TOEICって実際どう?

以前の記事でもご紹介しておりますが、世界の英語の試験にはIELTS、Cambridge、TOEFL iBT、BLUTS、PTEなどなど、様々あります。

今回は日本で英語の試験といえばもっとも有名な「TOEIC」についてです。

個人的には不要と思っていますが、客観的に有効かどうかという点で触れていきます。

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まず最初に。

日本でTOEICを勉強している人、上級と言われる方も多々いますが、疑問に思うことがあります。

なぜ日本人は英語が話せないんでしょうか。

日本ではいまだTOEICが主流で、英語力が高いかどうかの基準というとなにかと出てきますよね。もう何年も勉強してる人もたくさんいますし、中学から合わせると10年英語勉強している人も少なくないです。

でもいつまで経っても日本って「英語ができない(使えない)国」ってなってませんか?

多くの方がすでに経験をしているかと思いますが、このTOEICというテスト、実は韓国人を除いてほとんどの国の方が知らない試験で、オーストラリアや他の英語圏では英語力を測る基準としてほとんど認められていない資格になります(「世界の英語試験」には通常入れません)。

現状、日本では就職活動 や人事評価基準の中にもTOEICのスコアを入れている会社も多く、英語が関わる業務への適正を測る基準となっています。

日本では依然としてTOEICが英語の一般的な指標となっているのは事実であるため、アピールとして900点以上のハイスコアを持っていることは一定のアドバンテージになります。

この一点においては、TOEICのスコアを取ることはその分野でのキャリアを目指す場合には大切といえます。

<求められる英語力>
海外では使えないTOEICですが、それでも時々ご相談されることがあり、多くの場合帰国後についてのご相談で、「TOEICの勉強をした方がいいのか」「オーストラリアでTOEICのコースはないのか」などです。

主に就職を意識してのことと思いますが、まず最初に一度考えていただきたいこととして、

求められているのは英語の実力であってTOEICのスコアではないということです。

確かに、前述したとおり日本ではTOEICが主流なのでもちろんあればベターです。

しかし、現実の世界で認められるキャリアやスキルとして大切なのは「英語が実際に使えるかどうか」という点です。

根本的なお話ですが、みなさまが求めている/求められていることは

TOEICのスコアではなく英語の実力そのものをあげること

つまり、英語がもっとできるようになることではないでしょうか。

テストのスコアというのは実力を示す一つの指標で、それが自分が求めている、または、求められているものを示すのに適しているかが重要になります。

そこで「なぜTOEICは世界では認められていないのか」ですが、それはTOEICで測れる英語力が何なのかという点にあります。

その測られているもの(スコア)が現実の課題をクリアするのに参考になるのかどうかが基準として採用されるかどうかの判断になります。

【TOEICで測られる英語力】

一般的に基準とされているTOEICにはスピーキングもライティングもありませんし、全問マークシートです。

※認知度は低いですが、TOEIC Speaking & Writingというものは存在します。

極論で言ってしまえば、「全く英語が話せなくても満点が取れる」=「満点でも全く話せない可能性がある」ということになります。

もちろん、実際はそこまではなりませんが、往々にして点数と求められているという意味での英語力が比例していないという話があり、事実、そういった方は多数いらっしゃいます。

