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講師道

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講師のプロフェッショナルとして10年以上にわたって20,000名を超える人材を育成してきたノウハウを書いています。 講師として登壇される方にお届けします。
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2020年11月の記事一覧

講師道 #23|言葉につまったとき 〜答は沈黙〜

人間、生きていればド忘れして言葉が飛んでしまうこともあります。日常会話であれば笑い飛ばせる話ですが、セミナー中の講師にとっては恐怖以外の何物でもありません。 ド忘れを100%防ぐことは不可能です。何百回、何千回と登壇した講師にもそれは起こりえます。でも大丈夫、そんなときは息をゆっくり吐いてゆっくり吸って、一度落ち着きましょう。そして、ド忘れは起こり得るものだと覚悟するのです。 そんなとき、どうすればいいか。①か②でお答えください。 ① お客様の前で必死にレジメを見返し、「

講師道 #22|テンション 〜緩急自在〜

「あたしのこと愛するようになるまでこの会場を出さないわ。絶対に!愛させてみせる!さもないと…延長してしまうかも…」 愛しいお客様と同じ空間で時を過ごせる贅沢、テンションが高くなるのも分かります。しかし、注意してください。煮えたぎる情熱を一方的にぶつけては、甘美な時間も台無しになってしまいます。 恋とセミナーは情熱の駆け引きです。今回はテンションについてお話します。 1.ハイテンションは続かない「講師に必要なものは熱意だ」と言い張る筆者ですが、ハイテンションをずっと維持す

講師道 #21|指示出し 〜講演におけるナビゲーション〜

「レジメはスタッフが準備しよう ワークシートもスタッフが配布しよう ホワイトボードを設置してポストイットを並べ 時計もスタッフが揃えよう だが 指示を出すのは講師の決意だ さあどうする命令を!!」 セミナーや研修の進行上、講師からお客様に指示を出すことがあります。「お客様に指示だなんてなんて畏れ多い!」と萎縮するかもしれません。しかし、セミナーの目的はあくまでお客様の成長。そのための指示であれば講師は毅然としてやってのけるべきなのです。 今日は、指示出しについてのお話です

講師道 #20|場づくり 〜感覚を刺激する仕掛けづくり〜

「(このグループ、)キンキンに冷えてやがるっ‥‥‥‥!」 主にワークショップでは、お客様同士がグループとなって共通の成果物をつくることが多いです。その際に重要となるのは、お客様同士の会話や協働が進みやすい空気をつくること、つまり場づくりです。冷え切った場はアウツ‥! 場づくりの立役者はファシリテーターです。ファシリテーターは五感を研ぎ澄ませて場や人の空気を読み、セミナーの目的と本人のスタンスに合わせた介入を図ります。これは経験と鍛錬を重ねてたどり着く領域であり、もはや職人