日本語教師を一年やって大変だったこと(part1)
みなさん、こんにちはSasayuです。新年3回目の投稿です。
1回目の投稿で、日本語教師を1年やってみた感想を書きました。
その中で、大変だったことを書きました。
・レッスンの準備(圧倒的に大変)
・一日中、日本語のことで頭がいっぱい
・事務的な仕事
・ヤンキー学生への対応
・教材はほぼ実費で準備しなければならない。
今日はこれらを詳しく書いていきます。
記事を書いていたらとても長くなってしまったのでPart1、Part2に分けることになりました。大変なこと多すぎません?ぜひどちらもご覧ください。
1.レッスンの準備
はい、これがダントツで大変です。
わたしが勤めている日本語学校の場合、
「みんなの日本語」をだいたい2日で1課進めます。
ですから、一回(3h)授業するために、0.5課分の教案を作らなければなりません。
…ああ、そうですか。大変なの?
と思うかもしれませんが、死ぬほど大変です。
まず教案づくりで大変なポイントを以下にあげますね。
・練習カードの作成(フレッシュカード、文字カード、絵カード)
・語彙コントロール
・作った例文が、正しいかの確認
・文法の研究
これらは全部自分で作業することになります。絵カードなどは全部自作です。
1-1.練習カードの作成
主にwordを使って作成していますが、一回当たりのレッスンで50枚以上は作っています。
また、どれだけこだわるかで、1枚1枚にかかる時間も変わってきます。
例えば、
「パスポートを 見せて ください。」
この絵カードは、「いらすとや」というフリー絵素材を集めたサイトの画像を使用しています。
上記の絵カードは1つの素材のみ使用しているので、短時間で作成していますが、
下記のような絵カードは、素材を5つ使っています。
「どうぞ、食べてください。」
この場合、それぞれの素材を探し、Wordの中で作成するのでなんやかんやで1枚5~8分くらいはかかります。
それを何十枚も作成するので。大変です。。。
そんなにこだわらなければ、時間をかけずに作ることはできますが。
Sasayuはどうしても、こだわってしまいます。
だってそのほうが学生もわかりやすいでしょ?(多分。。。(笑))
後は以下に、例としてフラッシュカード、文字カードも載せておきます
上がフラッシュカード(て形)、下が文字カード(~ましょうか、会話形式の練習)です。
練習カードの作り方のコツなんかは、あとで記事にまとめてアップしたいと思います。
1-2.語彙コントロール
語彙コントロールとは、まだ学生が勉強していない言葉、もしくは文型を把握して、学生がわかるように話すことです。
例えば「みんなの日本語」14課で初めて「~てください」を勉強します。
なので、1-13課までは「ノートに書いてください。」や、「本を開いてください。」などと言っても学生は「ポカーン。。。」なわけです・。
そんなときは、「本を開きます。」「ノート、書きます」とジェスチャーを交えて指示します。
それと同じように、まだ勉強していない語彙も使うことができません。
ですから、自分が授業で話すセリフも、しっかり細かく考えなければなりません。
教案を作るとき、最初は適当に考えますが、完成が近づくにつれて、未習語彙に気づいたりしてどんどん完成が遠のいていくこともざらにあります。
授業を重ねることによって未習語彙も自分の頭の中に入ってくるので、だんだん慣れていきます。
1-3.作った例文が正しいかの確認
次に大変なのが作った例文が、日本語として正しいかの確認です。
例えば、「~たことがあります。」という自分の経験を表わす文型があります。
「相撲を見たことがあります。」や「アメリカへ行ったことがあります。」
などなど、自分のスペシャルな体験を言うときに使いますね。
逆に「スーパーへ行ったことがあります。」「朝ごはんを作ったことがあります。」のような、習慣やスペシャルじゃないことには使えません。
文のかたちとしてはOKですが、用法は×ですね。
練習カードの半分は、教科書から例文を持ってきたりしますが、それだと数が足りないので、残り半分は自分で考えなければなりません。
しかし、語彙の制限があったり、絵カードを何十枚も作成して疲れていたりする中で例文を考えるのはかなり大変です。
っていうか思いつかねえよ! ってなります(笑)
大変な作業の一つです。
Sasayuはそんな時、
「少納言」といういろいろなメディアの文を集めているサイトを使っています。いわゆるコーパスというやつで、日本人が書いた文を気軽に見ることができます。無料です。
語彙レベルの関係でそのまま例文を使うことができませんが、実際の用法を確認することができるのでかなり便利です。
こういうWebサイトを知っておくとけっこう便利だったりします。
1-4.文法の研究
文法の研究も大変です。
新しい気付きもたくさんあるので、楽しくもあるんですけどね。
例えば、「もし100万円あったら、車を買います。」という仮定の文形があります。
「~たら、~。」は「If」なんだ。オッケー
で終わってしまいがちですが。それじゃあダメなんです。
例えば、「木村さんが来たら、出かけましょう。」という例文は
木村さんが来ることが確定しているときにも使えますから、「If」ではありません。
このように、同じ文型でも用法が異なるものがたくさんあるので、しっかり研究しなければなりません。学生もよく質問してきますので、答えられないと恥ずかしいです。
気づいたら日本語文型辞典が部屋に4冊もありました。(笑)
と、こんな感じで日本語教師をやるうえで大変だったことを書いていたら、けっこう長くなってしまいました。(笑)
今振り返っても大変だったと思います。
次回、日本語教師を一年やってみて大変だったこと(Part2)、アップしますので閲覧よろしくお願いします!!
Sasayu
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