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ゴリラズの名作MVもいいけれど、マドンナとの共演ライブ動画もぜひ観てほしい!(オススメMV #133)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の133回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、ゴリラズの名作オフィシャルMVと、マドンナと共演したライブ動画の2本立てでお届けします。
私の大好きなマドンナが登場するため、普段よりテンション高めでお送りしますので、最後までお付き合いください。

では、まずメインとなるオススメの名作MVはコチラ。
ゴリラズの「Feel Good Inc.」です。どうぞ!

なんとも不思議なアニメのMVです。
特徴的なキャラクターとダークな映像が楽曲とマッチし、唯一無二のMVとして仕上がっています。

ゴリラズ(Gorillaz)は、1998年に結成されたイギリスのロックバンドですが、バンドというよりもプロジェクトと言ったほうが正しく、音楽面を担当するメンバーと映像面を担当するメンバーが混在しているという変わったグループになります。
また、架空のキャラクターを設定して独自の世界観を構築しており、それはこの「Feel Good Inc.」のMVにもしっかりと出ています。

さて、「Feel Good Inc.」は2005年リリースの2ndアルバム「Demon Days」からのリードシングルとして同年にリリースされた、ゴリラズのNo.1ヒットとなっている楽曲です。
ゴリラズは様々なアーティストとコラボすることも多いようですが、「Feel Good Inc.」についてもデ・ラ・ソウル(De La Soul)という3人組のヒップホップのグループがラップを担当しています。
彼らのラップが全体的に暗いイメージの楽曲の中で差し色的に明るいトーンでメリハリをつけており、陰と陽のバランスが良くなっていることが楽曲全体のクオリティアップにつながっていることは確実です。
今回は「Feel Good Inc.」のMVに焦点を当てた内容ですが、MVだけでなく楽曲自体も素晴らしく、MVについてはMVA(MTV Music Video Awards)を受賞していますが、楽曲もグラミー賞を受賞しており、MVと楽曲の両方で評価されています。

さて、「Feel Good Inc.」のMVの話に入りましょう。
アニメ映像の全体的な雰囲気も独特ですが、なんといってもそれぞれのキャラクターが際立っているというか、個々のキャラクターの存在感によって素晴らしい楽曲に負けない強い印象付けを実現できていることが分かります。
実はこのMVを観るまではゴリラズの存在を知らず、このMVで出会ったのですが、調べてみるとキャラクターデザイン等の見栄えの部分だけでなく、しっかりとしたキャラクター設定に加えてストーリー設定がなされていることが分かり、キャラクターの強い印象付けの理由のひとつがそこにあるのではないかと思われます。
ちなみに、キャラクターのひとり、ヌードル(Noodle)は関西出身の日本人女性という設定で、日本人の私としてはうれしくなります。
このMVでは、floating island(浮島)でギターを弾く人物として登場するのがヌードルですが、登場時間が少ないのがチョット残念です。
そして、キャラクター設定とストーリー設定だけではなく、映像の強い印象付けの理由がもうひとつあるのです。
それは、映像の中にうまく織り込まれたメッセージ性の高さで、大衆に融合するメディアへの警鐘と、大きな権力に従うことが得であり楽であるとする大衆への皮肉を、このMVには盛り込んでいるのです。(これは、ゴリラズ自身がYouTubeで発信している解説動画からも見て取れます)
なお、メッセージ性の高いMVでは、メッセージが前面に出すぎ、MVとしての品質が損なわれることが多いのですが、この「Feel Good Inc.」では映像のイメージが前面に出ており、メッセージ性が裏側に隠れていることがMVとしての高い品質の確保につながっているかと思われます。
細かい理屈はさておき、一度観たら2度、3度と観たくなるMVに仕上がっていることは確実で、名作MVと言えるのではないでしょうか。

