「熱狂」が「文化」になるまで。 #Jリーグの日
昨日5/15は #Jリーグの日 でした。
今年30年目のシーズンを迎えたJリーグですが、
私が清水エスパルスを応援し始めたのが、確か2005年頃だったので、
私の「サポーター歴」も、もう15年を超えるまでになりました。
もちろん、私以上に歴が長い人なんていくらでもいるわけですが、
そんな私ですらJリーグの歴史の半分を見ているのか、と思うと、
否応なく、時の流れの速さを感じさせられます…。
30年目のシーズンという節目の年を迎えるにあたって、
様々な関連番組や特集などが組まれていたのですが、
そういった番組で流れる、開幕当時のJリーグの様子を見てみると、
本当にものすごい熱気・熱狂で。
フェイスペイントに鳴り物を携えて街を練り歩く人たち、
練習場や空港、選手の移動する先々にまで及ぶ人だかりーー
スタジアムの中も外も、一種の「お祭り騒ぎ」というか、
本当に「社会現象」になっていたのだな、ということを強く感じます。
あの頃のような、世の中全体を巻き込むような「熱狂」は、もう二度と訪れないのかもしれない。
(あるとすれば、いつの日か、日本代表がワールドカップを制したとき、ぐらいかなあ…?)
でも、それは何もネガティブなことではなくて、
刹那的に消費される「興奮」「熱狂」ではなく、
多くの人の、街の、日々の暮らしの中に染み込んでいる「文化」として、
成熟してきた、定着した、ということなのではないか。
一サポーターとして、今のスタジアムの光景に触れて改めて思うことです。
刹那的に盛り上がる「熱狂」は、いつか冷めてしまうから。
その「ブーム」が去った後でも、30年という歴史が積み上がって、多くの街で「Jクラブがある毎日」は日常になった。
J1で優勝争いするチームだけでなく、J3で頑張る小さな地方クラブにも、今やたくさんのサポーターがいる。すごい素敵なことですよね…!
もちろん、黙っていても人はみんなひとつずつ年をとっていき、
去年スタジアムに足を運んでいた人の一定数は、足を運ばなく、運べなくなっていく。
常に新しいファン、サポーターを増やしていかなければ、たちまち縮小均衡に陥ってしまうのは自明だから、
リーグも各クラブも様々な取り組みを行っていて、
最近でいうと、VTuberグループ「にじさんじ」とのコラボもそのひとつ。
幸い、エスパルスではかなり好意的に受け入れられていて、
お互いのファンが尊重し合う、素敵な関係性ができているように感じます。
Jリーグという世界にあるものは、決して「歓喜」だけでない。
悲しみや苦しさ、そういったものも分かち合って、ともに進んでいく、
そんな街やサポーター、ひとつひとつの存在が、有形無形、様々な形で私たちの暮らしを彩りあるものにしてくれるのだろうし、
きっとJリーグという存在・歩みは、BリーグやWEリーグ、リーグワンなど、後発のプロスポーツにも波及しているはずで。
Jリーグだけでは58チームしかないけれど、地域とともに歩むプロスポーツクラブは、ほかの競技も含めれば、もうとっくに100を超えている。
何の心配もなくスタジアムに足を運んだり、
全力の歓声・チャントで選手たちに応援を届けたり。
そういった、以前は当たり前にできていたことが、依然として叶わない状況のまま、30年目のシーズンを迎えてしまったことには、もちろんもどかしさを感じざるを得ないけれど、
それでも、今できる形で、今できる範囲で、チームに心を寄せていく。
これからも、末永く応援していきたい、大事な「習慣」のひとつです。