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「このライターへの依頼もうやめよう。。」クライアントが思うとき

Twitterでのやり取りから企画を立て、noteに記事を上げる企画、第3弾。今回は、お金ライターの三浦さんから着想いただいたテーマをもとに、書いてみます!

「次からもう依頼するのを辞めよう」と思うライターって、どういう人ですか?

僕からはすごく出ししづらい、クリティカルなネタをありがとうございます(笑)
言うまでもなくライターとクライアントの関係は対等なので、ライター側の姿勢だけを一方的に論じるのは好きではないのですが、「またご相談したい案件があったらご案内します」とか社交辞令的な連絡しておきながら、それ以降、一切やり取りしなくなる方もいらっしゃるのは、正直なところです。自分の場合のそういうケースにおいて何を考えたのか、お話していきたいと思います。

「今後の成長のために、ご忌憚なく教えてください」

「ちょっと困る…」と思うライターのパターン、個人的に「そこそこあるな」と思うのはクライアントワークにおいて成長の機会を求め、詳細なフィードバックを求めるタイプ。その姿勢自体はライターのキャリア形成上何ら間違ったものではないのですが、クライアントの立場からすると、その案件をお願いしたのは教育のためではなく、仕事を迅速に前に進めるため。宿題をこなすような感覚で対応されると、ちょっとがっかりします。。

もちろん編集者とライターの間で認識のすり合わせは重要ですし、同じすれ違いを繰り返さないために、修正の背景や媒体のスタンスなどを編集者が説明するのは重要ですが、ライター側が案件を「成長の教材」として活用しようと、詳細なフィードバックを求めてくるケースも多々あったりはします。

時間があればもちろんそれにも応じたいとは思うのですが、クライアント側も内部の育成工数を最小限にしたいからこそ外注しているのが正直なところで、敬遠される要因にはなりえるかな、と。
 
「案件を通じて成長したい」と考えるライターの方の場合、おすすめなのは相手からフィードバックを待つのではなく、自分の側から修正の意図をくみ取り「ありがとうございます。こちらの修正についてはもともとこのように考えたけれども、この方が良かったですね」のように、クライアント側の意図を想像してメールなどでそれとなく確認する方法です。


非常に丁寧ですし、「次の仕事できっとこの人は気をつけてくるな」という信頼感にも繋がります。仮にその意図が違っていた場合は、心ある編集者であれば指摘してくれると思います。教育を求めるのではなく、認識のすれ違いをどう防ぐかという視点での質問は大歓迎なので、ぜひその媒体の読者と向き合う姿勢で、質問を投げかけてみていただけたらと思います。

「忌憚のない修正をお願いします」というケースも…

前段の問いともやはりかぶるのですが、「ご忌憚なく修正いただいて構いません」という一文が添えられた原稿提出メールを見たときも、「いやいや、修正される前提で記事書かないでよw」と思うことがたまにあったり、なかったり、あったり。

本心からそのように思うのであれば、締め切りを前倒して確認を求めるとか、参考にしたい記事を2、3出してもらうようにお願いするとかしてもらえると助かります。

編集者の立場からすると、多岐にわたる修正を1つ1つ、球拾いのように指摘するより、「自分自身で直してしまった方が早い」と考えるのが本音。特に記事全体の構成や、タイトルワークに関しては事前の方向性によって95%くらい決まってしまう分、言いたいことはあるけれど、納期もあるのでそうやすやすと後戻りができません。最後の最後で細部に修正を求められても「既に遅し」で、ゼロからまたやり直しに近いということが起こりがちです。「ああ、この原稿自分が書いた方が早かったな」と思わせてしまうとアウトなので、そうならないよう「自信のない案件ほど速く動く」ことをおすすめします。 

「今までの媒体ではこうでした」が強すぎるケース

上記の2点は、基本的に初心者のライターの方に多いことだと思います。

一方、個人的にはベテランのライターにおいても「要注意」だと思うことが多々あります。それが、「これまでの経験が通用すると信じて疑わないパターン」。長くライターをしていると段々と自分の中に「型」ができていき、取材や記事の執筆など細部にわたって「こうすべき」というマイルールが蓄積されていくのは分かります。ただ、媒体によって想定とする読者も、コンテンツに求める目的も大きく変わること忘れてはいけないと思います。

「新聞ではこうです」「雑誌ではこうです」と、ご自身のノウハウをご説明いただけるのはいいのですが、「今聞いているのは、今回のウェブの仕事でどうすべきかなんだけどな…」と言いたくなることもあるのもしばしば。できれば、これまでの経験をそのまま当てはめようとせず、媒体一つ一つに向き合い、コンテンツとしての最適解をお互いに真摯に探り合っていただけるとありがたいなと思ったりもします。

いろいろ言いましたが、「読者目線」での指摘は大歓迎です

いろいろと偉そうに書いてしまいましたが、個人的に「ちょっとこれ以上はご一緒できないかも…」と思ってしまう今回の3つのケースの共通項は、「視点が読者の方を向いていない」ことだと思っています。

基本的にコンテンツは、ライターや編集者を成長させるためにあるのでもないですし、自分の書きたい記事を上げたいのであれば、「うちの媒体じゃなくブログにでも書いてよ…」と思ってしまうのも本音。総括すると、ライター自身が編集者と一緒に、「読者目線」という御旗の下で時に闊達な意見交換をしながら、二人三脚しながら媒体を作っていくという姿勢が大事なのかなと思ったりします。もちろんライターの側にもクライアントを選ぶ権利があるので、逆に違和感がぬぐえないようだったら、「こっちからお断りだわ」という姿勢も、全然ありだとも思います。

#この経験に学べ

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