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生徒が語る文系大学受験のコツ

 塾の講師が、生徒に受験のコツを教わったお話です。といっても、笑い話のつもりではなく、参考になる点が多かったので、記事にしました。実際に受験を経験してきたからこそ気づけただろう点が満載です。
 具体的な話が多いので、来年・再来年の受験生にとって役に立つ話かな、と思います。英語や世界史をはじめ、各科目について整理しています。特に文系の大学を受ける子に参考にしてほしいと思います。

勉強全般について:

  • 過去問はできるだけ早く解くことをお勧めする。実力が足りていない状態で解いてボコボコにされるのが嫌な気持ちはわかるが、どのレベルの問題がどのような形式で出るのか把握することはとても重要。

  • 単純な暗記から逃げないでほしい。いつかはやることになる。暗記を早く終えると後が楽になります。

  • 睡眠時間は削らないほうがよい。特に直前期は。

  • 偏差値や模試の判定は一切気にする必要はありません。受験を終えて確信していますが、当てになりません。実際、僕は早稲田政経はE判定しか出たことがありませんが受かりました。逆にA判定が出ていた上智大学には落ちました。自分を信じて最後まで強い気持ちを持ち続けることが合格の秘訣なのではないかと感じています。ありふれたフレーズではありますが本当にそう感じています。

英語:

  •  単語量が何より大事。なるべく沢山覚えること。『PINNACLE420』という単語帳は早稲田の英文に出てくるような単語が多くあるので、覚えられれば入試でかなり読みやすくなると思う。主に私立文系専願の人におすすめしたい。ただし、『LEAP』や『ターゲット1900』、『システム英単語』などの基本的な単語帳を完璧にするまでは手を出すべきでない。また国公立志望の人は『PINNACLE420』レベルの単語は必要ないので、単語勉強の優先度を下げ読解や和訳の練習をするべき。私立、国公立関係なく、過去問を解いて意味が分からなかった単語をストックしていくことは大事だと思う。

  • 読解力や問題を解く力は一気には上がらないのでコツコツやっていくしかない。最初のうちは効率などは気にせず、時間をかけてもよいので文構造をとって全訳すると力がつくと思う。

  • 国公立大学の問題は文法構造の理解が求められる。難しい文章になると文法構造が掴めないと読めない。国公立対策の勉強をすることで英語の土台となる広い基礎知識が作られる。

  • 私立大学は難しい文法構造を解読するような問題は多くない。単語量やフレーズの知識があれば解ける。

  • 私大の英語は大学や学部の間で出題傾向が大きく異なるので、早い段階で過去問に目を通し対策を考えるとよいと思う。

世界史:

  • 通史をなるべく早く終わらせることが重要。一周目から知識などを完璧にしようとするのではなく、まずは流れを抑えることを意識する。

  • 国公立大学は記述問題対策が必要。そのためには情報の整理が大事。一問一答では対応できない。私は論述問題を解く際は以下の手順で解いていた。一問一問に時間をかけて丁寧に解くとよいと思う。作成した答案は必ず添削に出すこと。論述は添削を受けて復習をしなければ伸びないと思ってよい。

    1. 問題文を読んで何も見ずに構想ノートを書く。

    2. 教科書や参考書、資料集などを見て、構想ノートに知識などを書き足してまとめる。

    3. 構想ノートをもとに論述の回答を作成する。

  • 国公立志望の人は教科書の文章や表現を覚えるぐらい熟読してほしい。流れを整理できるだけでなく、覚えた表現や文章をそのまま回答に書けるようになるからだ。

  • 地理(地図)の知識が必須。地名が出てきた際は資料集などで場所を確認してほしい。遠回りに感じるかもしれないが、地図と関連付けて覚えることでかえって効率が上がる。

  • 年号は絶対に必要。同じ時代に他の地域では何が起こっていたのかを把握するため。国公立志望でも必要。

  • とにかく量が多いので適度に効率も意識すること。ただ知識を一つ一つ覚えるのではなく、時代や地域や背景など様々なこと同士を関連付けて覚えるようにしてほしい。

国語:

現代文:

  • 言語感覚を養う上で、言葉遣いの正確さは大切にした方が良い。間違った言葉遣いに違和感を覚えることも大事。

  • 文章を要約することで力がつく気がする。(一橋の大問三など)

漢文:

  • 句形のルールを覚え、漢字の読みさえわかれば全て対応できる。

  • おススメ参考書は「漢文早覚え速答法」。この1冊を完璧にすること。

  • 高3からで間に合う。

古文:

  • 基礎が大事。ここは英語と似ている。

  • 単語と文法が最重要で、それさえできれば大体読める。文法は特に助動詞と敬語が重要。

  • 主語をつかむ意識して文を読むことが重要。

  • 古文の知識が漢文にも使えるので、漢文より早くコツコツやれると良い。

数学:

  • 早く基礎を完成させることが大事。早めの段階から1冊の参考書・問題集を反復すること。分野ごとのパターンを整理して身につけていくと良い。

  • 目の前のテストで点数を取るためだけの勉強をすると結果的に伸びづらい。

  • 演習量が必要な気がする


地理・理科基礎(共通テスト):

  • 地理は共通テストに限っていえば、『村瀬のゼロからわかる地理B』がおすすめ。世界史と同じく地図とリンクして知識をインプットしてほしい。私は地図帳に直接書き込んでいた。

  • 理科基礎については、一橋大学社会学部のように理科基礎の配点が高い学部を志望する人は受験する科目をよくよく検討してほしい。生物と地学を選んだ方が点数が安定しやすい気がしなくもない。理科基礎に限っては好き嫌いよりも点数を取りやすいかで選んだほうが良い結果が得られるかもしれない。短期間しか勉強しないので好き嫌いで選ばなくてもそこまで苦にならない気がする。


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