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飲んでも呑まれない。〜自分の感情は自分自身でコントロール〜

私の母方の祖母が亡くなったと先日つぶやいた。



100歳近かった祖母は数年前から認知症を患っていて、昨年からは特別養護老人ホームへ入居をしていた。


私はというとこの数年間は、統合失調症の母高次脳機能障害をもつ父などの実家の方の対応に追われ、母方の祖母とは距離があった。



とはいっても祖母が暮らしていた家や、祖母の入居していた老人ホームは、私の自宅からは二時間以内位で行ける距離感(関東圏)にはあって。

今回祖母が老衰のため死期が近そうだ、という連絡を受けた私は、すぐに私の叔母(私の母のすぐ上の姉)と二人で祖母の施設へと向かった。



そうして祖母がまだ息をしているうちに私達が会うことが出来た次の日の明け方、祖母は静かに旅立っていった。



生前の祖母に最後に会った親族となった私と叔母は、「きっとおばあちゃん、私たちに会えて安心して逝ったんじゃないかね?」と話をした。



祖母は、四人の子を持つ母だった。
その子供たちのいちばん末っ子が私の母だ。



祖母は認知症になってしまう数年前、まだ難なく人と会話を交わせていた頃に、統合失調症という持病をもつ私の母(祖母にとっては娘)のことをとても心配していたことを思い出す。

「〇〇子(私の母)は末っ子だからね。
私が甘やかして育ててしまったせいもあるのか、根が弱い子なのよ。」


ばあちゃんはその時、私にそう言った。



う~ん………

ちょっとわかる。


母の娘である私も思った。



私自身は一人っ子ということもあって、しかも両親が病を抱えている、ということもあって常に
「私自身が強くなってどうにかするしかない!
親族間の取りまとめ役、仲介役は私がやるしかない!」という立場や、気持ちを抱えながら生きて来た。



私が、やるしかなかった。
他にやれる人がいないのだから。



でもそのお陰様もあってなのか何なのか、私をよく知る近しい人物には「あなたは、ぽんこつポイントがあり過ぎる」と言われつつも、基本的には精神的に自分以外の誰にも寄りかかることなく生きる、というベースがほんの少しずつ確立されて来た…?というのもあるのかもしれない。



そんな私からすると私の母は、やさし過ぎるそして素直過ぎる、自分自身に甘過ぎる、そう思っていた。私も人のことはまだまだ言えないけれど。




だからというか何と言うか、亡くなる間際の祖母に向かって私はこう言った。

「あなたの娘の〇〇子(私の母)は、今とても元気に暮らしてますよ。元気になったんです!だからもう安心して、おばあちゃん。◯◯子には私がついてるから。」


祖母の左手を握りながら。






そんなこんながあった後、祖母の施設からの帰りの車の中での叔母との会話が印象的だったので、今日はこうして文章にしておこうと思った。



今回私と共に祖母の施設へと同行した私の叔母は、女でひとつで娘を育て、自分自身で不動産系のごくごく小さな会社を経営している、やり手の叔母だ。



繊細で底知れぬ優しさをもつ私の母と姉妹とは思えないほど叔母は、自信とエネルギーに漲って生きていて、現在も会社経営をしつつ悠々自適に60代の人生を謳歌している。私にとっての憧れの女性だ。



そんな叔母は、私の母よりもむしろその娘の私との方が波長が合ったのか、昔っから叔母は姪っ子の私のことをとても可愛がってくれていた。



私もどちらかというとそうなのかもしれないけれど、叔母もめっちゃよく喋る。喋り倒す。笑

そんな叔母が運転をしながら話してくれた。


「私はね、マナヒロ。仕事が仕事なだけに男社会の中で生きて来たけどね、やっぱり呑まれてしまっては駄目よ。何事にもね。だけど傲慢にはならずに、時には女性らしく。謙虚でもいないとね。」

by叔母


波乱万丈人生を生きて来てそう語る叔母の横顔には、神々しさすら覚えた私だった。

「ふっ………ふけ~な(深いな)………

さすが叔母の発言は………」



私は助手席で一人感化されていた。



「酒は飲んでも吞まれるな」ではないけれど。

波乱万丈人生を歩んで来た叔母が私に言いたかったのは、不安や、関わる相手のもつエネルギーや迫力やそれら様々なことを感じて、考えるきっかけとするくらいなら良い。だけど、決してそれに呑まれてしまってはダメ。

お酒や恋愛やそれらの刺激的なことにも、同じことが言えるよ。



そういうことだったのではないだろうか……?
と、私は解釈をしてみた。


この出来事には今回、また改めて考えさせられるものがあった。



飲んでも呑まれない………

自分の感情は、自分自身でコントロール。




ここまで読んでくださってありがとうございました。




記事を読んでいただきありがとうございます☺️これからも真摯に文章を書くことを追求して行きます。よろしくお願いいたします!