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10代とトリセツをつくる通年授業 〜きみトリ ✖️ ラーンネット・グローバルスクール

きみトリプロジェクトの舟之川聖子です。

プロジェクトでは、書籍『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』の出版後、大人との読書会、上映対話会、トークライブなど様々な場をつくってきましたが、いよいよ10代とのワークショップに取り組んでいきます。

「"自分のトリセツをつくって生きる"というアイディアを手渡したい!」との思いで出版したこの本を使って、「わたしたちのトリセツ」をシェアし、対話しながら、「きみの社会のトリセツ」づくりに挑戦してもらいます。

きみトリメンバーは、ここ最近、10代の人たちとの交流の機会を持つ中で、「子どもたちは、大人との対等な対話をもっと必要としている」と実感しています。普段すれ違うだけでは一括りに見えている「大人たち」とも、対等な対話の場で出会うと、一人ひとり違っていることに気づくのでしょう。生活や経験や関心の全く違う大人との対話を通して、子ども同士のかかわりだけでは得られない広がりや、社会の複雑さに関心を寄せる様子がうかがえます。

そんな子どもたちを見ていると、わたしたちは、「子どもたちからもっと学びたい、子どもたちともっと一緒につくりたい」という気持ちが湧いています。本当にみんなを幸せにするルール、挑戦する機会、安心できる場所、やりたいことを実現するために必要な物......なんでも!一緒につくりたい!子どもたちの存在自体が、わたしたちの学び。子どもたちが今、必要としている学びのきっかけをそっと手渡すような、やりたいことを具体的に応援できるような大人でありたい。そんな思いが強くなってきました。

そんな経験を経て、プロジェクトとしてやりたいのは、まずは学校、学びの場、地域など、子ども達が所属し、生活している場に入っていくこと。わたしたちが『きみトリ』のプログラムを携えた「外部人材」として関わる機会をつくることです。

前置きが長くなりましたが、このような流れで、今回、神戸にあるオルタナティブスクール、ラーンネット・グローバルスクールとコラボレーションすることになりました。小学1年生から小学6年生までが、六甲の山頂へ毎日通って学ぶ、フルタイムスクールでの授業をきみトリのメンバーが担当します。
http://www.l-net.com/fullschool/ 

きっかけは、今年3月に、5、6年生の「思春期クラス」に単発で入らせていただいたことから。レポートはこちら。

ラーンネットでは、子どもたちの主体性や対話を重視し、「自分の内側」をとことん伸ばし、社会に繋がっていくための探究の学びの場を運営されています。教科スタイルでの学びだけでなく、横断的なことを探究する学びもあります。

「思春期クラス」は年間に数回行われており、身体と心、性や命、自分が今持っているものに目を向け、感受性を育むためのテーマを毎回取り上げています。

わたしたちは、この5~6年生の思春期クラスに、再び、しかも年間で関わらせていただくことになりました。継続的な学びと成長を子どもたちと共に重ねていきたいという思いから、単発のワークショップではなく、年間の授業として提案し、相談しながら進めています。

プログラムでは、『きみトリ』の著者が、それぞれの専門性と個性を発揮することで、「生きるということにはさまざまなテーマが散りばめられていて、さらにテーマ同士はなんらかの形でつながっており、人によって探究の仕方もいろいろある」ということを実感と共に受け取ってもらうことを目指しています。

具体的なプログラムは以下の通りです。
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【1学期】第1章「あなたの心と体のこと」から、
    「同意」稲葉麻由美
【2学期】第2章「あなたと誰かの関係性」から、    
    「聴く」高橋ライチ

【3学期】第3章「あなたと社会の関係性」から、
    「鑑賞」舟之川聖子

note用スケジュール

各講師が、それぞれ2回の授業を担当します。
前半:ワークと対話。
後半:ワークのテーマ(例「同意」)についての自分なりのトリセツか、または、各学期の大テーマ(例「あなたの心と身体のこと」)にまつわる「〇〇のトリセツ」の制作と発表会。
2回の授業の間の期間:日々の生活の中で、子どもたちの気づきをキャッチしたラーンネットのナビゲータに、さらに対話を深めていただきます。

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ラーンネットでは、子どもを指導するスタッフは「先生」ではなく「ナビゲータ」と呼ばれていて、教員免許の有無によらず、幅広く多彩な学習を提案し、子どもの主体的な学びを促せる人が現場に入っています。

このナビゲーターと保護者の方々の協働が、ラーンネットの学びを支える土台の一つになっています。スクールにとっても、保護者の皆さんにとっても、今回のように、外部講師が通年の授業で入るのは初めての経験とのことでしたので、オンライン保護者会にもお邪魔して、お話させていただきました。

わたしたちから、
「決まった型をそのまま流し込むのではなく、その場で起こることを大切に、やり取りしながらお互いに学び合う関係をつくっていきたい」
「保護者のみなさんにも資料を共有し、家庭でも対話のきっかけとしてもらえたらさらにうれしい」
とお伝えしたところ、

保護者の皆さんから、
「プログラムが通年なのがよい」
「思春期クラスを対話的に進めるのが、ラーンネットらしくていい」
「外部の方とも関係性を作りながら進めることで、子どもたちの周りに置く『点』の数が増えるイメージが湧いている。子どもたちを取り巻く世界の網目が、いろんな表現によって、より複雑に厚みを持って広がっていきそう」
などのお声をいただきました。ありがたいことです。

ラーンネットは、日頃から対話的で創造的な場づくりをされていますが、それでも扱ったことのないテーマや、使ったことのない手法に、この授業で出会えるかもしれません。「たとえ同じテーマであっても、"いつも一緒にいるナビゲーター" とは違う大人から聞く言葉やかかわりが、子どもたちによき影響を与えるだろう」、そんな期待をスクールからも家庭からも寄せていただいていると感じました。また、「子どもたちはどんなものでも受けとめ、考え、学びとろうとする力をもっている」という、深い愛と信頼、サポートの姿勢も心に残りました。

スクール、家庭、それらの外にいる大人。三者がともに学びながら、この授業を子どもたちと成長する機会にすべく、取り組んでいきます。

この一年のラーンネットの皆さんとの対話の日々を、心から楽しみにしています。


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きみトリプロジェクトでは、こうした継続的な学びの場を、学校、学童、居場所、コミュニティなどの方々と一緒につくります。まずは単発からの実施も可能です。プログラムにご興味を持たれた方はぜひ、ご連絡ください。
書籍購入の際は、コミュニティ単位で注文をとりまとめていただくと、割引価格での頒布も可能です。もちろん購入しなくても授業の実施は可能です。

お問い合わせ
きみトリプロジェクト
Eメール:kimitori2020★gmail.com(★→@)
ポータルサイト:https://kimitori.mystrikingly.com/
書籍購入:https://www.amazon.co.jp/dp/4866933283/




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