沖縄から来たコーチが面白すぎた 中学野球
僕のNoteを頻繁に読んで頂いている方はもうすでにお分かり頂いているかもしれないですが、僕の中学で野球をしていたところは、かなりの強豪中学でした。全国大会に出場し、県大会にも4年連続で出場するすごく厳しく強いチームを作り上げたは間違いなく3人の指導者の功績。
1. めちゃめちゃ怖いM監督
2. 厳しいけど優しさもあり楽しさもあるK先生。
3. 現役時代はプロのトライアウト最終選考まで行ったTコーチである。
この3人は気合がものすごく、めちゃめちゃ厳しい。
その厳しさが怠けやすい中学生を毎日ビシッとさせ、
大会で勝利をもぎ取ることができるのだ。
僕達が2年生の3月、3.11が起きた時だ。
部活が全て止まり、授業も止まり、日本も止まった。
その後、その春でK先生が違う中学へ移動することが決まった。
僕達にとっては、K先生一番相談ができ、ちゃんと叱ってくれ、野球のことを一人一人にしっかりと教えてくれた恩人だ。
そのK先生が去る際に僕達は号泣した。僕達も強くなるんだと決めたのだ。
N先生現る
その春、新しく転任してきた先生が部活の新しい顧問になることになった。
N先生であった。体もスラっとしていて、野球のジャンパーもサングラスも似合っている。実はN先生は沖縄出身らしい。
いかにも運動できそうだなという感じで、いかにも野球できそうな感じ。
おぉぉ、K先生の後の先生も良い感じの先生だな。良かった。
K先生の初日の部活、練習の途中から来た先生は、ノックバットを持ち数回素振りをする。そしてノックの立ち位置に入りボールを受け取る。
外野の一人「お願いします!」
先生がボールをあげて、バットを振るが空振り。
まぁまぁまぁ、アップは必要だし、最初空振ることなんてたまにあるしね。
二球目
外野の一人「お願いします!」
先生がまたボールをあげて、バットを振る、が空振り。
まぁまぁまぁまぁまぁまぁ、実際にノックで2回空振るか、ミスすることなきにしもあらずなので、切り替えて行こう。先生!
三球目 空振り。
三振?!
ノックで空振り三振?!しかも自分が上げた球で?
その瞬間、僕達の夏は終わったなと思った。
先生ありきではないが、これでは強いチームに勝てないと。
うーじの森で、先生、貴方と出会ってしまった。。。
練習後コーチが僕達を集め、全員が一列に整列する。
N先生が何やら紙を持ちながら、言った。
「ナンメイル?」
。。。
な、なんて?
「な、何メイル?」
え、
いやーぁぁ、5メイルくらい?
と全く新しいメイルという単位にみんなが一瞬硬直していると。
「31人です!」とキャプテンが答えた。
31人?俺たちの人数?うん?
「何名いる?」?! 「何名いる?」が「何メイル?」
ん?
「何メイル?」が「何名いる?」?!
どっちでもいいわ!
とにかく一瞬であの言葉を解読したキャプテンは、島唄検定5段だろう。
そして、皆さん、今、今ここで「オッケー?」とオッケーを疑問形で言ってみて欲しい。大体最後の「ケー?」が伸びて上がると思う。音の種類でいうと「どうしてー?」と似ていると思う。
では次に魚のほっけの「ほっけ」を言って欲しい。そう、「取手」などと似ていると思う。それがN先生の「オッケー?」です。
N先生が頻りに「おっけ」、「おっけ」と言うのでなんなのかと思っていたら数人のみ、「はい!」と返事をした。多分島唄検定2段くらいだろう。
ある公式戦の前、(相手は普通にやれば余裕で勝てる相手)
N先生が、「明日は、相手の実力関係なく、一点ずつ積み上げて、試合終わった後には、10−0、ナイスゲームって言えるようにな、ホッケ」
と言い、当日僕達は7−0で勝った。
三点足りないがこれは先生にとってナイスゲームじゃないかもしれない。と
思っていたら、N先生が話す時がきた。
一丁前にスコアブックを持ち、一旦スコアブックに目をやる。
「えー、7−0?。。。。。ナイスゲーム ホッケ」
ホッケが気になる。
そして三点足りなくてもナイスゲームなのだ!
そんなN先生とは少ししか時間は過ごさなかったが、僕達が一番笑った話は、僕達が卒業した後に、後輩がバスで遠くの中学と練習試合をする遠征で、朝早いバスにN先生が大寝坊をして、バスは先に行き、置いて行かれたらしい。
溢れ出る島んちゅの宝。
ちなみにN先生が来てから練習の質は確実に下がり、モチベーションを失った僕達は初戦敗退だった。うーじの下で千夜にさよなら。
全然ホッケじゃない!
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