見出し画像

マラソンに出て分かったこと

中学校時代の同級生に誘われてマラソンに出場しました。マラソンと言っても 10kmといった短いものです。

ただ私は 中学校時代から長距離というものが苦手で人生の中においても2キロしか走ったことがない持久力のない人間でした。

体質 というものがあって長距離に向かないような 肺活量であったり 筋肉の質があると思います。まさしく 私はその駄目なタイプで一生を長く走ることはないと思っていました。

それにマラソン自体何が面白いのかなと思っていましたし、わざわざ辛い思いをして体に鞭を打つことが何のプラスになるのかと疑問視していたくらいです。

ただ同世代の同級生はマラソン完走者も多く飲み会の席では一度体験してみたら?ということで 渋々 エントリーしてみたわけです。

10km のコースなので2kmで多分ダウンすると考えていました。時間オーバーになったランナーは後から来る車に引き上げられていきます。その覚悟でいました。なかなかトレーニングする時間もとれず1週間前くらいから少し近くの運動公園で走ってみましたが 到底 走りきれるものとは思えません。

そして 当日。
スタートラインに数千人の人がいて緊張感の中スタートしました。中には初参加の人も多くご年配の方も多くいました。障害者の方もいました。この人たちよりも走れそうだなと、たかをくくっていましたが、いざスタートするとどんどんどんどん引き離されていきます。あっという間に最下位の集団に入っていました。

それからはもう地獄です。これはもう自分との戦いしかありません。しかもアップダウンの激しいコースで心も体も砕けそうになりつつそれでも少しずつ前に進みました。

あーやっぱり こんなものだ。と内心悔やみながら走りました。

道端では応援してくれる住民の方がいて、その方に愛想笑いをふるまきながら、内心は恥ずかしいとか情けない気持ちでいました。不甲斐のない自分を見られること自身がとても悲しかったです。

ただ 応援してくれてる人たちは全く知らない自分に対して一生懸命「 ファイト !」とか言ってくれるわけで、何なんだこの人たちはと逆に不思議なくらいに思ったほどです。多分僕の生きてきた人生が知らない人を応援するということに疎かったのだと思います。

マラソンとは 町と沿道のお祭りであり頑張る人たちを応援するイベントなのだと思いました。だから走らなくても一緒に参加することができるのです。その日はまるでいろんな人たちと 挨拶をするようなそんな清々しい気持ちになれるのです。

そんな苦痛の時間を過ぎ気がつくと10キロ完走していました。完走とは聞こえがいいですが実際は半分歩いていたようなスピードです。

しかしながら自分にとっては初めての10キロのマラソン。まさか 50歳を超えて 一番苦手とする長距離にチャレンジするとは思ってもみませんでした。

打ち上げで参加した旧友と飲み会をしたのですが、それなりに自分たちの努力を称え合いとても有意義な時間を過ごすことができました。マラソンは自分のペースでいいのだなあと分かりました。

このマラソンは自分にとって大きな教訓を与えました。タイムが遅いことに対しての自分の反省、そして友人が何年もかけてタイムを縮めてきたことの努力、その努力は毎日積み重ねないと達成できないことを知ったとき、自分の努力不足や精神力の弱さを実感しました。

それ以来、毎日数キロ走っています。毎日走ってもなかなかタイムは短くはならないし毎日辛いと思います。しかしながらスマートウォッチには 脈拍が少しずつ下がったり持久力がついていることが わずかですが見られます。それが救いになります。

体力のない自分なりのスケールでの価値観なのですが毎日積み重ねることで自分に対しての小さな達成感があります。

あー マラソンが好きになるのは こういうことだったのかと今更ながら思います。

毎日走ってわかるのは脈拍やペースといった調整の大切さ。最初に速く走るとあとの体力がなくなりますし、足の歩幅を意識を持って変えることでも随分と結果が変わってきます。つまり 自分との対話と言いますかコントロールの仕方でペース配分が分かってくるということです。

体と脳は繋がってると言いますが、それを実感します。体のペースを守るということは 精神的な安定を図ることにもつながると感じます。広い意味では仕事のペースだったり、人との付き合い方だったり全てが繋がっていると感じます。

少しオーバーな言い方かもしれませんが おそらくマラソンやってる人はそう感じてるのではないでしょうか。

今度 思い切って フルマラソンにエントリーしてみました。10キロでダウンするかもしれません。けれどもスタートラインに立つということが大切だと思います。もし参加できなくてもそれまで自分のトレーニングとして毎日のモチベーションを高めることができます。

万が一 フルマラソンを完走できるとすればそれは人生にとっての一大事です。何しろ最初は 2キロしか走ったことのない僕です。

何事もダメ元で前向きに取り組んでみることにしてみたいと思います。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?