そして、ゴリラズがこの「Feel Good Inc.」で、なんとあのマドンナと共演したライブ動画があるのです!
それがコチラ、ゴリラズの「Feel Up」です。

アニメかCGと思いきや、ホログラムでバンドメンバーがライブに登場するというのは斬新かつ印象的です。
シンプルな構成ではあるものの、マドンナの登場シーンのテンションはMAXで、かつマドンナがゴリラズの(ホログラムの)メンバーの間を練り歩くさまは鳥肌が立つほどです。

このライブ動画は、2006年のグラミー賞授賞式のオープニングパフォーマンスの模様で、事前にマドンナとゴリラズが出演するという告知はされていたものの、まさかこんなマッシュアップでの出演になるとは期待を大きく超えたパフォーマンスとなりました。

そして、このライブ動画には続きがあるのです。
それがコチラ、マドンナの「Hung Up」!

ゴリラズのライブに登場する場面から続いて、ダンスパフォーマーと共に踊りながら歌うマドンナが圧巻のライブ動画です。

マドンナ(Madonna)は、説明するまでもないですがポップの女王と呼ばれているUSのシンガーソングライターで、私の大好きなアーティストの筆頭格となっています。
この連載でも過去8回登場とダントツトップであり、最初の登場は連載7回の「マドンナのヴォーグは古典にして名作」で、直近では連載109回の「映画タイアップMVはチョット苦手。でもマドンナだけは別格だ!」ですので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

さて、ライブ動画に目を向けると、まず目に入るのがマドンナのダンスパフォーマンスのアグレッシブなチャレンジです。
当時マドンナは48歳と、50歳を目前に控えているとは思えないパフォーマンスを見せつけてくれます。
ダンスパフォーマンスはもちろん、明暗のバランスなど舞台演出も素晴らしいのですが、何よりいいのはマドンナの印象付けです。
マドンナは常に女王であり続ける必要があり、それはこのライブパフォーマンスでも同様で、マドンナだけが露出の高いレオタードを着ることで、他のダンスパフォーマーとの違いを明確に打ち出しています。
登場するパフォーマーの中でも最も年齢が高いことは確実ですが、そのマドンナが最も露出が高い出で立ち(いでたち)というのも覚悟の表れでもあり、敬服することしかりです。

さて、ゴリラズのオフィシャルMVと、ゴリラズとマドンナのライブ動画を2本続けて観ていただきましたが、ここで3点、皆さんにお伝えしたい内容があります。

まず1点目は、ライブ動画が2つに分かれていることです。
もちろん実際の会場ではゴリラズとマドンナは連続してライブパフォーマンスをしていますが、権利の関係なのでしょうか、2つに分けられてそれぞれのYouTubeオフィシャルチャンネルに掲載されています。
これではせっかくのジョイントライブも効果半減です。
しかし、安心してください。
連続して1本で見れるライブ動画が多数あるんです。

YouTubeで「Gorillaz Madonna Grammy Awards 2006」と検索すると多くの動画が出てきますが、7分以上の動画をいくつか観てみてください。
その多くが、グラミー賞授賞式でのゴリラズとマドンナのライブを連続して観れるものがほとんどです。
4Kの高画質の動画もあり、感動もひとしおです。

そして2点目は、ゴリラズのライブ動画が完全版ではないという点です。
実際の授賞式のライブでは、ゴリラズのホログラムの前、観客と舞台の間にセットがあり、そこに多くの人間が横たわっているのです。
これは、上で紹介した「Feel Good Inc.」のオフィシャルMVに出てくる堕落しフロアーで仮死状態のように横たわっている人々を模しています。
そして、ラップの部分ではデ・ラ・ソウルの3名が登場し、舞台上で歌い始め、途中から観客の中に入って歌うという圧巻のライブパフォーマンスを繰り広げるのです。
しかし!その横たわる人々も、その生(なま)のデ・ラ・ソウルも、ゴリラズのYouTubeオフィシャルチャンネルにあるライブ動画では観ることができません...
しかし、安心してください!
上で紹介した「Gorillaz Madonna Grammy Awards 2006」で検索してヒットする長尺のライブ動画では、フロアーで横たわる人々はもちろん、デ・ラ・ソウルの面々のライブパフォーマンスもバッチリ観ることができます。
特に、デ・ラ・ソウルを交えたライブパフォーマンスは素晴らしく、ぜひ長尺の完全版ライブ動画を観ていただきたいところです。
本当はリンクをはりたいところですが、著作権的に微妙なため、控えさせてもらいます。(ぜひ皆さんで検索して観てみてください)

