予測不能の時代 データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ
初投稿。
初めて要約を書く本はこちら。
「予測不能の時代 データが明かす新たな生き方、企業、そして幸せ」
著:矢野和男
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この著者は日立製作所で半導体の研究者として長年働き、その後会社が半導体事業から撤退するにあたり新たな事業としてウェアラブルセンサを用いた幸せの研究を行っている。この幸せの研究から予測不能な時代の中で個人、もしくは組織はどのように行動すべきかを説いている。
多分、ウェアラブルセンサと幸せがどんな繋がりがあるの?って思ってるはずです。実はウェアラブルセンサというものが用いられるようになって人間の幸せがどうゆうものか徐々に解明され始めた。
人間というのは感情によって知らない間に生体反応を起こしていることがある。例えば、緊張をしている時に手汗をかく、筋肉が硬直する。安心感を覚えている時に筋肉が弛緩したりなど。安心感があるとなんとなく屁が出ません?これは僕だけですかね。
要は人間というのは特定の感情においてそれに伴い身体になんらかの反応が起きる。この生体反応は「ホメオスタシス」と呼ばれている。
人間は感情に伴いホメオスタシスという反応を起こすため幸せを感じる時にも今まで分かっていなかった何らかの反応を示すはず。それをウェアラブルセンサを使用することによって検知し調べたのがこの矢野和男さんという方。
ウェアラブルセンサで行動を検知する、それと同時並行で幸せに関するアンケートを取る。そのアンケートで幸せを感じていた時、もしくはその逆の感情を抱いていた時にその人の行動はどんな感じだったのかって話。
こんな感じで矢野さんはいろんな企業や地方自治体に協力してもらい様々な組織における個人の幸せを調べた。
その結果、それぞれの個人が幸せである組織というのには以下のような普遍的な特徴があった。
1.Flat (均等)
組織の中で人と人のつながりが特定の人に偏らず均等
自分が部下だとして仕事を聞けるのが上司だけしかいなければ聞きたい時に聞けないなどの問題が発生する。反対に組織の中で様々な人と繋がりがあれば困った時にすぐ聞けるなど心理的安全性が高まるため幸せを感じやすい。
2.Improvised(即興的)
5分から10分の短い会話が高頻度で行われる
短い会話が高頻度で行われるという事は些細な疑問もすぐに聞けるような状態、つまりFlatと似ているが心理的安全性が高まるため幸せを感じやすい。
3.Non-verbal(非言語的)
会話中に身体が同調してよく動く
ここが面白い。
幸せな組織では会話中に身体が互いによく動く。これはなぜか?
人間は相手に共感や信頼を感じる時に相手の身体の動きに同調させ自身の身体をよく動かす。その動きを見て話し相手は「あー、この人はしっかりと話を聞いてくれてるんだ」と感じ、話し相手自身も信頼感をもつのである。逆に、組織の中で会話中の身体運動が少ないという事は相手に不信感や拒絶感を持っていることが多い。
要は、話を聞くときは大げさでも良いから身体を動かす、うなづく。これを徹底すべきで、無意識でも会話中に身体を動かしてないと相手を圧迫し、うつ傾向やストレスレベルを上げるため要注意!!
4.Equal(平等)
発言権が平等である
組織の中で発言権が平等なほど集合的知能が高まり生産性が高くなることにより幸せを感じやすい。ここでの集合的知能とは個人的知能(IQ)のグループ版だと思ってもらってOK。実は発言権が平等であること以外に他にも集合的知能が高いチームには二つ特徴がある。一つ目は他者の感情をくみ取る能力が高い人が多い。二つ目はチームにおける女性の比率が高い。女性は相手の感情をくみ取る能力が高いためチームにおける女性比率が高ければ相対的に集合的知能も高くなる、ということらしい。
研究から以上の四つの普遍的な特徴を持つ組織(FINEな組織)というのは心理的安全性が高く、生産的で、集団としての問題解決能力が高く、そして幸せであることが分かった。
では逆に幸せでない組織にはどのような特徴があったのか?
それは「孤立」である。
組織の中でつながりの数に格差がある、不平等が著しい時に個人の孤立が生じ、幸せを感じずらくなる。組織の中で孤立している人が多い組織ほど生産性が低くなり、これに対して上司が孤立をしないように声掛けを重視するだけでこの組織の生産性はグッと高まったという結果が得られた。
まとめとしては、
「孤立を無くし、FINEな組織を作ることで幸せな組織となり個人もそこに属することで幸せを感じる。それにより精神的なエネルギーが蓄えられることによって予測不能な時代において困難や変化にも立ち向かっていける。」
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