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圧倒的な独創性と確固たる世界観、それがサカナクションだ!(オススメMV #69)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の69回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は日本のアーティストの特集でお送りします。
そのアーティストは「サカナクション」。

サカナクションはこの連載でも何度かMVを取り上げたことのある私のお気に入りのグループのひとつですが、独特なMVが多いので分類することが難しく、今回アーティスト特集で紹介します。

多くの優れたMVをリリースしているサカナクションですが、その中でもダントツ1位がこちらのMVです。
サカナクションの「新宝島」、どうぞ!

このMVが「ダントツ1位って?」と思われた方も多いでしょう。
私も最初は「なんでこんなダサいMVにしたの?」と思い、特にレトロなボックスステップなどは「やめてくれ!」と叫びたいほどでした。

しかし、素晴らしい楽曲につられて何度も見ているうちに徐々に脳が侵食され、今では定期的に観ないと禁断症状が出るほどになっています。
気が付いたら、サカナクションの他のお気に入りのMVの視聴回数を抜いて、ダントツの首位を独走してしまっています...

サカナクションの紹介は、以前の回でさせていただいていますので、ご興味のある方は「ダンス系の邦楽MVを三連チャン」をご覧ください。
その回では、サカナクションとの出会いとなった記念すべきMV「ネイティブダンサー」を紹介しています。
「ネイティブダンサー」も超おすすめですので、未見のかたは是非!

ちなみに、サカナクションの登場は今回3回目で、1回目は上の回、2回目は「劇場型MVって勝手に命名」の回となります。
その回では、これまた超おすすめのMV、「僕と花」を紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

さて、「新宝島」ですが、何といってもまずは楽曲がいい!
懐かしい感じがするのですが新鮮でもあり、アップテンポな明るい楽曲にもかかわらず不思議な落ち着きもあり、本当に不思議な楽曲です。
聴けば聴くほど味が出る、という感じです。

そして、その不思議かつ素晴らしい楽曲に組み合わせられるMVも、これまた不思議なMVです。
ドリフ大爆笑のオープニングの構成に加えて8時だよ全員集合っぽい振付もあり、普通だったらこの手の「オマージュ」の(悪い言い方では「パクリ」的な)MVは大嫌いなのですが、この「新宝島」では全く気にならず、逆にハマってしまっています。
なぜなのか?その理由は分かりません...
多分、匠の技術でうまく作ってあるに違いありません。

この「新宝島」のMVは、多くのMVを手掛ける映像作家の田中裕介さんが監督を務めておられます。
田中裕介さんはサカナクションのMVも複数手掛けておられ、次に紹介するオススメMVもそのひとつです。

サカナクションの「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」です。

どうですか、このオリジナリティ!
圧倒的な独創性と確固たる世界観を持つ、類まれなるMVです。
理性が演じる狂気こそ、我々が望む最高の演出だと思いませんか?

このMVを観た時には衝撃が走り、このMVばかり繰り返し観ていましたが、不思議なものでどんなにすばらしい作品でも「飽き」というのが来てしまい、最近ではほとんど見なくなってしまいました。
しかし、「新宝島」は最初のインパクトはなかったものの、なぜかじわじわと侵食され、今でも定期的に観続けているというのは、不思議なものです。
(しかも、その2つとも同じ映像作家が製作されているのですから、更に不思議です)

この「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」のMVのすごさは、言葉で説明するより観ていただく方が早い、というか観ていただければ、誰しもが独創性と世界観に圧倒され、「確かにスゴイ...」と思わずにはいられないでしょう。
未見のかたは、ぜひ一度はご覧ください。

さて、そろそろ最後のMVの紹介です。
サカナクションの「アイデンティティ」です。

これまたパワフルな楽曲で、サカナクションの世界に強引に引きずり込まれてしまいます。
そのパワフルな楽曲に組み合わされるのは、アート的な映像ですが、不思議とマッチしており、良質のMVに仕上がっています。

しかし、このMVは半分しかお気に入りではありません。
イントロでは、メンバーがピンで順番に登場し、その背景には幾何学模様が流れている...というアート的な映像から始まり、演奏が始まると同時に不思議なスタジオセットの中で山口一郎さんを中心にバンドメンバーがパワフルな楽曲を熱演する場面に切り替わり、中盤でまた各メンバーと幾何学模様のアート映像に切り替わる...という、「静」から「動」そしてまた「静」という切り替えが絶妙で、もう観ているだけでゾクゾクします。

と、テンションMAXなのはここまでで、中盤から徐々にテンションがダダ下がりになります。
周りが電飾に囲まれたかと思うとドンドン映像が引いていき、パチンコ台の中心の液晶部分にMVの映像が表示される...というトンデモ映像になってしまいます。
前半が素晴らしいだけに、チョット残念です...
皆さんがこの「アイデンティティ」のMVを観られてどう思われたのか、ぜひ伺ってみたいところです。

今回のサカナクションの特集はいかがでしたでしょうか?
中でも、インパクトがすざまじい「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」を未見の方は、ぜひ一度ご覧ください。

ではまた次回に。

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