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自分を抱きしめてから他人を抱きしめる

思春期の娘は、自分の個性をネガティブに捉えがちだ。
他人と比較して異なる部分・劣る部分が気になるし、問題に直面したときの自分の弱さにも嫌になっている様子。
ひとつのネガティブ要素が他を巻き込んで、グルグル落ちていく。
気が付けば映画も小説も音楽さえも、暗くジメジメしたものを選んでいる。

そんな時期なのだろうから、ずっと放っておいた。
私自身も高校生のころ、そんな時期があったから。
自分も学校も先生も全てが嫌で、大人になることが楽しみだった。
たぶん庇護下である状況が窮屈だったのだと思う。

娘はここに進路の話が乗っかってきている。
はっきりとした道を想像できていない娘は、それが負担になってしまっている。
まるで頭の周りに漫画のような影ができてしまっている印象だ。

日ごろから、口を出すことを最低限にしようと心がけているのだけれど、先日ついに「ネガティブコンテンツ禁止令」を発令した。

①ネガティブな映画禁止
②ネガティブな小説禁止
③ネガティブな音楽禁止

「イカゲームを観るならイッテQを観てね」

ここまで干渉するのは久しぶり。
でも、どんどん負のスパイラルに陥ってしまっている気がして、強硬手段に出た。
これができなければ「ネトフリ解約」だ。
もちろん一時的な発令なのだが。

本人はピンと来ていないようだが、ちょっとネガティブな気持ちになると、不思議とまたネガティブな情報に触れようとしてしまう。
それが重なって、意識しないうちにどんどん気持ちが落ち込んでいってしまう。

特に今は、いろいろな制約があるしネガティブな情報も多く飛び交っている時期だから、簡単にそのスパイラルにはまってしまう気がする。
だから意識して「ネガティブなものに触れない努力」も必要になってくると思う。

そして、自分の個性について。
まずは他と比較してしまう弱さが自分にあることと、それがさほど意味のない行為であることを伝えた。
なかなか難しいことではあるけれど、比較したって他人にはなれない。
自分は自分。

一見、ネガティブに見える個性だって、捉え方によってはポジティブな面もあるのだから、意識してそこに目を向けること。
「まいっか、私は私だもんね」と開き直るときも必要だと思う。

自分で自分を肯定して、愛して抱きしめてあげなければ、たぶん他人を抱きしめるときに息切れしてしまう気がする。
自分自身を抱きしめる。難しい。私もそれが簡単にできなかった。
ではどうしてきたのか。娘にはこう伝えた。

「その個性をネガティブに捉えて苦しんでいる小さな女の子がいるとしよう。それを見てどんな行動をする?「大丈夫、大丈夫だよ」って背中をさすって抱きしめてあげるでしょう?それを自分にしてあげるの。そうやって、少しずつ自分を抱きしめられるようにしていく。独立したら、自分で自分のことを守って愛していかなくちゃならないんだよ。本当に辛いときはママの出番だけどね」
と伝えた。

これは何かの本の受け売りを自分なりにアレンジしたもの。
まずは自分。そして大切な誰か。
ネガティブな場所から救い上げて、抱きしめる順番はこうだと思う。

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