210.会社に求める万人の真の声、必要不可欠の需要に耳を傾けて万全の準備を
会社は世間の需要に応えるというのが社会的意義だと言えます。こういったものが欲しい、このようなものがあればいいという個の理想を叶えていくために知識や労働力が集まったもの、それが企業だと言えます。
ただそれだけではなくさらにその上、社会に「必要を供給する」というところまで到達することを目標とできれば、企業価値はぐんと高まります。新たな必要を創出するというのは、世間のお困りごとを発見し解決するという困難な作業が求められるからです。
私たちが常識的に発想するもののほとんどは、先人たちが開拓して形にしてくれたものだと言えます。ここに新たな必要を生み出すというのは、並大抵のことではありません。
なぜなら対象を特定し“抽象化”したうえでまた具体的なものに落とし込む必要がある、つまり本質を様々な観点から見つめ直し再構築する作業が求められるからです。そのためには“ラテラルシンキング”が必要になります。
ラテラルシンキングはマルタ共和国の医師、エドワード・デボノ氏により提唱されました。氏は従来の論理的思考や分析的思考を「垂直思考」と位置づけ、理論を深めることには適しているものの斬新な発想には繋がりにくいとしました。
これに対して多角的な視点から物事を検証し、既存の概念にとらわれない発想を「水平思考」と位置づけ、前提そのものを疑うことで解決策を見出す思考法ラテラルシンキングを提唱しています。この発想が無ければなかなか新たな必要まで到達できません。
しかしそれは会社内部の中で意見を出し合えば、という“条件付き”ならの話です。真の必要は会社に求める万人の声から拾い上げることで見出すことが可能になると言えます。企業の本質は世間のお困りごとだけでなく、必要に応えるという大前提に立ち返ること。そこから見えてくる世界もあるでしょう。
必要不可欠の需要に耳を傾けてあれば、新たな価値を創出する上で万全の準備を整えることができるのです。
Q.あなたは物事を疑ってかかることで新たな発見をしたことはありますか? アンケートなど意見を拾い上げることの重要性は何でしょう。