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ダンス系洋楽MVの三連発。隠れた名作Mondotekに歴史を作ったDeee-Lite、そしてお祭り騒ぎのLMFAOだ!(オススメMV #18)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の18回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は、ダンス系の洋楽MVの中で、お気に入りの3つを紹介します。
ダンス系の洋楽MVとなると良質のMVは山のようにたくさんありますが、それぞれ違う切り口で選んだオススメのMVを取り上げます。

まず1つ目は、「メチャクチャいいのに、あんまり知られていない!」というダンス系洋楽MV、Mondotekの「Alive」です。

ダンス系洋楽MVは派手で押し出しが強いものが多い中、このMVは派手さがなく押し出しもそれほど強くありません。
かといって、映像が弱いかというと全くそうではなく、しっかり映像も前に出ていてビートの効いた楽曲とバランスをとっています。

このMVとはMTVの番組を見ている中で偶然出会いました。
一定時間をMV鑑賞に費やしているのですが、お気に入りのMVを観るだけでなく、新たな良質MVを探すため様々な音楽番組を録画し早送りしながら観ています。その中でこのMVとも出会いました。

『このMV、イイ!』と思ってMondotekのことを調べたのですが、ほとんど情報がなく、ドイツのハウス系のバンドであることぐらいしかわからず、このMVを観るだけの関係が続いています。
今回noteに書くにあたり再度ネットで検索したのですが、さほど詳しい情報もなく、ヒット作はこの「Alive」のみのようです。

さて、このMVですが、上にも書きましたが映像としては派手さもなく、押し出しも強いとは言えません。
しいて言えば、大胆な画面のコマ割りを使った場面転換を中心とした映像表現が特徴です。
しかし、このMVの特筆すべき点は、演じている役者というかダンサーの皆さんと、その皆さんを中心に描いた演出にあると考えています。
映像のストーリーとしては、「ストリート系のダンサーがダンスバトルする」というものですが、よくあるダンスバトル系のMVは勝負を中心に描いてギスギスしたり、ダンスそのものを前に出したり、やんちゃな表現に偏ったりする中、このMVはダンサーそのものに焦点が当てられています。
皆さんダンスが大好きで、ダンスを中心に暮らしており、ダンスバトルでは勝負をしていますが全員ダンスが好きで、敵ではあるものの根底の気持ちはつながっている...というところでしょうか。
もちろん、楽曲も素晴らしく、ダンサーに焦点を当てた映像ではあるものの、きちんとダンスMVに仕上がっているのは楽曲の力があってこそと考えています。

なお、Mondotekのヒット作はこの「Alive」のみのようです。
しかし、この「Alive」は私を含めて多くの方に愛されている隠れた名曲であり、優れたMVであると確信しています。
というのも、今でもたまーにMTVで流れるので、番組の制作陣の中でも「Alive」好きの方がいるのではないかと考えています。
Mondotekというアーティストは、この「Alive」を世に送り出しただけでも、この世に存在した意義があるのではないでしょうか。

続いては、「ポピュラーだが、やっぱりイイ!」というダンス系洋楽MV、LMFAOの「Party Rock Anthem」( ft. Lauren Bennett, GoonRock)

不思議な緩(ゆる)さと、お祭り的な楽しさのあるMVですよね。
落ち込んでいる時でも、このMVを観れば元気にしてくれる...そんな雰囲気のMVです。

この楽曲は日本でもヒットして、ミュージックステーションにも登場したぐらいなので聴かれたことがある方も多いのではないでしょうか。
LMFAOは上のYouTubeのサムネイルにもあるとおり2人組で、2009年に結成し2012年には活動休止したという短期間のグループです。
この楽曲の大ヒットが2011年ですので、多分それがきっかけで活動休止したのではないかと考えています。(売れすぎた...)
お二人とも今でもバラバラに活動されていて、特に向かって左のRedfooはたまにMVでもお目にかかります。

さて、このMVですが、踊り狂う病気が蔓延し、いわば「ダンスゾンビ」的なストーリーになっています。
ダニー・ボイル監督の映画「28日後」のパロディーというのは有名な話で(スラムドッグ$ミリオネアはいいですよね!)、出だしはそのままです。

ちなみにこのお二人、なんとモータウン創始者の息子と孫という恐ろしいコンビで、「お金もあるし、楽しもう!」というポリシーのようです。
この楽曲の歌詞にもそのポリシーは貫かれているので、ぜひ歌詞もネットで検索して見てみてください。

最後は、「ダンス系というよりヘンテコ系だが、イイものはイイ!」というダンス系洋楽MV、Deee-Liteの「Groove Is In The Heart」です。

ヘンテコなMVですが思わず見入ってしまい、繰り返し観てしまう...そんなMVです。
細かいことは忘れて楽しもう!という気持ちにさせてくれます。

そういう意味では、先に紹介したLMFAOの「Party Rock Anthem」のMVと同種の効果があります。

ダンス系のMVではありますが、以前紹介した「ヘンテコ系MV」の部類にも属しているMVですね。
しかしこの楽曲、なんと1990年にリリースされています。
これは驚愕の事実であり、楽曲もMVの映像も先進的なものです。
そして、そのチャレンジに大きく関与しているのが二人の日本人なんです!

詳しく説明しましょう。

まず楽曲ですが、今でこそポップス調のハウスサウンドはよく聴きますが、最初に取り組んだのはこのDeee-Liteです。
そして、そのチャレンジに取り組み、成功させたのが知る人ぞ知る日本が誇るDJ、TOWA TEI(テイ・トウワ)さんです!

Deee-Liteは結成当初は二人組でしたが、そこにテイさんが加入して歴史に残る名盤「World Clique」をリリースし、その中にこの楽曲「Groove Is In The Heart」が入っています。

ちなみに、テイさんは今はソロで活躍されており、たくさんの楽曲を発表されていますが、私との相性はイマイチなんです。
ソロではなくプロジェクトとして活動されたほうが私との相性はいいのではないかと考えています。(ソロの楽曲のMVとも相性がイマイチで、チョット残念です...)
なお、テイさんはYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のメンバーとのつながりが深く、元々坂本龍一さんに見いだされて、そのあとYMOメンバーとコラボした楽曲もリリースされています。

続いて映像ですが、このMVのディレクションは我らが中野裕之さんが手掛けられています。
中野裕之さんはレコードジャケットの連載のアート・オブ・ノイズの回でも紹介しましたが、日本のMVの黎明期を支えた方の中のおひとりで、日本で初めてMV制作会社も立ち上げられています。
なんとこのMVで、米国本国のVMA(MTV Video Music Awards)に日本人として初めてノミネートされました。(本当にスゴイことです!)

映像自体は、サイケデリック(古い...)な背景の中でメンバーやダンサーが踊り、様々な角度の映像に切り替わる...というものですが、今でもたまにこの映像演出を取り入れたMVを見かけます。
しかし、この映像演出に初めて取り組んだのは(私の知る限り)このMVが最初ではないかと考えています。

また、この演出方法は難しく、画面がギラギラするというかチカチカして二度と見たくなくなるMVが多いのですが、巧みにギリギリの線で押さえてあり、逆に何度でも見たくなるMVとして仕上がっています。

楽曲も映像も新たな取り組みにチャレンジし成功した。そしてその取り組みに日本人がメインでかかわっている...というのは誇らしいですよね。

さて、今回の3つのMV、いかがでしたでしょうか?
ダンス系のMVは見ていて元気になるからいいですよね。
ぜひ皆さんも『ちょっと元気になりたいな...』と思ったら、ぜひダンス系のMVを観て元気になってください。

ではまた次回に。

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