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【3分コラム】かっこいいじゃん

沖縄に家族旅行に行ったとき
シーサーの色塗り体験というものを
やってみたことがある。
娘の握りこぶしほどの大きさの
素焼きのシーサーに
絵の具で色を塗ってみるというものだ。

6歳になった娘は手先も器用になり
「かわいい」へのこだわりも強いので
頭に思い描いた華やかなシーサーを
目の前でゆっくり実現させていく。

一方で3歳の息子は、
なかなかのギラついた色味で
その雄々しい獅子に大胆に色をぶつけている。
目玉はピンク、舌は青。
怒り狂った王蟲に見えなくもない。
彼は彼で色塗りに必死なのかもしれないけれど
全くもって型にはまっていないその創作物が
ぼくにはめちゃくちゃカッコよく見えたのだ。

「上手に出来たね」とか、
「ほんものみたいだね」というような
評価とは遠い場所にある仕上りだとしても
そのサイコパス・クレイジー・シーサーは
どの大人も作れない自由さを纏っている。

日曜日の朝。
今日も焦点の合っていない目で
パンクな獅子はわが家の食卓を見つめている。
あまりとげのある形容ばかりしていると
気に触って噛みつかれてしまいそうなので
このあたりで終わりにしようと思うが、
とにかく、かっこいいでしょ、これ。
と紹介したかったのである。

これはまだ目が描かれる前。
・・いいねぇ。


子どもにしか出せない味って、ありますよね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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