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苦しみは他者と共有することによって楽しみに変えることができる
東日本大震災が起ったとき、都心では多くの帰宅難民が発生した。
僕の友人も帰宅難民化していたので、歩いて迎えに行き、その途中で実に多くの人々とすれ違った。電車が止まっていたので、みんな遠い道のりを歩いて帰っていたのである。
そのときに驚いたのが、一人で歩いている人と、二人以上で歩いている人との、表情の違いである。
一人で歩いている人は、一様にうつむき加減でみんな実にツラそう。それに対して二人以上で歩いている人は、この非常事態の大変さを共有することで、むしろ少し楽しむ余裕を持っているように見えた。まるでちょっとしたピクニックにでも行くように。一人で歩くのと、二人で歩くので、ここまで違うものかと驚いたものである。
とはいえ、僕も一人の時間が大好きな人間なので、「いつもみんな一緒が最高!」などと言う気は毛頭ない。
ただ、苦しみは他者と共有することによって、楽しみに変えることができる。そういうことは、確かにあると思う。
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