『チーズじゃなくて、アイラブユー』が生まれた日。 - 前編 -
『チーズじゃなくて、アイラブユー』が僕の永遠のテーマです。自身が経営する 写真事務所 studio MONSTER のロゴマークやキャッチコピーにも使っているこの言葉。それが誕生した瞬間のエピソードを僕は大切に覚えています。今日はそのお話の前編。
こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。
写真家MiNORU OBARAのキャッチコピー『チーズじゃなくて、アイラブユー』をご存知でしょうか? いやいや、ご存知ない方の方が多いですよね。
僕が写真と向き合う上で、いや、生きていく上で最も重要なテーマであるとも言えるこの言葉。実は、いろいろなグッズにもなっています。
こちら、大人気のトートバッグ。
そして、こちらはサーモボトル。
かわいいですよね。「チーズじゃなくて、」って言ってるのに、チーズのイラストなところとか、愛くるしいでしょ?笑
このフレーズには、写真家MiNORU OBARAのかなりの思いが込もっています。本日は、その誕生エピソードをお話ししますね。
あれは、6〜7年ぐらい前。カンボジアを旅していたときのことでした。
もちろんひとり旅でしたが、いつものひとり旅とは違いました。と言うのも、実はこのときのカンボジア、本来はお仕事で向かうはずだったのです。
モデルさんやスタッフさんを引き連れての撮影の予定でした。カンボジアの遺跡でモデルさんをカッコよく撮影するという内容でした。
しかし、このプロジェクト、直前でキャンセルになってしまったんですね。もちろんスケジュールも抑えていましたし、フライトの予約も済ませていました。そんな中での全バラシ。モデルさんやスタッフさんは渡航自体をキャンセルしました。でも僕はというと、せっかく空けてるんだから軽く旅をしよう、と航空券を買い取る形で渡航を決めました。
そういう経緯で、そのときのカンボジア渡航は、いつもの旅とは少し違う形のショートトリップだったのです。
今思えば、その頃の僕は、とても創作意欲に満ちた男でした。とにかく奇をてらった、見る人を驚かせるような写真を撮りたくてウズウズしていましたし、そんな写真ばかり撮っていたように思います。
手に取る書籍もそのようなものばかりでした。光の方向や強さや色の研究を重ねていました。
それはもはや、今の僕の中には全く存在しない真逆の自分なのですが、その頃はそうだった。微笑ましい過去です。
そんな時に足を運んだカンボジア。そこで当時の僕の写真への価値観が根底からひっくり返されようとは、行きの機内では知る由もありませんでした。
いつもの旅と同じように、空港に降り立ち、入国審査を済ませ、旅が始まりました。
空港から足を踏み出したその時に、目の前には大きな虹がかかっていました。もしかしたら、何かの前触れだったのかもしれませんね。
相変わらず、行き当たりばったりなのが僕の旅スタイルのため、この日も一番最初に目が合ったトゥクトゥクのドライバーさんにお願いして、宿まで乗せてもらいました。
ドライバーさんの名前はRAさん。
この旅で、僕はRAさんにかなりお世話になることになります。
ある日は、早朝から連れ出しました。別の日には深夜の1時から朝の7時まで、僕をシートに乗せてくれました。星を待ちながら、ヘタクソな英語で語り合ったりもしました。
旅はとても順調でした。そもそも、目的などないので、順調も何もないのですが。笑
さて、『チーズじゃなくて、アイラブユー』が生まれた日。それはRAさんと星を見上げた夜から数えて3日後のことです。
でも、その話をする前に僕は、星空の次の日の夕方の出会いから話さなければなりません。
その出会いが、僕の心の舵を大きく切ることになるのですが・・・、今日は長くなってきたので、続きはまた次回にしますね。
本日も文末までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、続きのお話でお会いしましょう。
□ 写真集『アフターコロナに会いましょう -完全版- 』
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