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君は「研究者」になれるか?現代史も紐解き、何か夢中になろう

本日は、本の紹介や現代史も兼ねて研究者について解説します。

■自分はどっちの方?になるだろうか

研究者はどちらでしょうか?
お分かりだと思いますが、「スペシャリスト」です。

でも研究者気質の方は弁護士、会計士のような何も「この専門性を極めよう」と思ってスペシャリストになるわけではなく、ある事象に対して「何でああなるのか?」を追求して結果、その「スペシャリスト」になります。

◾️研究者は「何を」追求するのか⁈
研究者気質は例えば、「何故鳥は鳥の巣を作るのだろう」と考え続けます。

日常でそんなことしてたら「飽きちゃう」と思いますが、研究者は原因を究明します。

そんな「夢中になれるものができる」のが研究者になれる気質でしょうか⁈

◾️mRNAの基礎研究にて有名になった研究者

新型コロナウイルスの抗体ワクチンで一躍脚光を浴びた「カタリンカリコ」氏。



2年前の池上彰氏の講演会に出席した時にこのmRNAについて分かりやすく解説がありましたが当時はどれくらいすごいのか分かりませんでした。

今になって「人には歴史あり」が分かり感銘を受けています。

私なりに紹介しようと思います。

彼女はまさに「研究者」気質のスペシャリストです。その経歴を見ていきましょう。

◾️カタリンカリコ氏の人生
彼女は、mRNA(mRNAの説明は後ほど)を生涯かけて研究しています。

mRNAはワクチンのみならずあらゆる病気や感染症を防ぐ、治癒出来る可能性を秘めています。

しかし、いざ人間に投与すると炎症反応やmRNA抗体が死滅してしまいます。

この壁を越えられず研究者たちは途中で研究を断念していました。

カリコ氏はあらゆる挫折を経験さながらも壁を越えてmRNAコロナワクチンの完成に貢献しています。

旧ハンガリーというのは、以前ソ連の社会主義体制に置かれており、自由に研究する環境ではありませんでした。

共産主義は社会主義の大元みたいな仕組み


経済状況も悪く大学では研究は打ち切り。博士号は剥奪。

それでも研究を諦めずにアメリカの大学へ渡米することに。

渡米するにあたり、当時のハンガリーは持ち出し100ドルまでと決められており、資金が足りないと娘のテディベアに追加資金を忍び込ませて家族と渡米。

アメリカのテンプル大学で研究を始めるも大学でも研究の功績に対して教授が妬み上手くいかず退学。それでも研究を続けたいと思い、ペンシルベニア大学で研究します。

研究を続けた結果、人間に投与でき、死滅しないmRNAを生成できることに至りました。

このmRNAを利用したワクチンは通常のワクチンより95%の高い有効率を持つようです。

よくあるインフルエンザワクチンは有効率がひどいと30〜40%と言われており、比較すれば有効性は一目瞭然です。

ノーベル賞を受賞しハンガリーではカタリンカリコ氏の絵が描いた旗があるそうです。

◾️mRNAって何⁈
mRNAは、コロナウイルスを作るための「設計図」を体内に届けます。(メッセンジャーと呼ばれる所以)

体内はその設計図をもとに実際にコロナウイルスが体内に入ってきた際に連想して撃退します。

通常ワクチンは「このウイルスが入ってきた」とあらかじめ決めておくため、「違う株のウイルスが入ってきたら連想させる」ことが難しかったのですがこのmRNAによって可能となりました。

さらに免疫細胞を活性化させます。

従来のワクチンはB細胞しかなく、キラーT細胞、樹状細胞、ヘルパーT細胞はありませんでした。


mRNAはそれらの免疫細胞を活性化させ防御機能をUPさせます。

◾️日本はワクチン開発に出遅れた
日本は基礎研究の予算は低調に推移しており、また保健所の数も年々減少させ、今回の未曾有な危機の交通整理に多大な時間を要してしまいました。

引用:https://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/pdf/29pamphlet.pdf
引用:http://www.phcd.jp/03/HCsuii/

アメリカはワクチンを開発するのにコロナ流行から2年足らずであり、日本はそのほぼ倍の4年かかっています。

このスピード感はとてつもない差ですね。

一般人だと気づかない研究者の人生にはドラマがあるのですね。


参考文献:世界を救うmRNAワクチンの開発者カタリン・カリコ
     増田ユリア


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