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【開催報告1】ショートショートミュージアム みんなの言葉の美術館(第一回「アート作品を知る」)

(一社)学びの文庫・VIVITA JAPAN(株)が企画・運営する「ショートショートミュージアム みんなの言葉の美術館」は、2023年11月、12月にかけて、愛知芸術文化センター内のAICHI OPEN ART ATELIER(以下、AOAA)で、愛知県美術館所蔵の作品をテーマにショートショート(とても短いお話)を作成する全三回の講座です。なお、本講座は、愛知県施設活性化パイロット事業の一環で実施しています。

第一回「アート作品を知る」(2023年11月23日(木曜日・祝))は、愛知県美術館で作品を鑑賞しながら、学芸員からアートの見方を学びます。
第二回「ショートショートを作る」(2023年12月2日 (土曜日))は、作家の太田忠司先生と一緒に、前回鑑賞した作品をテーマにショートショートづくりに挑戦します。
第三回「作品の講評」(2023年12月26日(火曜日))は、太田先生から作品の講評、他の参加者がどんなお話を書いたか分かち合います。
作ったショートショートは、製本して各自にプレゼントし、AOAAにも2024年2月末まで展示されます。


本稿は、第一回「アート作品を知る」の開催報告です。

当日、小学生やその保護者、大学生等の計11名の参加がありました。愛知芸術文化センター地下2階のAOAAで、今回の趣旨を説明し、参加者が執筆するショートショートが製本されたイメージの共有や、参加者、講師の太田忠司先生、スタッフで、お互いに自己紹介をしました。

その後、同センター10階の愛知県美術館に移動して、学芸員の深山さんに「2023年度第3期コレクション展」の見どころを、約1時間にわたって解説いただきながら、講師を含めて全員でアート鑑賞をしました。

「2023年度第3期コレクション展」は、愛知県美術館が所蔵するコレクションをもとに、「正方形」や「『名品』はどこから来たのか?」等の企画からなる展示です。なお、当日は、あいちウィークにより、コレクション展の観覧料が無料でした。

今回、コレクション展の主な作品を鑑賞しつつ、ショートショートの執筆にあたっては、次の6つの作品から、参加者にテーマを選んでいただきました。ショートショートのテーマは1つでも、複数でも自由に決めることができます。

参加者は、ワークシート「アートを見て印象を書いてみよう」をもとに、学芸員さんの解説内容を整理しながら該当の作品に向き合って鑑賞していきます。深山さんは「何が描いてあるかな」「不思議に思ったことを教えてください」と参加者に問いかけながら解説を進め、絵にまつわるエピソード等も含める等、飽きさせない工夫がたくさんありました。参加者によると「学芸員さんの解説を聞きながら絵画を鑑賞するのは、初めての経験で楽しかった」とのことでした。

そして、アート鑑賞しつつ、各作品の気になったこと、違和感等の印象をメモしていきます。このメモが、次のショートショートを執筆していくうえで重要なポイントになります。

アート鑑賞後は、もう一度、AOAAに戻り、本講座の講師である太田忠司先生から物語を作りだす方法を教えていただきました。

「小説を書けば、皆さんはもう作家なんです」と太田先生。参加者には、自分のペンネームを考えてもらいつつ、早速、アート鑑賞で残したメモをもとに、ワークシート「アートから物語を作りだす方法」の流れに沿って、参加者それぞれが感じた印象を物語にしていきます。ただ、小説を書いた経験がない参加者も多く、物語にしていくきっかけを見つけることは一筋縄ではいかないようです。

太田先生は、ホワイトボードに'違和感'と書き、ある参加者に「今、おもいつく言葉を挙げてみて」と投げかけます。
「・・・、雲」
「お題をいただきました。では、雲はたべることができなく空高くあるけれど、雲を食べることができる世界で、空高くある雲をどうやって食べるのか」と、言葉から想像を広げて物語のきっかけを見つけていきます。
「へえ~」と、参加者は驚きながらも着想のヒントを得て、また筆が進んでいるようでした。

その後も、太田先生は、参加者の「わからないこと」「難しい」に寄り添いながら、自由に発想を広げ、きっかけを見つけるお手伝いをしていました。

参加者が、ワークシートを埋めたところで、第一回は終了です。

次回は、いよいよ、今回の内容をもとに、ショートショートを作っていきます。

関連リンク

【開催報告2】ショートショートミュージアム みんなの言葉の美術館(第二回「ショートショートを作る」)

【開催報告3】ショートショートミュージアム みんなの言葉の美術館(第三回「作品の講評」)

講師 太田忠司先生 プロフィール
1959年、名古屋生まれ。
1981年、名古屋工業大学在学中に星新一ショートショート・コンテストに応募した『帰郷』が優秀作に選ばれる。
1990年、初の著作『僕の殺人』刊行。サラリーマン生活を終え作家専業となる。
2005年、『黄金蝶ひとり』で、うつのみやこども賞受賞。
2022年、『麻倉玲一は信頼できない語り手』で、徳間文庫大賞受賞。
著作に『月光亭事件』『ミステリなふたり』『奇談蒐集家』『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』他多数。