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ライターのポートフォリオ、編集者が見ているのは

クラウドソーシングサイトも一般的になり、ライターとして多くの方が作成するようになってきた「ポートフォリオ」。クライアントの立場から何を見ているの?という点についてご質問いただきましたので、答えます!


ライターを採用する際、ポートフォリオのどこに注目しますか?評価が高くなるポイントを教えていただきたいです。

ありがとうございます。評価が高くなるポイント…でいうと、結構難しいな!と思ってしまいましたwその時々の媒体の状況や、求める人物像によって違ってしまいそうで…。

ちょっとダイレクトに答えられず申し訳ないのですが、個人的に心掛けているのは大きく、以下の4つ。そのうえで、「その瞬間のニーズに合ったスキルを持っているかどうか」を意識しています。

①経験の幅

これは要するにその方にどのくらいのレパートリーがあるのかを、次みたいな軸で見ています。

▼ノウハウ記事、取材記事、コラム記事など、これまでどういう形式のコンテンツに携わってきたか
▼WEBと紙、どちらに経歴の比重があるか
▼(ウェブの場合)SNS、SEO、メルマガなど、どういうチャネルが主戦場のメディアでやってきたか
▼文体として、柔らかいものが多いのか、比較的硬派なものが多いのか
など

これらの作成手法の「使い分け」ができる人なのか、あるいはどこか一点突破している人なのかどうかは、その人の個性なので優劣はありません。その時媒体に必要な個性と、マッチするかという視点で見ています。

②経験の深さ

要するに業界知識、でしょうか。
書いて欲しい記事のテーマについて、どの程度深くまで知っていて、専門的なことをお願いできそうかというのもよく見ています。

一般の人~専門家に至るまで、どのくらいの読者像を相手にする内容であればお願いできそうかというのは、過去に手掛けてきたコンテンツから判断しやすいこともあって、意識的に見ています。

③対応できる「仕事の幅」


要するに、「記事を書くところだけをお願いできる人」なのか。企画も立てられるのか。
あるいは、写真撮影、グラフの作成、アンケートデータの整形などもお願いできうるのか、など。
「記事がつくれます」といったときに、どこからどこまでできるのかはかなり個人差がありますし、実際に仕事を依頼するときにかなりフローに影響を与えるので、結構意識します。

ただ、わざわざポートフォリオに「カメラは撮影できません」とか、「できないこと」を書く人っていないので、この辺はやり取りしながら確かめる感じにはなりがちですが。

④文章能力


4点目は文章能力で、「そりゃそうだろ」みたいな話ではあるものの、これが意外とポートフォリオだけだと判断難しいんですよね。。
過去の掲載実績を見ても、その記事って往々にして編集の手が加わっていたりもするので、地の執筆力の判断には今一歩だったりもしますし、たとえ経験年数が凄く長くても、ウェブの記事は慣れていなかったり、思っているより・・・・・・みたいなこともあったりなかったり。あったり

noteみたいに個人的な発信で、編集者の手が入っていないであろうものがあれば多少は参考になるかもしれませんが、noteの記事と媒体に載せる記事って、テイストがかなり違ったりもするし…。そういうわけで、テストライティングを課す媒体が多いんでしょうね。

ただ、文章表現を事前に評価するのってそれだけ難しいので、「ポートフォリオの中で文章におかしい箇所がないか」は僕の場合けっこう強く意識します。これは正社員面接での職務経歴書でもそうなのですが、締め切りもない・自分をPRする大切な書類で日本語に粗が目立つのはNGだよなと。

そんな感じでしょうか。結構洗い出してみると、いろいろありますね。

■着飾らずに素直に書いて欲しい


僕も結構な数のポートフォリオを見ており、充実したートフォリオがあることは助かるのですが、ポートフォリオ「だけ」ですべてを決めようとするわけでもない、というのも念押ししておきたいなと思います。

あくまでポートフォリオは顔合わせの一次資料であり、そこからコミュニケーションを重ねて、依頼内容を固めていく。「あれもできます・これもできます」と書き連ねすぎて、逆に器用貧乏で強みが見えてしまったり、経験が浅い領域にクライアント側が過度な期待を寄せてしまうこともあったり。背伸びしすぎると、実際に案件が始まってからお互いに苦しむ…みたいなこともなくはありません。

僕自身もその辺のコミュニケーションで失敗した経験はあり、当時を振り返ると「自己紹介のつもりで書いていただけるととてもありがたいな…」とは思います。でも、ライター側としても案件獲得につなげたいし、その辺はコミュニケーションですね。

ご参考になりましたら幸いです!

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