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娘に授けたいのは「自分の頭で考える力」

もう自分のことはほとんどできる高校生の娘は、私が手をかける場面がとても少なくなった。
幼いころのように、お風呂に入れてあげたり、着替えを手伝ったり、明日の学校の準備を手伝うことも必要がない。
夕飯の用意と洗濯、夕飯時の「今日はどうだった?」という会話から学校の様子を窺うくらいだ。

ここまで大きくなってしまうと、「私がやってあげられることって、もうないのかもしれない」と切なくなる。
まだまだ子離れできていないのだ。
そんな中、娘に授けたいものは何だろうとよく考える。
そこで一番に思いつくのは「自分の頭で考える習慣」だ。

玉石混交の情報が溢れる社会、気を抜いているとそれらに惑わされ溺れてしまうことがある。自分の核となるものがなければ、大きな声・強い声に容易に流されてしまう気がする。

一時期「ネットリテラシーを身に着けてもらうにはどうしたらいいか」と悩んだこともあったけれど、結局この「自分で考える力」がなければ、もし「このサイトはいいけれど、これはダメ」「この情報はいいけれど、これは微妙」だなんて言ったとしても、そもそもそんなのコントロールできないほど子供たちはネットの世界に身を投じているし、サイト自体が優れていたとしても危険な情報はあり得るから、結局は自分の頭で取捨選択する必要性は出てくると思う。

しかし、簡単に「考える力をつけてほしい」なんて思っても、これがとても難しいと思う。
私自身、本当に「自分の頭で考える」ことができるようになったかもと実感したのは、ほんの数年前だ。
その経験上、少しでも早い段階でその力をつけてあげたいと思うのは、私の、親としてのエゴかもしれない。

自分の頭で考える習慣を持ってもらうには

具体的に何をやっているかというと、これらのことを伝えている。
あくまで我が家での話だが、何か参考になることがあれば嬉しいなあと思う。

①自分の考えの核を持つことの大切さ
②自分の感じたことを無下にせず大切にすること
③親が意見を言ったら、自分も反論する権利があるということ

①自分の考えの核を持つことの大切さ

考えの核を持っていなければ、なんとなく人の意見に流されて、自分の納得がいかない状況にいつの間にか追いやられてしまうことがある。
自分の人生を自分で乗りこなそうとするならば、考えの核を持つことはとても大切なこと。
人との付き合いの他にも、映画や小説などでいろんな人の価値観に触れ、少しずつバウムクーヘンのように自分の核を形作っていくといいのかもしれない。

決して「人の意見を聞き入れるな」ということではなくて、柔軟に耳を傾け、その意見を自分なりにジャッジする力をつける。

これらをやっていると自分の考えの「フィールド」を持つことができ、他者と自分との「いい塩梅の切り分け」ができるんじゃないかと考えている。
そのフィールドは、誰も侵すことのできない自分だけのものだ。

②自分の感じたことを無下にせず大切にすること

毎日の生活の中で、若いからこそ出会う「不条理な事」ってたくさんある。
それは先生から受けるかもしれない。
電車の乗客からかもしれない。
学校の先輩からかもしれない。
そのとき感じる「あれっ?」というモヤモヤを打ち消すことはせず、「やはりあれはおかしいよね」という想いを大切にすること。

場合によっては先方の体調が悪いとか、勘違いだったとか、他に理由があるかもしれないから、「それはおかしいですよ!」と喧嘩を売る必要はないけれど、自分の中で自分の感じたことに正直でいる・大切にする。
大袈裟かもしれないけど、これは自分の価値を守ることにもつながると思っている。

だから学校の先生には大変申し訳ないのだが、ここだけの話「先生の話を鵜呑みにするのではなく、自分で考えるのも大切」と伝えている。
ほとんどが有益な情報だろうが、全てではない。
しっかり自分で取捨選択したほうがいいと伝えている。

③親が意見を言ったら、自分も反論する権利があるということ

なかなか根気のいることなのだが、親が頭ごなしに意見を押し付けないこと。
「ママはこう思っているけど、あなたはどう思う?」というスタンスで話をする。
自分は意見を持つに値する人間・反論する権利がある人間だという自信を持ってほしい。

理想として持ち続ける

こうつらつらと書いてはみたが、なかなか難しい。
完ぺきにできているわけではない。
でも、諦めたらそこで終わりだから、理想として持ち続けていたいと思う。

その昔、「子育ては、子どもが幼いころは手を使い、大きくなったら頭を使う」というようなことを耳にしたことがあるが、ほんとにそうだなあと実感している。

親ができることは少ない。
でも、どんな状況下でも自分の考えを大切にし、自分の満足する人生を選び送ってほしいなあと願っている。

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