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読書会『ハゴロモ』(よしもとばなな著)開催レポート

今回の参加者は主催を入れて、全員で5名でした。しかも全員初参加!
読書会自体初めての方もいらっしゃいました。

まず初めに簡単な感想を伺いました。

・地名があまり出てこずに、普遍的な海外文学の匂いがした。また川は時間の不可逆性や人のルーツを表していると思った。
・吉本ばななさんの本はいい意味で同じような設定が多い。内容は重いと感じたが、物語に差し込まれるエピソードや道具立て(深夜のラーメン屋や、夢を通して出会う登場人物たち)は明るいと感じた。
・中学生のときに初めて吉本ばななさんの本を読んだが、当時は難しく感じた。そしゃくするのに時間がかかる。

次にフリートークで様々な疑問や話題についた話しました。
Q、タイトルについて
ハゴロモとは、鳥のからだを覆う羽毛のこと。物語のなかでは、ほたるを包む優しい人々やその言葉、場所のことを表している。ちなみにサウナ用語で羽衣というのがあるらしい。

Q、るみちゃん派か、ほたる派か
登場人物の一人るみちゃんは、幼少期のつらい経験を糧にして保育士として働いていて、堅実な未来予想図を持っている。それに対して、ほたるは仕事と呼べる仕事はしておらず、物語のラストもわりと周囲の環境に合わせた将来像を持っている。意思よりも、偶然や地縁を大事にしているように見えます。
読書会参加者の方は、基本的にはるみちゃんの方が共感できる、という人が多かった気がします。でも、ほたるの父親が言うように、自然さや縁を大切にする生き方が最高、という考えには共感する方も多かったです。

吉本ばななさんの小説は、我々が過ごす日常の横に、まるで川のように目に見えない世界が流れていることを教えてくれます。ユーモアもあり、重い内容でありながらすらすらと読めるのも魅力でした。

参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

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