最後の3点目は、「Hung Up」のオフィシャルMVについてです。
「Hung Up」は、2005年リリースの10thアルバム「Confessions on a Dance Floor」からの1stシングルとして同年にリリースされた楽曲で、マドンナのシングルでは最も売れたとされており、全世界40か国以上でチャート1位となった楽曲で、ギネスブックにも登録されています。
アバ(ABBA)の名曲「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)」をサンプリングしながらも、独自の楽曲として仕上がっており、1980年代のディスコサウンドという色が濃いものの新しさもある素晴らしい楽曲になっています。
そして、その「Hung Up」にもオフィシャルMVが存在しているのですが、実は私自身はほとんど観ることはありません。
というのも、前半はメチャクチャ大好きなのですが、後半がイマイチ好きになれず、遠のいているという事実があります。
なぜか?という解説はあとにさせていただくとして、そのオフィシャルMVをご覧いただきましょう。
マドンナの「Hung Up」です。

出だしがメチャクチャいいですね!
ダンススタジオにラジカセを持ってマドンナが現れ、ラジカセのスイッチを入れると流れ出す音楽がこの「Hung Up」、そしてその音にあわせで踊りだす...というオープニングからテンションMAXです!

街中の様々なシーンで踊る人々や、パルクールのパフォーマーも出てきて、広義のダンスに対する愛情あふれた映像が繰り広げられます。
ビルの屋上から踊りだすパルクールパフォーマーたち、道ばたで踊りだす子供や若者、チャイニーズレストランで掃除をしながら踊りだす店員たち、そしてその途中で差し込まれるマドンナのダンスシーン、もう最高です!
そんな中、MVも後半に入ったところで夜のクラブシーンに移り、そこから低い照度の映像が続きます。
実は私があまり好きではないのが、この夜のクラブの場面です。
照度が低いだけでなく、スローモーションの映像が多用され、せっかくの躍動感が失われているように思えてなりません。
電車の中でのダンスシーンも、アイデアとしては面白いのですが、どうしても狭い車内のダンスでは動きが制限されてしまうのもまた事実です。
「じゃあ、後半はどんな映像だったらいいんだよ!」と突っ込まれそうですが、クラブであっても照度を上げた映像にするとか、スローモーションを無くすとか、いっそのことダンスパフォーマンスのトーナメントにしてメンバーを参集させて一緒に踊らせるとか...と勝手なことを言っていますが、それらも色々考えたうえでこの構成にされたと思うので、本当にMV制作というのは難しいものなんだなー、と思う今日この頃です。

ちなみに、純粋なクラブではないのですが、暗い部屋でのダンスシーンがメインのMVで私のオススメはMondotekの「Alive」です。
なぜ「Alive」は暗い部屋にもかかわらず良い印象なのか?
それは、暗い部屋といいながらも部屋のライトを背景にしたカットを差し込むことで明暗のバランスを取り、かつダンスシーンにはスローモーションが一切使われていないことが理由ではないかと思われます。
「Alive」については、この連載の初期である18回目「ダンス系洋楽MVの三連発。隠れた名作Mondotekに...」で紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

今回のゴリラズの名作MVと、マドンナと共演した奇跡のライブ動画はいかがでしたでしょうか。
直接リンクははれなかったのですが、分割されていないライブ動画のほうがオススメですので、ぜひ検索して観ていただければと思います。

ではまた次回に。

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