見出し画像

ファレルにマーティンソルヴェイグそれにディプロって、Bitchすぎだろマドンナさん!(オススメMV #80)

こんにちは、吉田です。

オススメMVを紹介する連載の80回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回もまたまたマドンナ特集です。
どうしてもお気に入りのアーティストの登場が多くなってしまいますが、ご容赦ください。

さて、今回のマドンナ特集のテーマは「プロデューサー」。
マドンナはアルバムごとに違ったプロデューサーと組み、常に新鮮な楽曲をユーザーに届け、かつ自身も楽しみながら活性化しています。
そこで、私のお気に入りのプロデューサー3名が制作に携わったアルバムより、オススメの楽曲およびMVをピックアップして紹介します。

まず最初のプロデューサー「ファレル・ウィリアムス」のMVはこちら。
マドンナの「Give It 2 Me」です。どうぞ!

マドンナのダンサブルなポップナンバーですが、ファレルの艶めかしさもうまく加味されて、良質な楽曲に仕上がっています。
MVとしてはちょっとまとまりがない感じがあるのが残念なところです。

マドンナについては本連載で何度も取り上げていますので、ご興味ある方は過去の回をご覧ください。(特にオススメは初回のVogueの回です)
また、ファレル・ウィリアムスについても同様に本連載で何度か取り上げており、N*E*R*Dの回では特集を組んでいますので、ご興味ある方はそちらもぜひご覧ください。

では、さっそく楽曲とMVの解説に参りましょう。
この「Give It 2 Me」は、マドンナの11枚目のスタジオアルバム「Hard Candy」からのセカンドシングルで、アルバムにプロデューサーとしても参加しているあるファレル・ウィリアムスがマドンナと共に楽曲を手掛けています。(プロデューサーとしては、ザ・ネプチューンズとしての参加です)

アルバム全体としてもダンサブルな楽曲が多いのですが、その中でもこの「Give It 2 Me」はファレル節とでもいうのでしょうか、艶っぽい楽曲として仕上がっています。
楽曲は大好きなのですが、MVとしてはカット割りが多く、さらには若干まとまりに欠けるように(個人的には)思っており、楽曲は繰り返し聴くもののMVとしてはほとんど観ることがない状況です。

アルバム「Hard Candy」で私の大好きなマドンナが、同様に大好きなファレル・ウィリアムスと組んだ時は「おぉーっ!!」と雄たけびを上げたのですが、聴いてみると楽曲に多少ばらつきがあるものの、総じて高いクオリティーの楽曲が多く、「さすがだ...」と感嘆した次第です。

続いては、2人目のプロデューサー「マーティン・ソルヴェイグ」のMVで、ニッキーミナージュとM.I.A.を客演に迎えた楽曲となります。
マドンナの「Give Me All Your Luvin'」です。

メチャクチャ明るいダンサブルなポップナンバーですね。
楽しい映像も楽曲とマッチングしていて、非の打ち所がないMVとして仕上がっています。

この「Give Me All Your Luvin'」は、2012年にリリースされた12枚目のアルバム「MDNA」からのリードシングルで、このアルバムのメインプロデューサー2人のうちのひとりであるマーティン・ソルヴェイグとマドンナの共作となっています。

マーティン・ソルヴェイグは、以前に本連載(ペイルカラーのマーティンソルヴェイグ)でもガッツリ紹介したことがあるほど大好きなディレクターでもありアーティストでもあります。
そして、マドンナがマーティンソルヴェイグと組むと発表されたときはメチャクチャ驚きました。
というのも、マーティンソルヴェイグはUKでは人気があるもののUS含めグローバルでの知名度や人気はそれほど高くなく、マドンナが組むとは想定外だったためです。
しかし、逆に「さすがマドンナ!」と、マドンナの発掘能力や常識外れの取り組みに感嘆しきりです。

この「Give Me All Your Luvin'」は、マーティンソルヴェイグの特徴である能天気で明るい楽曲として仕上がっており、年齢を重ねるごとに色気や重厚感が増しているマドンナを一気にハチャメチャなマドンナに変貌させることに成功させています。
MVもそのテイストにあわせてハチャメチャなのですが、昼間の情景ではなくあえて夕方あるいは晩とし色調も押さえているため、実際のマドンナのイメージと極端に乖離していないことも、良い効果を生んでいます。

