
稽古のアップのエチュードが気に入ったらしくて、とても楽しそうでした笑

ピュート/オリバー:勝部環
私の妹と同い年なんですよね。でも全然大人びてて妹と同い年なのが信じられないです。天使と悪魔っていう正反対の役をサラッと演じ分けてて心強いなと思いました。でも実は、冥王星から来た悪魔なんですって。
オリバーの役づくりの云々を話しているときに、ラリった様にとか酩酊状態の人みたいにって言ったらドンピシャなものを出してきたので、想像力が豊かな子なんだなって思ってます。大誠くんのウァルに飲まれることなくオリバーを演じきった環ちゃんは、本当に称賛に値します。だんだんウァルに寄っていってて面白かったけど笑
笑うの我慢させちゃって本当にごめんね……

相田悠/ルル:虚弔
悠ちゃん、実は小泉さんに「虚ちゃん出てくれるって~~」って言われて一気にに固まったキャラクターでした。ほぼあてがきです。
ルルはフェイクでの虚ちゃんの動きをみてぴったりだなーって思って配役しました。
どっちも虚ちゃんのはまり役だと思ってます、私は。でもどっちも難しかったと思う。特に悠は。私が表現したいことが歪みすぎてて、表面から読み取れるものと裏から滲み出るもののギャップがエグい子になっちゃった。てへぺろ。許して。

アーク:照井るゐ
第一印象は真面目で丁寧な人でした。でも顔合わせの帰り道に虚ちゃんがるゐさんにむかっておっぱいおっぱい言うのでナニゴトかと思ってて、Twitterのアカウント見たらおっぱいでぶったまげました。おっぱいでした。
最初にオーディション用に送られてきたお写真を拝見したとき、「アークだなあ」ってぼんやり思ってて、顔合わせの時に初めて実物みて「アークやん」って即決しました。
舞台初めましてですが、コスプレされてる方なので表情の作り方がバチクソに上手くて鼻血吹いて倒れるかと思いました。今後の活躍、すごく楽しみにしてます!

キト:齋藤結花
結花さんは小泉さんから「この人演技するの好きなんだなぁって思ったよ」って聞いていたので、じゃあキトかリムをやって頂きたいなと思ってました。どっちにしようか迷いに迷いましたが、結花さんの真っ直ぐな読み方が良くて、そしてそれを壊したくて、キトにしました。
キトはこのお話の中で一番行動と気持ちが解離してるキャラクターです。なので、すごくすごく悩んだと思います。死神のときとの演じ分けなど色々研究してくれて嬉しかったです。
死神の動きは私が振り付け師であるが故の動きで、ストレートでやらないようなことなので、すごく困らせてしまったと思います……ごめんなさい。しかもギリギリになって付けてしまって、練習する時間も短かったのは本当に申し訳なかったです。私の計画性のなさが……本当に……もう……懺悔。

甲田弘:工藤蔵誉
まささんは6月に共演させていただいて、その時またどこかでご一緒したいなあとか思っていたら、小泉さんが「誘ってみれば~?多分出てくれると思うよ」って言ったのでその場で即座に連絡しました。弘くん、絶対まささんが良かったので。無事出ていただけることになったとき帰り道にスキップしました。嘘です。
「是非とも演じて頂きたい役があるんです!!!」ってテンションでオファーしといて、弘くんの第一声が「死にたい」なのあほくそまじ申し訳ない思いでいっぱいなんですが、そこの弘の独白でまささんの込めた熱が私の心臓をビリビリさせてて、毎回泣きそうになっていました……。
弘くんには動き付けるときけっこうふわっと抽象的なこと言ってたんですけど、ちゃんと読み取って表現していたのが、もう、なんか、ありがとうです……。やっぱまささんはすごいや!
GRAYの稽古になってから、瞳のときに見られなかったまささんの一面が沢山見られて面白かったです笑

