意外と知らない?トヨタ自動車の弱点

トヨタの弱み

①莫大な固定資産

トヨタは世界中に工場を保有し、グループ全体での従業員数も膨大です。スケールメリットを活かすために、企業拡大の過程で設備投資に注力してきました。

その結果として、莫大な固定資産が存在します。
大きな工場を複数作り、製品や部品を標準化することで生産効率が良くなります。
一方、外部環境の変化が激しい状況では、これまで作っていた部品や製品が不要になることがあります。

例えば、ガソリン車からEV車に一気に変化する際は使用する部品数が大きく変化します。すでに莫大な固定資産を築いている場合、どうしても気軽な経営方針の転換は困難です。

②広告費

莫大な資金力を背景に、強みとしても考えられる広告費をここでは弱みとして記載します。
皆さんもトヨタの広告について、記憶にいくつかあるのではないでしょうか。

新車を販売する際は、必ずと言ってよいほど、「かっこいい」CMを流していますよね。
トヨタは大手広告代理店と組んで莫大な金額を広告費に充てています。

これはトヨタにとって、広告費は売り上げを伸ばすためにある種仕方ない費用です。

一方で、時価総額1位のテスラは広告費に費用をかけていません。

この理由は、テスラが優れたサービスとブランディング力・商品販売プロセスを有しているためです。

特にSNS力を有効活用しています。イーロン・マスクCEOはTwitterのフォロワーが6000万人弱おり、異次元の広告効果を持ちます。

テスラ社やCEO自身のブランド価値により代理店を使用せずに、顧客を自社サイトに流入させることができるのです。

特にテスラのターゲット層はデジタルリテラシーが高く、テスラのマーケティング戦略が効果を出しています。
このような点もテスラがトヨタの時価総額を抜いた要因といえるでしょう。

③EV化をすすめることができなかった

皆さんは、トヨタが水素自動車に力を入れていることをご存知でしょうか。

FCV(燃料電池自動車)と呼ばれる車で、主に水素やエタノールで走行します。

FCVはCO2を排出せず、1度の補給が数分で、かつ数百キロ走行可能という魅力的な特長を有しており、以前から注目を集めていました。

しかし以下の観点から、FCVの購入台数を増やすことができずに、苦戦しています。
・車体価格が高い
・水素ステーションが不足している

トヨタがFCVに注力している間、テスラをはじめとするEVメーカーが台頭してきました。
トヨタがEVシフトの流れに乗り切れなかったことを経営戦略の失敗であるとする論調もあります。

しかし、トヨタがEV化に踏み切れない現実は、国の政策も関係しています。


豊田社長が、EV化をすすめるためには国内の発電能力を10〜15%(原発なら十基、火力発電所なら二十基の増設に相当)引き上げる必要があることを指摘し、メディアの報道姿勢に注文をつけていました。

つまり現状の国内の発電設備では、トヨタはEV化に舵をきることができず、国の政策による協力がなければ国内のEVシフトは困難な状況なのです。

④雇用を守る責任

トヨタがEV化に一気に踏み切れない理由はエネルギー政策だけではありません。
その理由は、EVではガソリン車で使用されていた精密部品の多くが不要になることで、それらを製造するメーカ-が不要になるためです。
つまり膨大な雇用が喪失されます。

そもそも自動車産業はすそ野が広く、部品点数が半減すると言われるEV生産が主流となれば、雇用の崩壊に起因する産業構造の崩壊が起こり、社会問題になります。

トヨタグループの雇用者数では連結で35万人程度ですが、日本の自動車産業では500万人以上の雇用があります。

EV化で部品数が半減し、100~250万人以上の雇用がなくなるとなれば、一企業の問題ではなく、国全体の問題となります。

そのため、トヨタは1企業の立場でありながら、産業全体や国のことを考え、思い切った改革をすすめることができない状況にあるのです。

まとめ

これまでお話してきた内容はすべて前提知識です。就活を行う上では、ネットの情報ではなく、さらに深い情報を収集して、企業選択に活かす必要があります。
ぜひ、OB訪問や企業説明会、インターンを通じてさらなる業界研究を進めていきましょう。

トヨタの強みについて

トヨタの強みについては上記記事で詳しく解説しています。トヨタ自動車に興味がある方はぜひご確認をよろしくお願いします。

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