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【振り返り】ボ教概論Ⅰのつくりかた③掲載ゲームの選定

こんにちは。ボドパパです。
いよいよ、
ボ教概論Ⅰに掲載するボードゲームを何にするのか、
を選定していきます。

2つめのステップ。ゲームを選定していきます。

もしかしたら意外かもしれません。
選定ステップ、早くね?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

なぜ、この時点で掲載ボードゲームを選定したかというと、

メーカー様の掲載許諾にどれくらいの時間がかかるのか、全く見積もれなかったから。

というプロジェクト進行的な理由があります。

あれやこれや議論して、
その上でボードゲームを選定して、
紙面をつくっていって、
メーカー様に見せる…

という工程を踏んでいると、もしメーカー様に許諾をいただけなかった場合に違うゲームを選定しなおす必要がありますが…
そこから巻き直す期間的なリスクがありました。

一方で、学びの要素の概念やボードゲーム教育的な準備や工夫などの紙面構成要素について議論している最中ですので、
どのゲームを選ぶべきか、その選定基準を決めるのもかなり難しい。

私たちは直感を信じつつ、かつ論理的に、掲載ゲームの選定基準を決めることにしました。

選定する基準①手に入りやすさ

対象のボードゲームが広く流通していることが大切な基準です。
というのも、ボードゲーム教育を実施したい人が簡単に手に入れられないボードゲームを掲載したところで、意味がありません。
絶版では無い、ボードゲーム出版社大手メーカー様が現在流通させており今後も流通を続けるであろうと予想できるボードゲームであることを選定基準にしました。

選定する基準②ゲームメカニクスの網羅性

選定基準のもう一つの大きな柱は、ボードゲームのメカニクスの網羅性です。
なぜメカニクスに注目するかというと、
学びの要素とボードゲームメカニクスは、緩やかに結びついているのではないか?
という私たちボ教協の仮説があるからです。

ボードゲームの学びの要素についてはボ教協設立以来議論しており、個別のボードゲームの学びの要素の抽出作業の元、ボードゲームにはとんでもない広さと量の学びの要素がありそうだという評価をしています。
下記参照。

そしてボ教概論Ⅰの製作にあたり、
できるだけ偏りなく学びの要素を表現し、その網羅性を担保したい、
と私たちは考えました。

つまり、学びの要素と緩やかに結びついているボードゲームメカニクスを基準にまんべんなくボードゲームを選択することで、学びの要素の網羅性を表現したいと考えたのです。

ただし、ここには大きな落とし穴が潜んでいる可能性が高いと考えます。
ボードゲームメカニクスと学びの要素の関係性を信じすぎるがあまり、メカニクスでは補完できない、説明しえないボードゲームの学びの要素への考慮が抜け落ちる可能性です。
そのリスクを慎重に捉えながら、今後も議論を重ねる必要があると考えています。
なお、そのリスクについてはボ教概論Ⅰをお読みいただいた大学教員である石田喜美先生がものの見事に我々の懸念について見抜き、緻密に言語化して、言及いただいています。感謝。
https://kimilab.hateblo.jp/entry/boardgameeducation1

なお、個別のボードゲームのメカニクスについては、世界最大のボードゲームデータベースサイトである、

BoardGameGeek

を大いに参考にさせてもらいました。

BGGではmechanicsを軸にボードゲームを検索できる

ボードゲームにタグ付されているmechanics tagを参考に書くボードゲームのメカニクスを把握し、偏りを防いでいきました。

その作業の際に使ったNotionサイトの一部を公開します。

ギャラリービューでメカニクスをできるだけ可視化したうえで、
メカニクスからボードゲームを眺めたり、
選定候補のボードゲーム一覧からメカニクスを眺めたりする、
という多方向からの観点でのレビューの繰り返しによって、ボ教概論Ⅰに掲載する16種類のボードゲームが決まったのです。

BGGのメカニクス定義をギャラリービューで俯瞰

以下、掲載ゲーム一覧です(ボ教概論Ⅰ掲載順)

  • カタン

  • キャット&チョコレート

  • コードネーム

  • ザ・クルー

  • ドミニオン

  • ナンジャモンジャ

  • ナインタイル

  • 花火/HANABI

  • はぁっていうゲーム

  • ピクチャーズ

  • ブロックス

  • 宝石の煌き

  • マジックメイズ

  • リトルタウンビルダーズ

  • フォーセール

  • ワンナイト人狼

ボ教概論Ⅱ以降の選定基準について

現在、ボ教概論Ⅱの制作がスタートしています。
その中で選定基準についてボ教概論Ⅰと同様に議論していますが、
今回は上記の基準に加えて
ボードゲーム教育実践者が使っている実績
を加える方向性で検討しています。

現在ボードゲーム教育実践者のネットワークが少しずつ広がってきており、実際何のボードゲームを使っているのか、を共有し合っていく中で、そこで話題になるボードゲームが同じであることが多いのです。

ボードゲーム教育で使用しやすいボードゲームにはいったいどんな共通項が存在するのか。
帰納的にそれらをまとめ上げ、言語化できる可能性に期待しています。

今回はここまでです。

次回は、ボ教概論Ⅰのコアな価値である学びの要素の言語化、整理に入っていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

WRITTEN BY

ボドパパ
日本ボードゲーム教育協会所属。
流通小売&ITデジタル会社の社長秘書で、ボードゲームと家族が大好きな父親です。息子(5)と娘(2)の子育て真っ最中。
ボードゲームを子育てにどう活かすか、に興味があります。
好きなボドゲは「魔法にかかったみたい」
https://twitter.com/bodopapa

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