野村美佳:関口恵那
美佳ちゃんは本を書いているときから私の最推しです。このあっちゃこっちゃ歪んだ登場人物たちの中で、唯一真っ直ぐにいようと足掻く芯の強さが好きです。そして羨ましいです。
恵那さんに美佳を配役した私の目に狂いは無かった。ほんと恵那さんが美佳すぎて、どんどん美佳になっていって、圧倒的ヒロインで、キラキラしてて……。好きでしかなかった。大好きです、本当に……。
美佳が恵那さんだったから、この劇は完成したんだと思ってます。
日舞とかアクションとかやってらして、からだの使い方がめちゃめちゃ綺麗で、動きの振れ幅が大きくて軽やかで、恵那さんの動きから吸収したことも沢山ありました。
稽古中、私がウワワワワワってなってるときに助言してくれたり、キャストさんたちを引っ張ってくれたり、すごくすごく心強い存在でした。スーパーありがとうです……!

フィー:華空祥
フィーは元々他の人へのあてがきで、その人に演じてもらおうとオファーしたんですけど、スルッとかわされて脈なしだったので諦めました。諦めてから、さあどうしたものかと思って。フェイクの方の稽古でしょーほさんをぼーっと見てたら、私の直感が「この人がフィーなんじゃね?」って言ったので、ワッそうかも!ってなり、お誘いしました。あとフェイクの方の稽古でしょーほさんの演技を見ていて、なんか違和感を覚えまして、その違和感の正体を知りたかったっていうのも有りました。
フィーはパーソナリティーが一言で表すと「優しい人」に演じてほしくて、しょーほさんの他人との距離の詰めかたとか、たまに見かけるエピソードとかが私の求めているものと合っていました。なのでもししょーほさんにもフラれていたら、多分この作品立体にするのに妥協のオンパレードになっていたかもしれないです。でもお誘いした当初そこまで仲良くなくて、「オワーー、何て言おうか」みたいなぎこちない感じだったのを覚えてます。絡みある役だったのにね笑
稽古始まってから多分一番色々言ったと思う。通しとかのダメ出しの7割がフィーだった気がする。知らんけど。いやでも本当によくもまあ私の我が儘にここまで付き合ってくれたなという感じです。千秋楽の前日に配信されたウィスラジ聞いてて、しょーほさんがめちゃめちゃ勉強してる人っていうのを知って、いやここまで勉強してる人を私けちょんけちょんに言ったんだなあって少しだけ反省しました。でも結果仲良くなれた(と私は勝手に思っている)のでなんでも良いです。
あと「シャルル・ド・マナエルモ」ってあだ名付けといて、小屋入り中ずっと「まなちゃん」って呼んでたの草でした。

リム:明星まい
リムはあてがきでは無いんですが、元々他の人に声をかけてて、でも残念ながらフラれてしまって、さあどうしたものかとなりました。フェイクの方でもピンとくる人がいなくて、他のところの知り合いにも中々理想に合う人がいなくて…。って時に、まいさんのオーディションが有って、偶々私がオーディションに立ち会うことが出来て、「あっ、この人だ!」ってなりました。運命的でした。
リムはこのお話の中心で、狂言回しで、道化師で……沢山の意味を持つキャラクターでした。なので1人だけ明らかに浮いていて欲しくて、常にちょこまかちょこまかヘラヘラしてて欲しくて。私も元の性格がダウナーだからわかるんですが、ダウナーの人がアッパーを装うのって凄く凄く体力と集中力使うんですよね。最後まで役作りを頑張ってくれて凄く嬉しかったです。私がつけてないところの細かい動きとか、とっても研究してくれて、ほんと感謝です。小屋入りしてから、照明を味方につけた表情の残し方とかしてくれて、公演重ねるごとにどんどんリムになっていって……千秋楽泣きそうでした。
チャーミングなリム、大好きです。

なんか一言づつくらいのつもりだったのに長々書いてしまいました…。
皆さんが演じた役が、皆さんの何かしらの糧になってくれたらいいなと思っています。

なんか綴るの疲れちゃったから一旦これで投稿しよ。
物語のほうのウラバナシとかは、また別で書き連ねますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?