このアルバム「MDNA」では3曲をマーティンソルヴェイグが楽曲を提供しているのですが、そのいずれもが当時のマドンナっぽくなく、新鮮なマドンナとして印象付けることに成功しています。
つまり、マドンナのマーティンソルヴェイグの起用は大成功と言えます。

なお、この「Give Me All Your Luvin'」では、客演に迎えているニッキーミナージュとM.I.A.も贅沢な使い方をしていて、ちょっともったいない気もしますが、逆にこれ以上ふたりを前に出すとマドンナの印象付けが弱くなるので、ほどよい具合なのかもしれません。
ちなみに、ニッキーミナージュもM.I.A.もお気に入りのアーティストなので、4人がタッグを組んだこの「Give Me All Your Luvin'」は私の中では神曲とも言えます。
ふたりとも以前本連載で取り上げていますので、ご興味ある方はご覧ください。 ※ニッキーミナージュの回 ※M.I.A.の回

最後の3人目のプロデューサー「ディプロ」のMVですが、オフィシャルMVではなくライブMVでの紹介となります。
マドンナの「Living For Love」です。

何度観ても素晴らしいライブMVです。
楽曲も舞台演出も映像効果も素晴らしく、闘牛士のマドンナがしっかり女王として美しくかつ力強く印象付けられています。
もう何も言うことがないほど完璧なライブMVとして仕上がっています。

このライブMVは、以前本連載(Living For LoveはライブMVのほうがイイと思うのは私だけ?)で紹介していますので、未見の方はぜひそちらをご覧ください。

この「Living For Love」もそうですが、マドンナの13thアルバム「Rebel Heart」のメインプロデューサーとして参加しているのが「ディプロ」です。
ディプロについては、以前の連載(メジャーレイザーって何者だ!?)や、別の連載(シーアにディプロにラビリンスって)で紹介していますので、ご興味ある方はぜひそちらもご覧ください。

アルバム「Rebel Heart」にはディプロがプロデュースする楽曲がいくつかあり、その中でもダントツのオススメは「Living For Love」ですが、今回メインで紹介するMVはこちらとなります。
マドンナの「Bitch I'm Madonna」です。

ダンサブルなポップナンバーですが、ちょっと重めのテイストです。
映像も朗らかな明るさではなく、ダーク寄りの内容となっていて、「Bitch」というタイトル名との関連が色濃く打ち出されています。

皆さんは、この「Bitch I'm Madonna」というタイトルから何を連想されますか?
「Bitch」(ビッチ)は誰とでも寝るような軽い女性を表現する言葉ですが、もちろんその意味での「Bitch」が使われているとは思えません。
ここでの「Bitch」は「誰とでも組む」という意味かと考えられます。
つまり、マドンナは、「私は、いい音楽を作るためであれば、節操なく誰とでも組むわよ!」と宣言しているように思えます。
その裏には、マドンナが常にポップの女王に君臨し続ける秘密があり、かつ決意が伺えます。

最近の音楽でもメディアでも、すべての事柄がターゲットを絞ることが成功の秘訣となっていると思いませんか?
しかし、マドンナは違うのではないかと思うのです。
「ポップの女王」としてのマドンナは、ターゲットを絞らず多くの人に感動を与える責務を負っているのです。
ネットとSNSが普及する中で大衆の興味は細分化され、昔で言うサブカルの集合体がメインストリーム化しています。
その中で、マドンナはより多くの視聴者に感動を与えるアプローチをし続けているのではいでしょうか。
そのためには誰とでも組み、多くの新たな要素を自分の中に取り込み、自分自身も変化し成長しながら、新たなマドンナを作ってファンを飽きさせずに感動を与え続ける...並大抵のことではできません。
そのために「私マドンナは、節操なく誰とでも組むわよ!」と宣言しているように思うのです。
そして、そんな節操のないマドンナが、私は大好きなのです。

もちろん、ターゲットを絞って特定のファンに感動を与えることは間違いではありません。
要は、自分が自分らしくあるために、何を目的として取り組むべきかが重要であり、それは人それぞれです。
マドンナは、「ポップの女王」であり続けるために(=マドンナらしくあり続けるために)、節操なく多様な要素を取り込み、自分自身を変化させ、そしてその変化を自分自身で楽しんでいる...そこが重要なのです。

今回のマドンナ特集はいかがでしたでしょうか?
3人のプロデューサーでそれぞれ違ったマドンナを体験できます。
しいて言えば、「艶やか」、「朗らか」、「華やか」でしょうか。
それぞれで違ったマドンナを楽しんでみてください。

ではまた次回に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?