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講師道 #21|指示出し 〜講演におけるナビゲーション〜

「レジメはスタッフが準備しよう ワークシートもスタッフが配布しよう
ホワイトボードを設置してポストイットを並べ 時計もスタッフが揃えよう だが
指示を出すのは講師の決意だ さあどうする命令を!!」

セミナーや研修の進行上、講師からお客様に指示を出すことがあります。「お客様に指示だなんてなんて畏れ多い!」と萎縮するかもしれません。しかし、セミナーの目的はあくまでお客様の成長。そのための指示であれば講師は毅然としてやってのけるべきなのです。

今日は、指示出しについてのお話です。

1.指示出しは「ご案内」である

まずは、セミナー中に指示出しする場面はどれほどあるか確認しましょう。講師・お客様は意識してませんが、ほとんどの場面で指示によって動いています。
「お客様はどこに座るかの指示」「配布資料の確認指示」「ページをめくる指示」「休憩場所の指示」・・・そうです。「指示」は「案内」とも呼ぶことができます。

うまくやれば講師は、指示ではなく「ご案内」することでお客様に自発的に動いていただけるようになります。

2.「目的」「動機」を常に意識付ける

お客様にスムーズに、そして自発的に動いていただくには、お客様がなぜ動かねばならないのかという「目的」「動機」を提示すると良いでしょう。

たとえば、ページをめくる動作ひとつとっても
「15ページを開いてください」よりは
なぜ、◯◯が起こるのか次のページで確認しましょう。15ページを開いてください」
としたほうが、スムーズに手が動くはずです。

また、お客様・講師の一体感を出す言葉遣いも有効でしょう。たとえば
私達は◯◯したいので、この演習に(一緒に)取り組みましょう
といったように。この小さな言葉遣いの積み重ねで、気づかぬうちに同じ目的を持って突き進む同志となり得ます。

ハンズオンの指示出しについては # 9 の「ハンズオンの進行」もご参照ください。

3.演習・グループワークでの指示出し

講師の指示出しで最も難しいのが演習・グループワークでしょう。大雑把すぎても、具体的に細々指示しぎるのもよろしくありません。お客様の理解度のバラツキにもよるので、講義時間にお客様の様子を観察しながら粒度にあたりを付けておきましょう。以下の点を伝えるようにすれば抜け漏れは少ないと思うので参考にしてください。
・誰がするか(一人?グループ?)
・何をするか(具体的に、手順含む)
・何分するか(何分までするか)
・どこでするか(テーブルで議論?ホワイトボードに整理?)
・ワーク中の休憩の有無(休憩含むか、演習とは別でとるか)
・アウトプットイメージ
・発表の有無

また、粒度に関わらず、必ず意識していただきたいことは、ワーク中にお客様間で認識がズレないように指示を出すことです。そのために、指示は口頭だけに留めず、スクリーンなど常にお客様から見えるところに提示しましょう。
・ワークのタイムテーブル
・テキスト、ワークシートの該当箇所、参考ページ
・アウトプットイメージ

4.おわりに

お客様にスムーズご受講いただけるよう、講師の指示出しは重要な役割を担っています。お客様が見えているものを観察し、適切な指示出しを心がけましょう。

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