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講師道 #23|言葉につまったとき 〜答は沈黙〜

人間、生きていればド忘れして言葉が飛んでしまうこともあります。日常会話であれば笑い飛ばせる話ですが、セミナー中の講師にとっては恐怖以外の何物でもありません。

ド忘れを100%防ぐことは不可能です。何百回、何千回と登壇した講師にもそれは起こりえます。でも大丈夫、そんなときは息をゆっくり吐いてゆっくり吸って、一度落ち着きましょう。そして、ド忘れは起こり得るものだと覚悟するのです。

そんなとき、どうすればいいか。①か②でお答えください。
① お客様の前で必死にレジメを見返し、「えー・・・」と言葉をつなぐ
② いきなり話を切って、休憩時間まで雑談で場をもたせる

・・・その通り、答えは「沈黙」です。
今日は「言葉につまったとき」どのように対処すればいいかお話します。

1.沈黙に耐える勇気

先に大事な事実をお伝えします。講師が話す内容をド忘れし話につまったとしても、お客様ほとんどそのことを気にしません。お客様にとってそのセミナーは人生初となり、本来はどんなセミナーか知るよしもないのです。さらに言えば、お客様にとって講師が言葉につまろうが取るに足らないことなのです。

慌てふためき、「えー」「あのー」「そのー」を連発してしまうと逆にお客様を心配させてしまいます。深呼吸して悠然と、自信たっぷりに「しばらくお待ちください」と言い放ってもいいくらいです。沈黙に耐える勇気を持つことが大切なのです。沈黙を受け入れることは「大した問題ではない」とお客様にアピールすることと同義なのです。

.堂々とリカバリーする

ド忘れを完全に防ぐことは不可能です。そのため、そうなったときのリカバリー策を頭の片隅においておきましょう。やるべきことは「早く思い出す」「お客様の不安を極力減らす」ことです。

早く思い出すために使えるツールは、やはりレジメでしょう。よっぽどセミナーから離れた雑談でも限り、レジメを振り返れば復旧できるはずです。
レジメを確認し、頭の中で話の展開を振り返りましょう。単語だけ思い出そうとすると沼にハマります。度胸があればですが、堂々とレジメをさかのぼって講義しても構いません。
# 5 話す内容の覚え方もあわせて振り返っておきましょう。話の流れを手繰り寄せれば、思い出すスピードはグッと高まります。)

そして繰り返しになりますが、その動作は堂々と行ってください。沈黙に耐え、ゆったりと、微笑みかけるくらいの余裕をもって。お客様の安心は、講師が見せる余裕によって保証されるものなのです。

3.おわりに

私達セミナー講師の目的は言い淀みなく話すことではありません。そのことを意識して、堂々と構えましょう。

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