以前、日本のTV番組で「800点=ネイティブレベル」と言っていたのを見ましたが、実際に英語圏で生活をされて本当にそう感じる方がどれほどいるのか疑問です。

また、思い浮かべていただきたいのですが、「スピーキングが上手」な方が日本人は他国に比べて少ないのではないでしょうか。

でも不思議ですよね。

できなくてもTOEICでハイスコアが取れれば「英語ができる人」になれるんです。

【就職・転職・ビジネスシーン】

就職・転職活動で英語をアピールするのであれば、英語力を求められる仕事がターゲットになります。

実際に英語を使わないポジションであれば、どれだけ英語を推しても意味がないですよね。

仕事の業務で何を使うのかですが、リーディング&リスニングはもちろん、スピーキングもライティングも必須です。

電話やメール、交渉やプレゼンなど様々な場面で必要になります。

英語をアピールするからには英語を使う現場での働きを期待されます。

それもカジュアルな会話だけでなく、ビジネスで。

TOEICはハイスコアですが、スピーキングやライティングはやってないんでちょっと・・・とは言えないですよね。

また、リスニングもほとんどが短文で、しかもすべて選択式というのは非現実的です。

実践と合わないトレーニングを一生懸命やるのはなかなかもったいない気がします。。。

<結局TOEICはやった方がいいのか>

結論から言うと、「わざわざTOEICの勉強をしなくてもいい」です。

誤解を避けるために申し上げますが、決して就職などにおけるTOEICを否定しているわけではありません。

大切なのは、TOEICのハイスコアを取ることではなく、英語の実力を伸ばすことが本質的な課題であるということ

採用段階で有利だからと言って、現場に出て使えない、期待はずれとなることのほうがキツイと思いませんか?

将来の就職活動やキャリアを含めてご相談されることが多いのですが、やはりTOEICの勉強をした方がいいのではないかとのご相談があります。

根本的でシンプルな話ですが、実践的な英語力があがればTOEICの点数は取れます。

つまり、TOEICにこだわらなくてもいいのです(満点を取りたいのであれば別ですが)。

<TOEICと就職活動>

余談みたいなものですが。

就職活動とTOEICについて調べるとよく出てくるのですが、「就職活動で使えるTOEICの基準」みたいな解説をしている方を見かけます。

400点以下は出さない方がよい

500点以下は英語を学ぶ努力ができるという姿勢が示せる

600点以下は英語を勉強しているアピールになる

700・・・

正直、人材コンサルタントとしても英語コンサルタントとしても全く信用できないレベルの人なんだろうといった感想です。

就職活動で英語をアピールする基準は

1.英語を使うポジションであること

2.自分で英語に自信があること

3.客観的に評価されていること

であり、点数によって評価される項目が変わるという問題ではありません。

そういった考え方はやりたいことを決めず、とにかく多数の企業へアプライしまくるという非常に非効率でストレスのあるやり方で、英語以外のアドバイスについても信憑性の低さを感じます。


では英語の勉強は何が有効なのか
将来のために英語を勉強されたい方へは、「根本的な英語力を上げる」ことができるケンブリッジ検定やフォーマル・アカデミックな英語を学べるIELTS、あるいはビジネス英語などをご提案しています。


<IELTSやケンブリッジは日本では使えないのでは?>
この質問は非常に多く、確かに認知度はTOEICに比べて劣っていますが、着実に受験者数も伸びてきています。

正直、全く問題ないです。

むしろTOEICこそその効果に疑問を持っている方が増えているのではないでしょうか。

「英語を使うポジション」を募集している会社で、人事担当者がTOEIC以外の資格を知らないなんてことがあるでしょうか。

仮に知らなかったとして、調べないなんてことはないでしょう。

前職で本社時代に人事部の仕事や資料をたくさん見てきましたが、人事部はしっかりと調べています。

社内でも人気部署ということもあり、やはり優秀な人が集まる部署です。

少なくとも採用担当の係長クラスなら間違いなく知っているか調べます。

もしそれで知らないとしたら「英語は大した採用ポイントじゃない」「英語がいらない仕事=推しても意味がない」と判断できるのではないでしょうか。

実際にビジネスで通用するレベルの英語を習得して、その指標としてグローバルスタンダードの基準である資格を提示する、これで通用しないということを想像することの方が難しいのではないでしょうか。

少なくとも、本当に身につけている実力を示すことはできるという最も重要な点が押えられているかとも思います。

結論としては、依然として日本ではTOEICが主流であり、英語力の判断基準として絶大な指標となっていることは事実です。

なのでアドバイスとしては、「英語をしっかり勉強して、帰ったらサクッと受験しちゃってください」です。

英語を勉強する際には、大切なことを見失わずに、限られた時間を有効に使っていきましょう。

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