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子どもの授業の参加 -ウサギに触れない子どもをどう評価するのか-


総合的な学習がはじまるころだったと思います。当時の私は、中野重人先生(生活科、総合的な学習を導入した方)の研究会に所属して、現場の先生と勉強しておりました。

生活科には、「身近な生き物とふれあう」という学習があります。
ある小学校で、飼っているウサギとふれあうという授業が展開されました。その授業では、「ウサギが怖くて、触れない」と片隅で見ているだけの気の弱い女の子がいました。
その子をどう評価するのかが話題になりました。
その子は、見ているだけといっても、例えば本を読んだり、学校の外を眺めていたりしたのではありません。怖くて近づけないけれど、友達がふれあっているのをちゃんと見ています。
授業は、ウサギに触ることが目的ではありません。ふれあうことを通して、生き物についての「知的な気づき」があることがポイントです。
怖くて近づけない子どもも、頭の中は、ウサギのことでいっぱいだったでしょう。いろいろな気づきもあったと思います。それをきちんと看取ってやればよい、という結論でした。

アクティブ・ラーニングが進められるようになると、活動や対話を取り入れることも多くなるでしょう。
気が弱くて、発言できない生徒もいます。うまく活動できない生徒もいるでしょう。
そうした生徒も、決して授業に参加していないのではありません。
生徒の視線の先に、発言している友達がいるのならば、きっと話を聞いて、頭の中では、主体的に授業に参加しているはずです。

子どもの性格は様々です。元気な子ども、声の大きい子どもだけでなく、そっと授業に参加している子どももいることを、認識してほしいと思います。

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